毎日一分で読める民法判例問題25
★今日の問題★
権利能力なき社団の資産たる不動産については、社団の代表者が、社団の構成員全員の受託者たる地位において、個人の名義で所有権の登記をすることができ、また、社団を権利者とする登記をし、または、社団の代表者である旨の肩書を付した代表者個人名義の登記をすることもできる。正しいか?
胡桃「10秒で答えてね。よーいどん!」
建太郎「おう」
1秒
2秒
3秒
4秒
5秒
6秒
7秒
8秒
9秒
10秒
胡桃「10秒経過。どうかしら?」
建太郎「ええっと、権利能力なき社団が不動産を所有した場合の登記方法の問題だな」
胡桃「そうよ。どのような方法で登記すべきか」
建太郎「まず、権利能力なき社団の資産は、構成員の総有なんだよな。だから、構成員全員の共有名義でするのが本来なら正しいと」
胡桃「そうね。でも、そんな方法は現実的ではないわね。例えば、町内会みたいに何百人、何千人もいるような組織だと、とても共有名義の登記なんてできないわ」
建太郎「うん。それで、設問にあるように社団の代表者が、社団の構成員全員の受託者たる地位において、個人の名義で所有権の登記をすることができると。この点は正しいよな」
胡桃「そうね。じゃあ、後半はどうかしら? 」
建太郎「社団を権利者とする登記をし、または、社団の代表者である旨の肩書を付した代表者個人名義の登記だな。これは認められていないと」
胡桃「どうしてかしら? 」
建太郎「そもそも、権利能力がないんだから、社団が権利者となることはできないし、社団の代表者である旨の肩書を付した登記の方法はないからだな」
胡桃「正解よ。判例を確認ておくわよ」
権利能力なき社団の資産たる不動産については、社団の代表者が、社団の構成員全員の受託者たる地位において、個人の名義で所有権の登記をすることができるにすぎず、社団を権利者とする登記をし、または、社団の代表者である旨の肩書を付した代表者個人名義の登記をすることは、許されないものと解すべきである。(最判昭和47年6月2日)
建太郎「うん。そう言うことで設問は間違いなんだな」
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