毎日一分で読める民法基本問題22
未成年者Aは、法定代理人Bの同意を得て、古本屋の営業を営んでいた。しかし、Aが在庫を溜めるばかりで経営センスがないと見極めたBは、Aの営業許可を取り消した。
この場合、Aは、既にした古本等の仕入れ契約を行為能力の制限を理由に取り消すことができる。正しいか?
胡桃「10秒で答えてね。よーいどん!」
建太郎「おう」
1秒
2秒
3秒
4秒
5秒
6秒
7秒
8秒
9秒……
胡桃「10秒経過。どうかしら? 」
建太郎「こりゃ。おかしいだろ。そんなの認めていたら、経営者が未成年者だったら、すべての契約が取り消される可能性があるから取引できないってことになるじゃん」
胡桃「そうね。この問題は、民法第六条2項の許可の取り消しの効力について問う問題よ」
建太郎「うん。この条文だな」
民法
(未成年者の営業の許可)
第六条 一種又は数種の営業を許された未成年者は、その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有する。
2 前項の場合において、未成年者がその営業に堪えることができない事由があるときは、その法定代理人は、第四編(親族)の規定に従い、その許可を取り消し、又はこれを制限することができる。
胡桃「この条文の取り消しは、「撤回」の意味と解されていて、将来に向かってのみ効力が生じるということね。すると、設問ではどうなるか分かるわね」
建太郎「Aは、既にした古本等の仕入れ契約を行為能力の制限を理由に取り消すことができない。ということだな」
胡桃「そうよ」
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