宅建士試験で40点取って合格するための最も簡単な方法はこのライトノベル小説を読むことです 権利関係編1-29

「宅本建太郎さんですね? 」
 早速、市役所と法務局に出向こうと小豆ビルを下りたところで、建太郎は二人の男に囲まれていた。中年の男と若い男だ。二人とも背広を着ていたが、少し危険な感じがする。名前を訊ねているが、名前を知った上で、あえて、声をかけているという感じだった。
「はい。そうですけど……」
 とりあえず、建太郎はそう答える。すると若い方の男が内ポケットを探って手帳を取り出した。パカッと開いて、自らの制服姿入りの写真を表示する。警察手帳である。
「宅本健一・春子夫妻の事故死に関して、あなたにお伺いしたいことがありますので、署まで同行願えますか」
「はあ? 」
「早い話が、あなたが宅本健一・春子夫妻の事故死に関係しているんじゃないかということですよ」
「あり得ねえ! なんで俺が警察に行かなきゃならないわけ? 」
 二人の刑事は有無を言わさずに、建太郎の腕を掴み、ビルの傍らに停めてある車の中に引きずり込もうとする。
 その時、桜咲胡桃が階段を駆け下りてきた。
「あっ。建太郎! きゃあ! 誘拐事件よ! 」
 胡桃がそう叫ぶと、若い方の刑事が警察手帳を突き出した。
「警察です。誘拐ではありません! 」
「ちょっと! あなたたち、建太郎のことを無理やり引っ張って何をしているの! 」
「署まで任意同行を願っているんです」
「建太郎はいやがっているわ! どこが任意なのよ!離しなさい! 」
 胡桃が刑事と建太郎の間に割って入った。
「とにかく、署まで来ていただきます。ついでにあなたにも、来ていただきたい」
「何のために、私たちをしょっ引くというの! 令状はあるの? 」
「話は署で聞きますから」
「話なら、あなたたちに事務所に来てもらった方が手っ取り早いわ。このビルの五階が私たちの事務所よ! 」

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※権利関係編は完結しています。今年の合格を目指す方は、先に読み進めてくださいね。

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