★今日の問題★

 任意代理人である者が、保佐開始の審判を受けて、被保佐人となった時は、代理権の消滅事由、委任の終了原因に当たるため、当然に、代理人としての権限を喪失する。

胡桃「10秒で答えてね。よーいどん!」

建太郎「おう」

1秒

2秒

3秒

4秒

5秒

6秒

7秒

8秒

9秒……

胡桃「10秒経過。どうかしら? 」
建太郎「ええっと。これは、保佐開始の審判を受けて、被保佐人となった人が、代理人だったということか」
胡桃「代理人と言うからには、重要な財産の売買契約を締結する権限があったりするわけね」
建太郎「でも、重要な財産の売買契約というのは、他の人の物の契約のことだよな。被保佐人自身の財産の話ではないと」
胡桃「そうなるわね」
建太郎「すると、被保佐人自身の問題じゃなくて、代理契約の問題だよな。代理人が被保佐人になったら、代理権を喪失するとか書かれているかどうかだ」
胡桃「そうなるわね。ただ、民法には、これに関する規定が置かれているのよ。代理権の消滅事由、委任の終了事由と言う規定ね」

民法
(代理権の消滅事由)
第百十一条 代理権は、次に掲げる事由によって消滅する。
一 本人の死亡
二 代理人の死亡又は代理人が破産手続開始の決定若しくは後見開始の審判を受けたこと。
2 委任による代理権は、前項各号に掲げる事由のほか、委任の終了によって消滅する。

(委任の終了事由)
第六百五十三条 委任は、次に掲げる事由によって終了する。
一 委任者又は受任者の死亡
二 委任者又は受任者が破産手続開始の決定を受けたこと。
三 受任者が後見開始の審判を受けたこと。

胡桃「この中で、この問題に関係する項目はどれか分かるかしら? 」
建太郎「ええっと……。代理人が後見開始の審判を受けたこと。受任者が後見開始の審判を受けたこと。この二つかな」
胡桃「そうよ。代理人が後見開始の審判を受けた場合は、当然に代理権が消滅するということね」
建太郎「うん」
胡桃「じゃあ、代理人が保佐開始の審判を受けた場合はどうかしら? 」
建太郎「特に書かれていないよな」
胡桃「書かれていないということは、どういうことかしら? 」
建太郎「代理権は消滅しないと」
胡桃「そうよ。それでいいのよ。あくまでも民法だけを基準に考えればいいわけね」
建太郎「なるほどな」

※問題は、ノベル時代社の肢別100問ドリルを利用しています。下記サイトから入手できます。

https://new.novelzidai.com/

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