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【Noita】リチャージ時間減少についての考察【Consideration of Reduce Recharge Time】

リチャージ時間減少はあんまり強くないというのを、感覚でしか考えていなかったので、計算して文書化してまとめておこうとおもいました。





リチャージ時間減少について(About Reduce Recharge Time)

消費マナ:12
詠唱遅延:-10F(約0.17秒)
リチャージ時間:-20F(約0.33秒)



前提(Prerequisite)

クリティカルを考えないスパークボルト的な放射物Aを使います

マナ消費とダメージの比率及びDPSの観点から考察します。
計算の都合上、計算に用いる放射物Aは「消費マナ:5、放射物ダメージ:3」以外に特性を持たないものとする。この値は諸々の補正を抜いたスパークボルトやバウンドバーストの値と一致しています。
また、杖持ち替えによる手動リチャージに関しては、そもそもリチャージ時間について考察する意義を失う為、この記事内では考慮しません。



考察(Consideration)

マナ消費を無視した場合にリチャージ時間減少が最大の効果を発揮するのは、「詠唱遅延:11F(約0.18秒)、リチャージ時間:21F(約0.35秒)」の杖に付けて、毎フレーム速射状態にした場合です。

こんな感じの杖

仮に杖に「リチャージ時間減少、放射物A」の2つがセットされている場合1秒間の消費マナは(12 + 5) * 60 = 1020となります。
これに対して1秒間に放つダメージは3 * 60 = 180です。
この時点で1秒間にマナを1000以上食ってしまう大食らいな杖になるのがわかります。
それに対して秒間ダメージは180と物足りません。

比較先の魔法のミサイル

魔法のミサイル単発が「消費マナ:70、放射物ダメージ:75 、 爆発ダメージ:約105、詠唱遅延:+60F(約1秒)」の為、同程度のダメージにも関わらずマナの消費の差が激しすぎます。
しかも、60発全弾が敵に命中する前提でのダメージなのも難しいところです。

また、上記の杖にリチャージ時間減少ではなく「3倍呪文、放射物A、放射物A、放射物A」をセットした場合についても考えます。

こういう構成

この場合、単発の消費マナは2 + (5 * 3) = 17で同じとなりますが、1秒間の消費マナは17 * 60 / 21 = 48.5714……となり約49、1秒間に放つダメージは(3 * 3) * 60 / 21 = 25.7142……となり約26となります。
確かにダメージの差は圧巻ですが、それはあくまでマナを考慮しなかった時の話であり、仮定に追加の条件として上記構成を行いそうな雪のどん底相当の杖でありがちな「最大マナ:300、秒間マナ回復:100」という条件を加える事とします。
3倍呪文構成の方は秒間マナ消費が100を下回っており、事実上マナ切れは起こさないため、前述の計算の通りの値を発揮することが出来ます。
リチャージ時間減少構成では、毎秒のマナ回復を加えても最初の1秒でマナは400しか使う事が出来ません。
そのため、実際に出せるダメージは180 * 400 / 1020 = 70.5882……となり威力は激減します。
しかも、実際の運用中はマナが12以上17未満の場合はリチャージ時間減少だけ読まれて放射物Aが発射されないパターンが混じる(マナが5以上12未満の場合はリチャージ時間減少が読まれず放射物Aのみが放たれるパターンもある)為、この計算値より更にダメージは下がります。
更に2秒目以降を考慮すると、3倍呪文構成は前述の通り変化なしですが、リチャージ時間減少構成の場合はマナを100しか使う事が出来ません。
つまり、180 * 100 / 1020 = 17.6470……でダメージは約18まで落ち込みます。
もう3倍呪文構成を下回っていますが、更に先ほどと同様の放射物Aが発射されないパターンを考慮すると実際のダメージは更に下がります。
サブ杖があるなら問題はないでしょうが、戦闘用の杖がこれ1本で逃げる手段も無い場合、トイマリ辺りに最初の1秒の攻撃を外したりすると、その時点で死が見えるような杖になってしまっていると言えます。

つまるところ、リチャージ時間減少は自身の消費マナ12と発射レート増加が足を引っ張りあってしまっていて、一番作りたいであろう速射杖を作ると弱体化するという本末転倒を引き起こしています。
運用するならばマナを潤沢にする必要があるが、マナチャージが4桁以上の杖は後半にならないと手に入らない上、その時点ではもうリチャージ時間減少を利用した単発速射程度ではどうにもならない敵だらけである為、事実上序盤でマナを追加するやマナチャージ重視杖を拾えた時程度しかフルスペックを発揮することが出来ません
結局のところは速射を考えず、詠唱遅延とリチャージ時間を両方削減することでほどほどの杖をほどほどの速度で撃ちたい時に使うべきと言えます。



追加考察(Additional Considerations)

他の調整盤とリチャージ時間減少のダメージ効率を追加で比較します。
杖の性能は、マナ関連は前章を引き継ぎ「最大マナ:300、秒間マナ回復:100」とし、詠唱遅延やリチャージ時間に関しては消費マナを秒間17 * 10 = 170となるように、「詠唱遅延:16F(約0.27秒)、リチャージ時間:26F(約0.43秒)」と設定します。
この数値は、実際のプレイ時に許容範囲に収まると考えます。
比較先はダメージプラス

消費マナ:5
詠唱遅延:+5F(約0.08秒)
放射物ダメージ:+10
その他の値は今回は考慮しません。

「リチャージ時間減少、放射物A」の杖と「ダメージプラス、放射物A」の杖を比較します。
「リチャージ時間減少、放射物A」の杖の秒間消費マナは前述の通り170、それに対して秒間ダメージは3 * 10 = 30となります。
「ダメージプラス、放射物A」の杖の秒間消費マナは、ダメージプラスの詠唱遅延の加算分を考えてもリチャージ時間の方が長くなるため、(5 + 5) * 60 / 26 = 23.0769……で約23、秒間ダメージは(3 + 10) * 60 / 26 = 30となり、リチャージ時間減少の場合とぴったり同じです。
秒間ダメージが同じにも関わらず、秒間消費マナが170と23では圧倒的な差があると言えます。

更に比較先として、クリティカルプラスを考慮します。

消費マナ:5
クリティカル:+15%

クリティカル確率が100%以下の場合、クリティカルが発生するとダメージは5倍となる。計算上は+400%のダメージと考えた期待値とします。
「クリティカルプラス、放射物A」の杖の秒間消費マナは、「ダメージプラス、放射物A」の場合と同じであるため約23となります。
秒間ダメージは(3 + (3 * 4 * 15 / 100) )* 60 / 26 = 11.0769……となり約11。
確かに秒間ダメージこそクリティカルプラス側がリチャージ時間減少側よりも劣りますが、マナ対ダメージのパフォーマンスはクリティカルプラス側が大きく差を付けてしまっています。



結論(Conclusion)

マナ無いのに速射構成作る為だけにリチャージ時間減少を使うな、という点になります。

とにかく消費マナ12が重いという問題

詠唱遅延を減らしたいのなら、チェーンソーは言うに及ばず、バウンドバーストやスピッターボルト、バブルスパークといった放射物に遅延を減らす効果のあるものや、マナ消費の無い光系調整盤、トリガー構成で踏み倒すなどをするべきです。
リチャージ時間だけを減らしたいのなら、チェーンソー、発掘ボルト、トリガー先に重厚拡散等の手段があります。
リチャージ時間減少にお呼びがかかるのは、微妙に発射レートが物足りなくて、かつマナに余裕があって、詠唱遅延とリチャージを両方減らしたい時くらいです。
つまり、決して汎用的な調整盤ではなく、むしろ用途が限られている調整盤と言えます。



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