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五十嵐貴久「リカ」ー読者に愛される悪役リカの魅力ー

五十嵐貴久先生の「リカ」。


ドラマになる前に何となく読んだのだけど、みるみる惹き込まれてしまった。

「リカ」シリーズはジャンルとしてはホラーだ。
あたしホラーは苦手だから読まないわ・・・と思う人もちょっと待って欲しい。

「リカ」のシリーズは出版順に時系列にはなっていない。
最初の一冊は、ストーカー「リカ」がいかに恐ろしい女性であるかを描いている。
でもなぜか面白くて読書無精な私でも集中して一気に読んでしまった。

驚くのは二冊目から。

いわゆる悪役(猟奇殺人犯)である「リカ」という女性の過去に少しずつ触れていく。
以前の事件の話、生い立ちの話、学生時代の話と、

巻数がすすむと読者はいつの間にか
「リカ」という存在をまるで自分のように

感情移入をして読んでいることに気がつく。

読めば読むほど読者は「リカ」に自分を重ねたり、「リカ」を応援してすらいるはずだ。


「リカ」にはありえない身体能力もあり、それがドラマ化されると
B級ホラーみたいにツッコミどころ満載の面白い絵面になった。

高岡早紀さんが見事に「リカ」の孤独と愛を描いていた。

読めば読むほど「リカ」の犯してきた罪は深いものではあるのだが、
だんだん読者の方にも耐性がつくのか(ついていいのか?)
半ば自分までサイコパスなんだろうかと疑うほど
「リカ」の活躍(?)を喜んでいる自分に驚くことになる。

私はいつも秋元ドラマは毎クール見ているんだけど
あんなふうに「猟奇的なシーンオンパレード」にすればおもしろいというものではないと思う。(でも役者さんが好きだから大体見るけど)

「リカ」の行動には筋が通っているし、気持ちがわかるような気すらする。

レビューを見ていて、「リカは私だと思いました」と書いてあるものをみつけた。

確かにその通り。

読者はもう、いつの間にか警察側じゃなくて、被害者でもなく、殺人鬼「リカ」に釘付けになってしまう。

これはホラーを楽しむ作品というよりも、
ヒューマニズム溢れた恋愛小説だと思う。


明るくてきれいでおしゃれなものばかりが好きなのだったらおすすめしない。

自分の中にはありえないと思っていた色んな感情をえぐられることになるからだ。

ただ、人間の奥底にある感情や自己肯定感、孤独と愛、ただ好きな人に愛されたい「リカ」とはどんなものだろうと思ったら、ぜひ全巻まとめておすすめしたい!

不思議なほど読者は「リカ」が好きだと思う。

この先生の作品は、文章テクニックがすごいのか、いつもどんなテーマの本でもスラスラっと最後まで読んでしまう。

他の本だと出だしの1ページを読み終わる前に気がそれてしまう。

だから私は五十嵐先生の本を色々読みたいと思ってる。

先日ドラマになった、なにわ男子長尾謙杜くん主演
「パパとムスメの7日間」など
これまた明るく面白いコメディのような作品もあれば
なんとブロマンスもある。

社会性のある作品とかあるんだけど、どこか登場人物が魅力的だし、惹き込まれて読んでしまう。

「リカ」はドラマもすごく良くできているのでどうかセットでおすすめしたい。映画にもなったのでそちらもぜひ。

日々の仕事や育児などでいつの間にか集中して読書をできなくなった自分が
色々と本を読みたいと思うようになったきっかけが「リカ」シリーズ。

育児以前はハリーポッターシリーズを熱心に徹夜で読んでいたのに。
自分に集中できる時間がなくなったら、読書が苦手になっちゃうんだよね。

五十嵐貴久先生はツイッターも面白いし
#読了 のタグをたくさんリツイートしてくたりして
いろんな本と出会えて、あっという間に読書の魅力に取り込まれる。
先生もタグを使うときさくにリプライしてくださったり、フォロバを求めると親切にフォロバをしてくださる素晴らしい人。

気がつくと読書好きの仲間が増えている。

ぜひ、「リカ」も他の本も、五十嵐貴久先生のツイッターも全部セットでおすすめしたい。

はんぺん的には「贖い」(あがない)がすごくおもしろかった。


Kindleのデジタル版は、スマホなどで好きな文字の大きさで、
電車でもトイレでもすごく気軽にスキマ時間に読めるところ。


五十嵐貴久先生のツイッターはこちら

「リカ」デジタル版

劇場版「リカ 自称28歳の恋愛モンスター」 アマプラでレンタル

https://amzn.to/3C2m1qp


予告

ドラマ版はU-NEXTとHuluで見れるみたいです。


本は一通り読んだら、また時系列順に並べてもう一周読みたくなる作品です。

全部セットでぜひ~!

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