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わたしの好きな曲(吉野千明に学ぶ)

スプリング・マーチ

「お兄さんの言ってることって、すっごくまっとうだし、必要な言葉だとわたしは思いますけど。」
「実際、つまらないのはたしかですしね。」
「まっとうで必要なことって、つまらないんですよ、きっと。」

最後から二番目の恋

「バランスがいい人だね」声に出して言われたい日本語だ。できれば人を介して聞かされるとなお良い。

こほんこほん。

「そうえいば、課長が、あなたのことバランスがいい人だねって言ってたよ」といった感じで。「褒めてたよ」ではなくて「言ってたよ」がいい。「どういうことだろうね」ととぼけられるから。心の中ではWBCで優勝を決めた瞬間の大谷くんくらいの勢いでグラブもキャップも放り投げて「イエーイ!」と喜びを爆発させたいところだけれども、そこは平静を装ってすっとぼける。プロの仕事だ。

バランスがいいというのはもちろん大谷くんみたいに長身で小顔で、しかもその小さいお顔が信じられないくらいのバランスで整っているという容姿の面ではなく(もちろんそれも備えていればなおいいけれども)、コミュニケーション能力とか判断力とか調整力とか、そういった仕事面での評価である(と想定する)。

大好きなドラマ「最後から二番目の恋」「続・最後から二番目の恋」はもう何度見返したか分からない。顔を合わせれば言い合いばかりしている千明(小泉今日子)と和平(中井貴一)を中心とした個性的な人々が鎌倉を舞台に繰り広げる大人の青春ドラマ、名作だ。

冒頭のセリフは家族から「つまらない」と糾弾される和平を擁護して千明が発した言葉。さすがバランスのかたまり吉野千明。素敵だな。

金曜日、行きたくもない飲み会に半ば強引に参加させられた。案の定、デリカシーのない主催者のデリカシーのない発言の連続にうんざりして、ひどく疲れてしまった。だらだらとひとつも楽しくない飲み会が閉店まで続きそうな雰囲気だったので、ちょっと大人げない気もしたけれど、タイミングをみて途中で帰らせてもらった。女子会という名の地獄をみた。好きな熟語は「相殺」と「殺伐」です、というくらいには気持ちが荒んでしまった。

こんな状況でも上手に切り抜ける吉野千明マインドを身につけたい。デリカシーのない発言や行動を雰囲気を悪くすることなくぴしゃりと明るくやり込める方法なんてあるのだろうか。そして、この記事はいったいどこに向かっているんだろう。エイプリルフールということでここはひとつ大目に、と思ったらもう2日になっていて、いよいよ終着点がわからなくなってしまったので、唐突におやすみなさい。

あ、「部長が、あなたのことバランスがいい人だねって言ってたよ」と同僚から聞かされたこと、あります(照)。「どういうことだろうね」とプロ級にすっとぼけたところまでがセットです。とても気分がよかったので、また言われたいのです。おやすみなさい。(スプリング・マーチについてはひとつも触れない。)

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