マルチポットでコロコロごぼうを揚げる朝
ごぼうが好きだ。洗いごぼうには見向きもせずに、土色の黒いごぼうを選ぶくらいにはごぼうが好きだ。できればアクは抜かないで、アクが強いにしても最小限のアク抜きでお願いいたします、と思うほどにごぼうが好きだ。
とはいえ、長いごぼうをエコバッグから飛び出させてよっこらせっせと持ち帰り、決して広くはないシンクで包丁の背でごしごしと土を落として(泥水が飛び散ったりもする)、適当な大きさに切り揃え(飛び散った泥水の後片付けもせねばらない)、ここからいよいよ調理過程へ、という美味しいごぼうを食すまでのいわゆる「ごぼうロード」はなかなか過酷で、ある程度の元気がなくては土色ごぼうを手に取ることはできない。つまり、土色ごぼうを手に取るわたしは結構元気であるという証であり、昨日のわたしは超絶元気があったのか、2種類のごぼう(ふつうのごぼうと、太ごぼうという名前どおりのめちゃくちゃ太いごぼう)をエコバッグから飛び出させ、ツーステップを踏みながら(過言です)帰宅した。安かったんだよね。
↑ すごいな。ごぼうについて知りたいことがぜーんぶ網羅されているではないか。つまりごぼうは栄養豊富なうえ、旬の季節も長く、元気レベルのバロメーターにもなるというスーパーお野菜ということでよろしいか。
そこで、ついに、いつかやってみたいと思っていたあれをやる時がきた。
ふだんなら弁当用の作り置きおかずに最適なきんぴら一択なのだけれど、今日は完全にコロコロごぼうの口になっていた。
洗って切ったごぼう(あく抜きなし)に片栗粉をまぶして揚げるだけ。揚がったら塩をまぶす。あとは食すのみ。ビールがないのでワインで乾杯。
揚げの工程がコロコロごぼうの肝だと思う。弱火でじっくり。わたしは多めの油で揚げ焼き、ではなくて、たっぷり油を使って揚げました。弱火で10分~15分くらいじっくりと揚げた(と思います)。いい感じの色になったところで引きあげて適量の塩をまぶす。それだけなのに、しみじみ美味しい。わたしが居酒屋を開くなら、これは絶対にメニューに入れる。
今回は2種類のごぼうを買ってしまったので、ふつうのごぼうはコロコロごぼうに、太ごぼうはスティック状にしてコロコロごぼうと同じ手順でスティックごぼう(たぶんもっとふさわしい呼び方があるので、おいおい考えよう)にしてみた。ちょっとしたパーティーができるくらい山盛りのごぼうの揚げ物ができてしまった(でももう半分は食べた)。揚げたてのあつあつが美味しいに決まっているのに、わたしはどうして食べきれない量を一度に揚げてしまったのだろうと冷めゆくごぼうを見ながら思う朝。残りはトースターでリベイクして食べよう。
揚げるのに使ったのはほんとにマルチなマルチポット。
わたしは揚げ物に使うことが多いのだけれど、深さがあるので飛び散りが少なくてよい。小さなサイズなので、多くの油を使わなくとも揚げ物ができるところもとてもよい。味噌汁はいつも噴きこぼれてしまうので不向きだなとわたしは思っているのだけれど、それは鰹節が原因かもしれないので、マルチポットは悪くない。