ごめん、好きじゃない
ふと思う。君に会いたい。すぐにでも。もう11時を回ってるけど、今すぐ君に会いたい。
君に初めて自分から電話を掛けた。
私はいつもタイミングが悪くて、3回に1回ぐらいしか出れないのに、君はすぐに出てくれる。
ごめん、君のことが好きじゃないんだ。
自分でも不思議なくらい、君のことが好きじゃないんだ。
話してて心地いい。会ったら楽しい。君は私のことを特別だと言ってくれる。満たされていた。
けど、好きじゃない。
前から知っていた。絶対好きにはならない。けど、気づけば君は、私の特別。
誰よりも話して、誰よりも傍にいて、誰よりも長い時を過ごした。指を絡め、唇を重ね、肌に触れた。
ごめん、君が好きじゃない。
今、君に会いたいのは、性に拠るものなのだろうか。それなら、悲しい。
私と君は、何なのだろう。何になるんだろう。何とされるんだろう。
私は君とまぐわって、それで、
君を好きじゃないと、気づくんだ。