わかりやすい!中医学の基礎 Vo.10〜5行学説と五臓の関係〜
五行学説
五行学説とは、自然界の全てを木・火・土・金・水(もっかどごんすい)の5つのグループに当てはめて分類し、その関係性を解く理論・考え方です。
五行の『木』『火』『土』『金』『水』には、表のような性質があります。
五臓
東洋医学では、五臓は心・肝・脾・肺・腎の5つで、それぞれ表のような役割と性質を持っているとされています。
西洋医学の心臓・肝臓・脾臓・肺・腎臓と一部重なる部分もありますが、中医学では組織というよりは機能としての臓腑に注目し、その役割を当てはめています。
心
心は、西洋医学の心臓を含めた循環系と中枢神経系の全般を指し、
熱との関係が深い臓です。
肝
肝は、心と体を伸びやかに保つはたらきをしており、すくすくと伸びやかであることを好む臓です。我慢強いのですが、ストレスによって最も影響を受けやすい臓でもあります。
脾
脾は、消化吸収を担う臓で、西洋医学でいう消化器系全般をさします。
体に栄養を与えるための基盤となります。
肺
肺は、呼吸にかかわる器官全般をさし、外界の空気を体内に取り入れる役割をしています。
腎
腎は、生命力の源が貯蔵されている臓で、成長や生殖・老化にかかわる臓です。
五行学説と五臓の関係
五行の性質を五臓に当てはめると、表のような関係になります。
五臓には、お互いに『生み出す関係』と『打ち消す関係』があり、何らかのからだの不調やトラブルがある場合には、この関係性にトラブルがあると考えられます。
五臓同士の関係
『生み出す関係』と『打ち消す関係』
この関係性は、実際に病態と治療を考えるときに役立ちます。
例えば、
『生み出す関係』では、
肝(木)に何らかのトラブルがある場合には、腎(水)のトラブルも一緒に解決してあげると、肝の不調をよくするのに役立ちます。
『打ち消す関係』では、
心の『火』の要素が強くなって、からだの中に熱が生まれてしまっている場合、腎の『水』の要素を高めてあげると、その火の強さを和らげて症状が軽くなることがあります。
この関係性は、具体的な疾患と治療法を考える上での基礎となるものです。
中医学の教科書を読み進め、何度も繰り返し読んでいるとその関係性がしっくりとくることがあると思いますので、今はそこまでしっかりと理解する必要はありません。