わかりやすい!漢方薬〜くすり箱にあると便利な漢方薬⑦六君子湯
前回ご紹介した、補中益気湯にも、胃腸の働きを高める効果があるのですが、胃がもたれる、食べても食べ物が胃の中に残っている感じがする(消化できていない)などともっと具体的に胃腸症状がある場合には、「六君子湯」がおすすめです。
六君子湯
食べるとすぐに眠くなり、体のだるさがなかなか取れない時にも、胃腸の働きを高め、胃のなかの湿を除いて重だるさを軽減してくれます。病後や夏バテで、食欲の低下が激しい場合にも良い漢方薬です。
中医学的に見ると、『脾胃気虚・痰湿』や『痰湿困脾』と言われる、脾胃のはたらきが低下したために、余分な湿が胃腸に溜まってしまっている状態です。
舌を見ると、苔がべっとりとしていることが多いです。
特に日本は湿度が高く、さらに冷たいもの、脂っこい食べ物や甘いものを食べ過ぎる場合、この状態になりやすいと言われています。
服用に適さない方
特にありません
服用における注意点
特にありません
六君子湯に入っている代表的な生薬
●人参:『気』を補い元気をつける
●白朮:胃腸の『気』を補い胃腸の働きをスムーズにする
●茯苓:余分な水湿を除く
●甘草:気を補い他の生薬を調和させる
●生姜:胃を温めて湿を除く
●大棗:脾を温めて、補気・補脾する 血を補うことで精神を安定する作用にも優れる
ここまでが四君子湯の構成生薬です。
半夏:胃気が逆流して上に登るのを抑え、湿を除く
陳皮:めぐりを良くして湿を除く
六君子湯は●四君子湯(胃腸の働きが弱く、食が細く、虚弱な人に使われる漢方薬)に、めぐりをよくする半夏と陳皮が加わった漢方薬です。
四君子湯には生薬は6種類、六君子湯には8種類あるのに、なぜ四君子湯・六君子湯という名前なのか不思議に思う方もいらっしゃるでしょう。
生姜(しょうが)と大棗(なつめ)は、中国では一般的な食材なので、実際は病院ではもらわずに自宅であるものを入れて使うそうです。
なので、生姜と大棗を除いた6種類、もしくは4種類ということで六君子湯・四君子湯と名前がついているのですね。