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ねむりのさまよい
近頃、眠っているときと起きているときのあいだをさまよっている。
暗闇は視界を少し奪っていくけれど、その分、音も匂いもすっと入ってくる。
そうやって感覚に身を委ねることのできる時間は、私をひとつの生き物にしてくれる。肌で空気の温度を感じて、食べることも、眠ることも、ひとつの作業ではなくて、生きるためのサイクルの大切な時間として吸収されていく。
とは言っても、人間だから、社会の中で生きていかなくてはいけない。
朝は起きていなければいけないし、やることがあれば食事は後回しになる。
身体の中の心地いい時間と、身体の外を流れる時間には、結構ずれがある。
どちらに傾いてもうまくいかないから、ちょうどいいところにバランスがとれるといいんだろうけど。
人間って、悩ましい。