ハロウスクールの学生たちが、ボランティアに来てくれた話
私が住む岩手県には、英国式のインターナショナルスクール「ハロウインターナショナルスクール安比ジャパン」があります。ひょんなことから、そこの生徒さんたちがボランティアに来てくれることになりました。
5月のある日
ある日ハロウスクールの先生から、生徒たちにボランティア活動をさせくれないかと依頼がありました。このハロウスクールは、私が大学を卒業するかしないかの時にできるらしいよと風の噂で聞き、以前から存在は知っていました。しかし私は英語ができないので、バイリンガル教育とは無縁だろうと、人ごとに感じていました(実際は、ここの生徒さんたちは卒業までに日中英を習得するそうです)。
お話を伺うと、この学校では週に1回「ボランティア活動をする日」があるとのこと。私は以前IB校に勤めていたことがあり、そこでも「CAS」と呼ばれる必修の課外活動(ボランティア)がありました。おそらく似たようなものだと思います。そのボランティア先として、今回私が勤める動物保護施設にお声がかかったようです。
そんなこんなで、予期せずハロウスクールと関わりを持つことになりました。
生徒さんたちは、複数ある施設や活動から自分の意思でボランティア先を選ぶので、うちに来るメンバーは少なくても「動物に興味・関心がある生徒たち」のようです。ただし毎回同じメンバーではなく、しかも不定期での参加(開催)になるとのことだったので、どんなことをしてもらおうかと悩みました。もちろん一般のボランティアさんと同じように、犬のお散歩やお部屋の掃除などをお願いするという方法もあったのですが、せっかく参加してもらうなら何か学びを得てほしいという想いもありました。
私が提案したのは、「生徒自身にやりたいこと/できることを考えてもらう」という方法です。元からPBLや探究学習的な考え方が好きだった私は、こちらから「これをやってね」と”与える”のではなく、生徒自身がこの施設のために・動物たちのためにやりたいこと、できることを考えて行動してもらうのはどうかと考えました。例えば…
一番おいしいドッグフードはどれ?比較検証
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などなど。施設を見学する中で、それぞれが疑問に感じたことをテーマにして、その解決/解消に向けてプロジェクトをする、そんな活動ができたらおもしろいなと考えたのです。
結論から言うと、まだこれは叶っていません。施設の代表にも先方にも賛成こそしていただいたものの、ボランティアの活動時間は週に1時間と限られており、しかも前期は諸々の事情でボランティア活動自体が一度しかありませんでした。夏休み明け、この活動ができることを楽しみにしています!
もう一つの希望
この一件があった後、偶然「スクールドッグ」という活動に出会いました。簡単に言うと、学校にセラピードッグのような犬を派遣し、子どもたちの居場所を作るという活動です。(※スクールドッグの活動は医療行為ではないので、正確にはセラピードッグではありません。)
安比のハロウスクールは全寮制です。そうでなくても、子どもたちが長い時間を過ごす”学校”にもし犬がいたら、そしてその犬がもし”保護犬”だったら、それに触れて育った子どもたちの未来はきっと大きく変わるはずです。
そんなことを考えながら、今年始まった日本スクールドッグ協会の研修に、何度か参加しました。しかし肝心のハンドラーになるための合宿研修へは、悔しいですが今回は参加を見送ります(泣)8月に開催されるのですが、気持ちはあれどお金がない……。何と言っても開催地が岡山県とのことで、岩手からは片道3万円ほど😭ちょーっと厳しい!悲しい!!来年までにお金を貯めて、リベンジします❤️🔥
ボランティアをするということ
動物保護がボランティアで成り立っている現状と、日本語教育界のそれは、とてもよく似ていると感じます。個人的には、ボランティアに依存するこのシステム自体には反対(何とかしなければと思う)けれども、そうは言っても「ボランティア」があるからこその良き出会いがたくさんあったのも事実です。
自衛官、看護師
国家公務員またはそれに準ずる者のために、物理的に”ボランティアしかできない”人たちもいます。それでも犬猫のためにと無給で来てくれる、とてもありがたい存在です。お仕事の話を聞いたり、とても刺激になります。
↓これは、そのボランティアさんが作ってくれた素敵な動画です。
カンボジア帰りの元日本語教師
ご本人は自ら名乗りませんでしたが、なんとなく同じ匂いがするなと思って聞いてみたら、やっぱりそうでした。教師をしていたのはかなり前だそうですが、こんなことってあるんだ!と驚きました(笑)
その方は以前、カンボジアのNGOで働いていた時に、「犬猫が病院に行くなんて…」というカンボジア人の考え方を見て、カンボジアの動物福祉を変えたいと思ったそうです。今は動物看護師になるための勉強をしながら、合間を縫ってボランティアに来てくれています。
社会復帰の足がかりに
中には精神を病んでしまい、動物に癒しを求める方も少なくありません。一緒に暮らしたいと思う方もいれば、犬猫のお世話を通して社会復帰したいという方もいらっしゃいます。
その方は毎週欠かさず犬たちのお散歩に来てくれていて、体力回復や「働く」ということにもう一度向き合い、社会復帰するためにこのボランティア制度を活用していると言います。
この仕事をして良かったこと
端的に言えば、「出会いがある」ことです。
正直、良い出会いばかりではありません。でも画面越しのやり取りだけでは体験できない、さまざまな出会いと別れがあります。これまでずっと一人で個人事業主として働いてきた私から見ると、「ひとと一緒に働くっていいな」と思えた半年でした。もちろん大変なこともあるけれど、人や動物との出会いが自分を成長させてくれていると感じる毎日です。
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