#4日本語の授業を始める前に、まずは【教材分析】
授業をするには、何かしらの指標が必要になります。それが教科書です。
しかし教科書”を”教えるのではなく、あくまでも教科書”で”教えなければなりません。そのためには、教科書が一体どのような考え方・理念で作られ、何をどのように教えなければならないのか、教師がよく知っておく必要があります。そのために必要なのが、教材分析です。
参考文献
今回のnoteの参考文献はこちら。
教材分析とは
まず、「教材分析」の定義を確認しておきましょう。
「教材」というのは、教科書や副教材、ワークシート、動画やウェブサイトなど、教える際に使う全てのものを「教材」と言います。
「分析」する項目としては、対象者、教材の構成、学習内容、指導法、理念など、様々なものがあります。教材分析では、教科書が対象としている人や教科書で教える内容(学習項目)、教科書の効果的な使い方などを分析していきます。
ここでは、初級日本語文法の教科書を分析し、その構成を理解することを目標に、以下の点について分析していきます。
教科書の学習目的とは、例えば生活や旅行のため、進学、就職、仕事、試験対策など、様々な目的があります。日本語のレベルは入門レベルから超級まで、そして対象者は、子ども・留学生・就労者・生活者など、また日本在住か海外在住かも併せて、日本語学習者は実に様々です。
教材分析を通して、どんな人に使えるどんな教材なのか、探っていきましょう。
分析例
それではここから、「みんなの日本語」を例に、教材分析していきましょう。
1.学習目的、レベル、対象者
まずは「みんなの日本語」の「前書き」の部分を確認します。
この部分から、学習目的、レベル、対象者がわかりました。
2.教科書全体の構成
次に、目次を見てみましょう。
「はじめに」の部分にいくつかの「初期指導」的な資料(発音、教室のことば、数字等)があり、その後第1課が始まります。
各課には2つから4つの文法項目があり、途中に「復習A、B…」と、まとめの練習問題が入っています。
3.各課の構成
続いて、第1課の中身を見てみましょう。
文型、例文、会話、次のページに練習A、練習B、練習C、問題と続いていきます。各課の構成はこの通りですが、それぞれの項目の違いは何でしょうか。どのように使えばいいのでしょうか。
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