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アフガン情勢は混沌化し、テロリストが跋扈:米政治学者の見解

 2021年8月21日の日経朝刊は、米政治学者イアン・ブレマーの特別寄稿として彼の見解(演繹)を六段抜きで掲載しています。

1  イアン・ブレマーの見解(骨子)

  現状及び原因:米国の失敗(情報分析の甘さ、調整能力、退避プランニング、コミュニケーション不足の4つを挙げている)

  展望:見通しは暗い。今後アフガンがテロの温床となる(アフガン国内の紛争地が今後世界中から国際テロリストを誘引)

  結論:彼の言葉を借りれば「『何かはわからないけど、何かがあることはわかっている』というという事例はこれから飛躍的に増えていく」

2   イアンの現状分析と将来展望に対する評価

  世界一流の政治学者である米国のイアン・ブレマーをもってしても

  🔹 1980年代のアフガン、2010年代のシリアで見られたようにアフガン国内の紛争地が世界のジハーディストを惹きつける

  🔹 「これから何が起きるかわからない」

としか言わしめことができないほど今回の「アフガン・ショック」が米国は言うに及ばず、世界中に与えた影響は大きいようです。

 そして圧倒的な情報量の不足が招く

  🔹 今後の展望(演繹)の不能と不透明感

  🔹 米国を筆頭に世界各国が抱く焦燥感と不安感

はこれから数日間でピークに達することが予想されます。

 私はイアン・ブレマーの現状分析と今後の展望に多少なりとも期待していただけに、今回の彼の凡庸な評論家止まりのコメントには些か失望しています。

 それだけ現在米国が現在有している情報量が不足していることを意味し、その情報収集の責務を担い世界の情報機関をリードしてきたCIAの20年間にも及ぶ情報活動は何だったのか?とCIAの力量を疑わざるを得ません。

 尤も今回の場合、CIAが使っていたアフガニスタン人協力者(敵味方を問わず)はその殆どが「面従腹背」の輩ばかりでありCIAですらそれを見抜けなかったのですから、日本を含む他国の情報機関については「何をか言わんや」だったに違いありません。

3  では、これからアフガニスタン情勢はどうなるのか?

  イアンの分析記事を見て半分失望したと書きましたが、同時にこれからアフガニスタンで起こることについてはほぼ誰も真っ当な演繹ができていない、つまり誰が何を演繹しようと正解はない状態であることが大変よくわかりました。

  この問題は、当事者の米国のみに留まらず当分の間は世界各国の関心事であり分析・演繹力の見せ所でもあります。

  私はこのNoteのみならず、ClubhouseやTwitterなどで色々と私なりの見解であるとか、見通しについて発信してゆきたいと思っております。

  8月15日からほぼ毎日この問題について発信しておりますので引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。


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