小山田事案と日本の「ツテ」「忖度」社会
東京2020の楽曲担当小山田某が本人に対して快く思わない個人或いは集団から開会式直前の土壇場という最悪のタイミングで過去の所業を暴露された挙句、自ら辞職に追い込まれるという騒動を有名人無名人の別を問わず支持或いは傷口に塩をすりこむが如くのコメントが報道、SNSなどで喧しいですね。
1 日本独特のポジション決定方法
今回の小山田某は、有名な流行歌手の子息で遠縁には昭和時代のGSサウンドを牽引した有名プロデューサーもいるなど当該業界では「七光り」いや「十四光」を幼いころから経験した正真正銘の坊ちゃん育ちと聞いています。その後もグループ活動などを通じてメディアでの露出も増えるに伴い各界での知名度も上がっていったようです。
ここではこの小山田某がなしたとされる、それこそ吐き気をもよおすような悪行は省略し、同人が何故東京2020の大舞台での抜擢を受けたかについて考えてみたいと思います。
今回の小山田某の件に限らず、日本の社会では進学、就職、イベントでの抜擢その他ありとあらゆるポジション登用を決定する大事な要素として「ツテ」「コネ」「忖度」があると思われます。
その人物本位とか過去にどのような悪行・所業をしたとかの調査はさておき「親が云々」「親類が云々」「兄弟が云々」など本人の親族一族郎党の知名度を基にポジションを決めていると思いませんか?
私の憶測の域を出ませんが、今回の小山田某のケースも五輪委員会が自らが時間をかけて調査するなどの手間を省いて知人に「誰か良い人いないかな?」と丸投げして、その「丸投げ」がツテを伝って回りまわって小山田某に辿り着いた、と考えるのが自然ではないでしょうか?実際小山田某以外にも世界的なイベントで活躍できる人材は日本には数多く存在していることですし。。
これは、恐らく江戸時代、明治時代から続く日本独特の決定方法と思われ、このシステムがゆえに有能な人材が登用されなかったり、登用された人物に瑕疵があることが後々露見してしまい結果として「ご破算」といった今回のケースのような例が後を絶たないのではないでしょうか?
内閣改造における大臣登用も然り。まずは「順番ありき」で候補者のスクリーニング或いは身辺調査を十分に行わなかったため、就任後に瑕疵を暴露されて、結果引責辞任という茶番劇を何度も繰り返すのではないでしょうか?
2 ツテや忖度が生む弊害
今回の小山田某の土壇場での辞任によりどれほど多くの人々、機関が迷惑を被ったことでしょう?そして日本の信用を完膚なきまでに失墜させた責任は誰にあるのでしょうか?小山田某が辞任したからそれでことは終わりなんでしょうか?
今回のようなことを繰り返していては江戸や明治から続くこの悪習は根絶できず、日本はいつまでも発展途上国並みの民度だと揶揄され続けるのではないでしょうか?
どこかでこの悪習に終止符を打つべく抜本的な改革をやってのける「白馬の騎士」を望むのは200年早いのでしょうか?