メアリー・スーを殺して
乙一,中田永一,山白朝子,越前魔太郎,安達寛高 著作の小説
なんとこれ、全部同じ作者なんです。
私は乙一さんの名前しか知らなかったのですが、ペンネームによって文体のテイストを変えており、同じ作者だとわかりませんでした。
いわゆる短編集で構成されています。
「メアリー・スー」とは作者の理想を主人公に投影させて中二病、最強設定などで作者が気持ちよくなることです。
その元祖が「メアリー・スー」という少女の主人公だったことから、この名前が付きました。
これが良作であれば、読者も自己投影出来ていい気分で読み進めることが出来るのですが、駄作だと大変なことになります。
まるで中学生が周りに隠れて書いていた中二病小説が全国の書店で並ぶような愚行になるでしょう。
まだまだライトノベルの異世界転生ブームが続いていますが、このパターンは平成初期よりもかなり増えていませんか?
現在はネットで一般人が小説を投稿できるようになっているので「メアリー・スー」が世界規模で発生しているに違いありません。
この小説の主人公は自分の中にある「メアリー・スー」を殺さないと読者を惹きつけることができないと指摘されます。
しかも彼女が書く小説は二次創作のため、原作のキャラの中に「メアリー・スー」が侵入し、物語を破壊しているのです。
その原因は彼女がリアルの日常生活が上手くいかず、現実逃避で小説を書いているからでした。
しかし、彼女はリアルの生活を改善していくと彼女の中にある「メアリー・スー」が消えていき、読者ファンも増えていきます。
これが彼女の本当にやりたかったことなのか?
趣味では「メアリー・スー」がいても良いですが、商業的な小説を書くとなると、ある程度「メアリー・スー」を殺さないといけなくなるかもしれないですね。