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大事なことをことほど小声でささやく

スナック喫茶をやっている筋肉ムキムキのオカマの店主、ゴリママを中心に描かれる物語。
ゴリママはジムでの筋トレが大好きで、お店の常連はジム通いの人たち。
章ごとにゴリママのお客さんが主人公になって、ゴリママの的確な人生相談やアドバイスで軽快に物語が進んでいくんだけど、最終章はゴリママ自身が主人公。
ゲイでもある彼女は心の奥底に孤独への不安感が強く、夜寝る時の時計の音が「一人で死を迎えるカウントダウン」に聞こえ、過呼吸のような発作を起こすような時も。

そこで私が参考になったのはゴリママのアルバイトで働いているカオルさんがゴリママに言った「阿吽」と言う言葉。
要するに「過去や未来に囚われず、今を生きろ」という意味が込められている禅の言葉だけど、これをゴリママは忘れていたみたい。
時計の音で不安になっているけど、それは未来に対する不安。
現在、起こっていることに対してではない。
ゴリママはそのことに気づき、前を向くってのがエンディングなんだけど、まぁなかなかできることではないよね。

特に未来への不安を煽るメディアやSNSを使う現代人には「阿吽」の実践は特に難しいね。
しかも、自分の過去未来に悩むどころか国への不安、そしてネットで起きた赤の他人の出来事への不安まで伝染する。
自分に起きたことじゃないのに。

やはりメンタル面でもネットの使用は控えて、読書などに時間を移すのは正解っぽいな。
これもなかなか難しいんだけどね。
ついつい思考停止でSNSとかニュースとか観ちゃうし。
人間なかなかうまいこと行かない。








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