きばるな危険!
広報PR歴52年目
編集長の思案橋わたること、田中康雄です。
前回は広報PR活動費について
思うところを綴りました。
ちと、文章が長かったかな?
とも思いましたが
わたしという人間を
なんとな~~く、知っていただく
きっかけにはなったと思います。
繰り返しになりますけど、
私がPRに関わるようになったのは
小学生の時、捨てられていたガリ版
(手動印刷機)を偶然拾って
週刊紙を発行したことがきっかけです。
それ以来、好むと好まざるとにかかわらず
いろいろな経験を積んできました。
仕事もいろいろ。
ずーーーっとPRだけ
やってたわけではないけど…
広報PR歴52年目と断言しているわけは
♬ やっぱ好っきゃねん!
やっぱ好っきゃねえええん!
って、ぜんぜん理由になってませんね。笑
どんな仕事している時でも
頼まれるとついつい…
要らん世話を焼いてしまうんです。
数年前、ビルの管理人をしていた時
以前、取材したことがある大学生から電話が…
私)珍しい。●●君。大学卒業できた?
彼) もう卒業して3年です。
私)もうそんなに?歳取るはずやなあ。
彼)実はお願いがありまして…
私)どうしたの?
彼)今の仕事の取引先が、こんなスイーツを作りまして…
※諸事情により具体的な内容は控えます。
私)それめっちゃ面白いやん。
彼) でも、どこも取材してくれません。
私)あらまあ。そりゃ困ったね。
彼)プレスリリースを見てもらえませんか?
彼が送ってきたプレスリリースを見て
原因がわかりました。
内容はめっちゃ面白いのに
これじゃ絶対に取材は来ないと
一目でわかるプレスリリースでした。
スイーツの面白さを
ことこまかに説明している。
え? 説明したらダメなの?
そう思ったあなた。
そうなんです。
プレスリリースは説明書ではない!
なのに多くのプレスリリースは
ほぼ説明書になっているんです。
このケースの場合、対象がスイーツだったので…
私)このネタのキモは、見せ方と魅せ方やね。
彼)みせかた、ですか?
私)そう。スイーツ自体の見た目も面白いけど
このスイーツは●●を記念して作ったんやろ?
彼)そうなんです。それが伝わらないんです。
私)写真撮り直せる?
彼)できると思いますけど。
私)写真がダメ。見た目の面白さが活かせてない。
流行りのインスタ映えを意識して並べ変えてみて。
(当時はインスタ映えという言葉が生きていました)
ネタがめちゃくちゃ面白かったのと
スイーツの見た目が、かなりユニーク
そして地元の記念日にちなんだスイーツ
文章を大幅にカットして写真を増やし
数種類あるスイーツの全体が映える写真と
特に目立つスイーツをアップした写真
映えを意識したタイトルに修正して
記者クラブに投げ込みしてもらいました。
結果は、すぐに共同通信さんが食いつき
全国の新聞社に記事配信されましたが
大手新聞の支局も地元の長崎新聞さんも
独自に食いついて取材してくれました。
新聞を読んでテレビも次々追随しました。
これ、なぜできたと思いますか?
もちろん、私の経験もありますが…
これ絶対に食いつく!
いや、絶対に食いつかせてやる!
私のPR魂が大火災を起こしました。
( ´艸`)
すると、彼がふたたび電話をしてきました。
彼)ありがとうございました。おかげでずっと取材続いています。
私)あれは埋もれたらいかんネタですよ。
彼)実は、もう一つお願いがあるんですけど。
私)なに?
彼)うちの会社はBtoBで、●●の支援をやっているんですが
私)ああ、よくニュースで聞くねえ。そうだったんだ。
彼)実はクライアントはいつも取り上げられるんですけど
自社が取り上げられたことが一度もないんですよ。
これまで何度もプレスリリース送っているけど。
そのプレスリリースも見せてもらったところ
多分、そんなつもりは一切ないのはわかるけど…
記者が見たら単なる宣伝チラシ
自画自賛のオンパレード
これでは絶対取材は来ない
そこで添削したら、新聞がすぐ取材に。
複数のテレビからも取材依頼がきましたが
テレビの方は企業秘密が漏れる恐れがある
という理由で社長が取材を断られました。
では、取材が来ないモノって
どんなプレスリリースなのか
氣になると思いますが
よく届くプレスリリースです。
届いたらゴミ箱直行便です。
プレスリリースの書き方の本は
山ほどありますけど…
それを読んでも
なぜ取材が来ないのか?
考えたことありますか?
それは…
きばって書いているからです!
プレスリリースはウンウン唸って書くものではありません。
あ!これは私の持論ですから。
人によって考え方違いますから。
プレスリリースはPR活動の入口ツール
基本のキです。
たしかにテクニック、やり方はあります。
でも、やり方の前に…
あり方こそ、めっちゃ大事なんです。
では、その一部をお伝えしますね。
まずは、きばって考えて書こうとするのは、なぜか?
と考えてみてください。これが一番の原因です。
わかりますか? 答え言っちゃいますね。
自分の商品やサービスを
どうやって伝えよう?
そう考えているからです。
これ、プレスリリースが絶対に失敗する思考ベクトル。
え? なぜ? だってそれを伝えなきゃ意味ないでしょ?
そう思ったあなたは、蟻地獄に落ちます。( ´艸`)
朝活ライブではいつも聞く質問ですが
記者やディレクターが
取材する理由はなんですか?
そんなもん。ネタが面白いからでしょ?
だから面白いネタを考えなきゃいけないんでしょ?
これ、半分正解で半分間違いです。
いいですか?
記者やディレクターが取材するのは…
仕事だからですよ!
おいおい。思案橋!
なに当たり前のこと言ってるんだ?
そう思ったあなた。蟻地獄に落ちますよ。笑
「仕事だから」という
この言葉を表面だけで
捉えていませんか?
深~~い、本当の意味を
お伝えします。
では解説しますね。
あなたはあなたの仕事として
この商品を何とか売らなきゃいかん!
このサービスを何とか知ってもらわなきゃいかん!
ずっと考えていますよね?
そうでしょ?
だから宣伝チラシのような
プレスリリースをついつい
書いてしまうんでしょ?
よくよく考えてみてください。
それは新聞記者もTVディレクターも
まったく同じなんですよ。
一般の仕事に比べてメディアの仕事は
正直、超ハードですから。
毎日新しいネタを探さないといけない。
時間に追われ、息つく暇なく次のネタ探し。
コンプライアンスで下手なネタは扱えない。
他局が取り上げたら切り口変えなきゃ…
1週間も前じゃ、記事にできないよ。
こちらが取り上げてほしいと思っても
あなたのネタだけがネタじゃないし
それよりなにより…
メディアはあなたから一円ももらわない。
それどころか自腹で取材して放送や掲載する。
あなたがお金を払う広告とはまったく違う。
ということです。しかも…
メディアの主な収入源は広告
ということは…
あなたの都合で知らせたいなら
広告出してくれよ。
ということになるんです。
同じメディアで扱うコンテンツでありながら
広告と記事、番組(ニュース)は
根本的にベクトルが違うんです。
それと、もっともっと重要なこと
メディアの人たちって基本的に
会社員なんです。
組織人なんです。
一存では動けないんです。
だから会社員として働いたことがない人は
特に気を付けて接した方がいいと思います。
相手 (記者) のことを最優先で考えて
あなたを助けるネタを提供します。
だから取り上げてみませんか?
という提案をする謙虚な姿勢が
基本的なあり方だと思います。
これも私の持論です。
ついつい、生意気な書き方をしました。
大変申し訳ございません。
ただただ、わたしが伝えたかったことは
PRって楽しんだもの勝ちです。
ということです。
あなたもぜひ、楽しんでトライしてみてください。