HaniwART はにブログ
美術/アートの今と昔
今日、美術/アートとはどのような存在でしょう。アーティストの自由な創造・表現活動、美術館/博物館で鑑賞するもの・・・・、少なくとも実用品ではないですよね。
一方、美術やアーティストに求められるもの・必要なことは何でしょう。おそらく、創造性・独創性・革新性・表現力・時代性・社会性などであり、作品の内容を決めるのは作者自身です。
このような今日の美術/アートのあり方・アーティストの立場は、昔から不変のものだったのでしょうか。今、美術館や博物館にある過去につくられた作品の殆どは、元々は別の場所にあったはずです。どこにあったのでしょう。そこでは「芸術作品」として陳列されていたのでしょうか。
現代と昔では、美術/アートのつくられた背景や目的が異なります。過去の美術/アートの大部分は、アーティストの創造・表現活動としてつくられたのでもなければ、展覧会のためにつくられたのでもありません。美術/アートが現在のようなあり方となったのは、その歴史からみれば、ごく最近のことなのです。過去の多くの美術/アートは、祈りや弔い・他者や共同体のため、あるいは発注者の意向に応えて、ある機能を果たすものとして制作されたのです。実用品であったと言ってもいいでしょう。
時代を遡るほど、その性格は明確になっていくように思えます。物質的に豊かな今日の日本とは異なり、大昔は生きていくのが大変だったはずです。にも関わらず、美術/アートはつくられました。それは生きていくために不可欠だったからでしょう。
そして、つくられた目的・機能と造形・表現とは不可分の関係にあります。埴輪の持つユニークな造形性には、その素材や技法とともに、与えられた役割が大きく関わっています。
(続)
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