髪にジャスミンを飾って街を歩いたこと
どうも、インドかぶれです。
先日、2度目の渡印をし、帰ってきてまだ余韻に包まれながらこの駄文を紡いでいる。
私のことだから、文体も口語と文語ごっちゃになるだろうし読みにくいとは思うが読む層はきっと私の吐き出す言葉に慣れてる人が多いであろうと踏んで整合性は気にせず書いていく。
インドで髪にジャスミンを下げて歩いた。
ただそれだけなんだけど、それだけのことにずっと憧れてた。
前回の渡印では現地の女性が当たり前に髪をジャスミンの花で飾っているのを眺めるだけだった。
チョウマハラ宮殿のあたりで、自然落花したばかりだろうきれいなプルメリアを拾って耳にかけて、ちょっとこそばゆいような気持ちになりながら歩いたりもした。
その時に、絶対にまたインドに来てジャスミンを髪に飾って街を歩くのだと心に決めていた。
今年の渡印があれよあれよと決まり、数少ないハイデラバードのお友達にお花の買い方を聞いたりして、イメトレに励んだ。
ホテルでも、スタッフにどこで買えるかって聞いたらだいたい同じ答え。
要するに、お寺の近くにお店が並んでるからそこ行って買いなはれ、と。
で、ちょっとドキドキしながら寺院の方に行くわけです。
寺院の参道(というには大分短いが)に、確かに花を扱っているお店はあるんだけどジャスミンなかったり、束ねてなくてバラだったり、一応心の予算は50ルピーまでだったんだけど100とか80とか言われたりでどこから買うかの決め手もなく、寺院前というロケーションもあり寄付してとずっと腕を叩かれてたりしてたのもあって一旦そこは離れてモールへ行き買い物して。
また帰りに同じ通りを歩くと、寺院の向かい側にも花売りが出てて、そこには糸で結わえたジャスミンもくるくるとロープのように巻いた状態で売られていた。憧れのあの形状である。
同行者さんがさらっと金額を聞いてくれて、50ルピーという事で購入することに。
店のお兄さんは愛想もないまま、差し出した50ルピー札を受け取ると、ジャスミンの長い巻きを引き出し、指先から肘までの長さを測るとハサミでカットし、小さな透明のビニール袋にいれて取っ手を結んで渡してくれた。
片手の平におさまる位のその小さな袋は少し水で濡れてて、ジャスミンの抱えてる水分もありほんのり重さを感じられて、結ばれた持ち手がなんだか子うさぎの耳のように見えて、とてもとても愛おしかった。
ホテルに戻り、袋をあけて、胸いっぱいにジャスミンの香りを吸い込む。
この時の感覚は、きっとこれからもどこかでジャスミンや花の香りを感じる度に思い出すんだろうな。
こうやって文にして振り返ったり、地元の人からしたら秒で終わることなんだろうけども、私には結構な冒険だったしfinally I got it って達成感が凄かった。
汗をかいたからシャワーを浴びて、買ったばかりのマリメッコみたいなでっかい花柄の青とピンクの日本で着るには派手だろう服に着替えて、このために何度も荷物に入れ忘れてないか確認したヘアピンを引っかけて、ハーフアップにした髪の結び目のあたりに落ちないように挿す。
魔法少女ものの変身シーンのようにキラキラが周りに出たり髪の色が変わったりとかか夢見がちだけど、きっとあの瞬間はそういうスイッチの入る瞬間だったと思う。メイクアップでメタモルフォーゼ。
頭を振って香りが広がるのを感じてみたり、鏡で自分の後ろを確認したり写真撮ったりと一通りはしゃいで、夜はそのまま映画館に行って。時々座席で潰れてないか心配しつつの鑑賞。
すごくすごくいい思い出になった。
次の朝見たらお花はだいぶ茶色くなってたからありがとうねと最後に香りを堪能してお別れしたけれど、その日限りのお花を日々髪に飾って使う、なんて贅沢で素敵な文化なんだろうと心から思った。
祈りの横にはお花が常にあって、お花との関係が豊かな国だなぁとなんだか羨ましくなったし、その文化に触れられてとても嬉しくなった。
私のことを知っている人は、私が円安前はインドから衣類関連をポンポン個人輸入してたのも覚えてる方もいらっしゃるだろうけど、生花は輸入できないからね!現地じゃないと!
お金で買えない体験を出来たと思っています。
きっとまたインドには行くし、インドじゃなくてもインド文化の色濃い国には訪れるだろうし、その時もきっとちょっとドキドキしながらお花を買って、髪に飾って街を歩きたい。
補足)お花の金額はきっとシーズンや量やお店なんかによって全く変わってくると思うので参考程度にお願いいたします🙇♀️