超探偵事件簿レインコードがよかった。

※核心には触れていませんがネタバレ注意


 率直に言えば、ダンガンロンパほどのインパクトはなかった。でもその分、丁寧に誠実に編まれた『祈り』を受け取った気がした。

 作品を通してミステリー、特に探偵ものでありがちな「探偵とは何のためにいるの?」という問いに真摯に向き合った作品だと思った。物語の中の探偵といえば殺人事件、というレベルで死体に向き合うことが多いけれど、つまるところすでに被害者は死んでいる。では探偵は何のために謎を解くの? といえば、その答えのひとつが作中で繰り返される『未解決の謎に苦しめられる人間をひとりでも減らすため』だ。墓は死者のためにあるにあらず、生者のためにあり。

 このゲームの舞台は『アマテラス社』という巨大企業に支配され、外界との交流を一切遮断された雨降る街『カナイ区』である。ここでは『保安部』というアマテラス社内の組織が絶大な力を持ち、人々は一切それに逆らうことができない。彼らが赤と言えばカラスも赤くなる、そういう場所だ。
 そんな中、本編の進行とは別に途中途中で『依頼』というものが発生する。探偵らしく、困っている人々から依頼を受けてそれを解決する、いわゆるおつかいクエストだ。
 個人的に、この『依頼』が『カナイ区』がどういう場所なのかを、それこそ降り頻る雨が地に染み込むように、じんわりと理解させてくれた。
 保安部による不当な徴収で喰うにも困り、ひったくりに手を出してしまった人。子供を拐う悪霊かと思いきや、ただ子供を愛しカナイ区から救おうとしていた幽霊。アマテラス社に命をかけて反旗を翻そうとする人々。カナイ区の現状を憂い、ただ好きな人に手を伸ばすことすらできない男。
 形は違えど、彼らは、そしてもちろん本編に出てくる人々何人もが、切実に訴えかける。
 
 どうして、どうして、どうして、どうして

 どうしてこんな目に遭わなくてはいけないのか。どうしてあの人は死ななければいけなかったのか。どうして私が捕まらなければいけないのか。どうしてここから出られないのか、入ってこないのか。どうして雨は降り続けるのか。
 どうして、どうして、どうして。何度も何度も、そう問いかける。答えが出ない限り、苦しみ続ける。

 この物語において、『この世界から未解決事件をなくし、全ての人を幸福にする』という言葉が、大きなテーマとして扱われる。
 そしてそれのアンチテーゼとして『真実が人を幸福にするとは限らない』が、これまた大きく主人公の前に立ちはだかる。

 ちょうど折り良く太田愛の「幻夏」という小説を読んでいた。
 二十三年前、ひとりの少年が失踪した。そして今、とある少女の誘拐事件現場に、その少年が失踪した時に残されたものと同じマークが残されていた──。
 この話の中で、ある人物は「とある残酷な真実」を知ってしまったが故に大きく道を踏み外すこととなる。それを知らないままでいられたのなら、きっとあんなことにはならなかっただろう。本人にははぐらかされてしまったが、レインコード内のキャラクター、ヴィヴィアもまた、真実ゆえに不幸になった人間と相対したことがあり、真実を暴くことが幸福に繋がるとは限らないという思考を持つようになる。
 解かれない謎に苦しめられる人間がいる一方、残酷な真実に絶望する人間も存在する。じゃあどちらを選ぶべきなの? といえば、いやあそれはもうケースバイケースとしか……という身も蓋もない話ではあるのだけれど。レインコード内では、これに明確な答えを出す。

「そりゃあ…真実は残酷だよな。歴史上、真実が優しかったことなんて一度もない。
 だけどな…真実から目を逸らして、嘘を抱えたまま生き続けるのも辛いもんだぜ?
 結局、真実から目を逸らすことはできない…生きてる限りは痛みと向き合うしかないんだ。
 だったら、深く考えたってしょうがないだろ?
 迷った時は、自分の心を信じろ。たとえ、その結果が間違っていても胸は張れるからな」

 そしてこの言葉を受けて、主人公は最後に選択をする。あまりに残酷で、絶望的で、知らされたところで呆然と立ち尽くしてしまうような途方もない『真実』。それを主人公は、明らかにすることを選択する。明らかにし、知らしめた上で、「さあ、どうする?」を問いかける。これを知ったあなたは、どうしますか。個人的にこの、「どうして?」を問いかけ続けた人々に「どうする?」を問いかける構図が大変好き。そう、いい真実も、悪い真実も、全てを知らしめ謎をなくし、その上で個人が何かを選択することができる状態を『自由』と呼ぶのだから。
 
 答えが出たからといって救われるとは限らない。でも答えが出ないままでは動けない。どちらがより辛いかなんてわからないからこそ、その選択の瞬間に己の信念に殉じるべきなのかもしれない。
 また、往々にして『真実』には知るべきタイミングというものが存在するように思える。「幻夏」における『真実』も、知るべき時に知ることができなかったが故に起きた悲劇とも言えよう(そもそも大前提に不当な隠蔽があると言える)
 知るべき時に知るべき『真実』を正しい形で明らかにする。それが『探偵』というものの役割だと主人公は結論づけ、そしてマコトはそれを叶えた。皆が最も幸福になる形となるよう、尽力した。

 カナイ区の空が晴れることは、結局なかった。けれど彼らは自分達を包み込む優しい雨の下、誰にとも知れない「どうして?」ではなく、自分自身に「どうする?」と問いかける。
 そして主人公もまた、真実を暴くか、暴かないかではなく、真実を暴いた上で誰もが幸せになる、『完璧な解決』を目指し続ける。『正しさ』は無数にあるかもしれないけれど、『真実』はたったひとつだけ。それを差し出すことが探偵である主人公の『祈り』である。たとえそれが、どれほど孤独な作業であろうとも。




※核心に触れるネタバレ注意




◆0章『アマテラス急行殺人事件』

・この段階で「おっオリエント急行殺人事件のオマージュサブタイか」とは思った。でもまさか全員犯人ならぬ…全員死亡とは思わないじゃないか! 初っ端から飛ばすな!! 内容的には『そして誰もいなくなった』でした。
・正直チュートリアルの気持ちで挑んだけれど作中トップクラスの面白さと大胆トリックで大変楽しい。
・探偵事務所メンバー大好きだけれど、あのメンツの方が話がおもしろくなったんじゃないかな、と思わなくもない。
・しかし超探偵能力が超能力の探偵業務特化バージョンで超能力を持った人は普通に存在してます! の世界線で普通のミステリーやるのなんだかなぁ感。密室は全部サイコキネシスで説明がつく。

◆1章『連続密室殺人鬼クギ男』

・すでに元ネタがわからなかったけれど、調べた感じ中山七里の『連続殺人鬼カエル男』かな。
・ハララ=ナイトメアが王道に最高のパートナー過ぎて能力共有で手を繋ぐ描写も良くてバディモノとしてはすでにここが最高潮だった感。ハララの超探偵能力『過去視』を使用した調査も楽しい。
・だからこそこの後過去視が一切役立たないの嘘でしょ!? になる。すっかり担当:暴力のハララ=ナイトメアさま。
・謎迷宮でハララと死に神ちゃんとユーマの三者関係を堪能できるの良すぎでは!? これが四人分は嬉しい。三者関係大好き侍。
・語らいで「信用はしない」けど「君になら裏切られてもいい」と言ってくださるハララ=ナイトメアさま一生のバディになりたい。

◆2章『暗黒少女の沈黙』

・すでに元ネタが以下略。たぶん秋吉理香子の『暗黒女子』。
・私の大好きな「先に進めたくない。私の手でこの物語を進めたくない」系で非常によかった。アニメでも漫画でも本でも映画でもなく『ゲーム』をやる醍醐味はここにあると思っている。ボタンを押して話を進行させることで、他の何よりも「私がやらなくてはいけない」を感じさせてくれる。いやだ、進めたくない。でも進まなきゃ…この感覚が本当に堪らない。
・たったひとりの少女の復讐のために仲の悪いフリすらした少女達。そうだこの子たちは「役者」だったと思い出させられた時の快感が最高。でもアイコの魅力がこちらには伝わらないし結局あの子達もアイコアイコで他の子にはそこまで興味なかったのかな…? 感もあったのでもう一声描写が欲しかったところ。でもめちゃ好き話でした。
・デスヒコくんもキャラクター的には最初イマイチかと思いましたが謎迷宮の最後の方なんかは兄ちゃん感もあって良。超探偵能力『変装』も最初みくびっていましたがこれが捜査する上で楽しい。違う人物になりすまして4回も聞き込みできるなんて。楽しい。
・二周目やったら変装中の彼女たちの会話にナットクできて更に楽しい。

◆3章『探・偵・失・格』

・すでに元ネタが以下略。『人間失格』が真っ先に思い浮かぶけれどこれ以外がみんなミステリー縛りっぽいし何より内容もオマージュっぽいのでなんか違う気もしている。吉村達也の『「人間失格」殺人事件』ワンチャンあります…? テロだし…。
・0章1章2章とどれもそれぞれになかなかハイレベルで素晴らしく楽しかったのであまりにつまらない章でびっくりしちゃった。箸休め? トリックも動機もここにきてこんなしょぼくなる!?
・何よりフブキさんの登場を楽しみにしていて、しかも能力も『時戻し』なんて素晴らしいもので、いったいどんなふうに有効活用するんだ!? と思っていたらこれまでの探偵特殊能力で一番つまらないなんてそんな。その謎アクション別にフブキさんで時を戻さなくても普段から失敗しても一歩手前に戻されるだけの仕様じゃん。何ひとつありがたみがない。この次で活用したいがためにこの能力出したなオメー。
・謎迷宮の死に神ちゃんとフブキさんも「そういう感じかぁ…」でしたしね。
・でも語らい的にマジでワンチャンありそうなフブキさんかわいい一生の伴侶になりたい。
・そしてクロックフォード家なんか闇が深そう。

◆4章『君の全てが零になる』

・元ネタは森博嗣の『全てがFになる』ですね! つい最近読んだばかりなのて嬉しくなってしまった。S&Mシリーズ網羅したい。
・キタキタキタキタ来ましたよ。ダンロン2における狛枝凪斗、ダンロンV3における王馬小吉。そしてレインコードにおけるヤコウ=フーリオ。この時のためにこのゲームを遊んでいたと言っても過言ではない。よっ待ってました!!!!!!!!
・閉じこもった博士。彼の元に辿り着くにはエアロック室、毒ガス室、パネル室の三つの部屋を越えなくてはならない。しかしユーマ達は、インターホン越しに侵入者を発見し助けを求める博士の言葉を聞き、慌てて『あまたん』というオモチャのロボットを借りセキュリティの突破を試みる。毒ガスの流出を防ぐ目的のエアロック室を抜け、解毒薬の存在しない体内に取り込めば30分で必ず死に至る経皮毒が充満する部屋を抜け、そして3×3のパネルを定められた順番で踏まなければあまたんですら壊れる高圧電流の流れるパネル室をフブキの『時戻し』で越え辿り着いたその先で、博士は死亡していた。犯人はいかにこの厳重なセキュリティを抜けたのか。
・いや〜〜〜〜〜〜…好きでしょ。
・「どうやったら毒ガス室を抜けられるか」に「30分は死なないから何もしなかった」を突きつけてくる物語好きすぎるんですよね。大味過ぎてまず小説や映画ではできないけれど、このゲームの世界観ならアリだなと思わせてくる。高圧電流だって覚えてなくとも何度も何度も何度も何度も死の苦しみを味わうのはきついしどう考えてもめちゃくちゃ怖い。しかしそれを越えてすら成してしまう。そしてこのサブタイである。好き。
・ただトリックの理屈はめちゃくちゃ好きですが、正直ヤコウ=フーリオにそこまで思い入れができていなかったのでユーマやヴィヴィアとえらい温度差があったのは否めない。過去は教えてくれないし、現代でも悪い人ではないと思うのだけどそれ止まりでしたし。ヴィヴィアさんもそこまで気に入ってたん!? 感がすごいですし。
・冒頭で引用したセリフも所長のものだったのですが、御大層なこと言ってくださったけどだから俺は好きに愛した女のために超探偵たちの力を利用して復讐を成し遂げました! なの「え〜………………」になる。超探偵たちが真相を明らかにしてくれるところまで含めての「信頼」? だから何感。
・思うにレインコードの欠点は謎迷宮パートがどうがんばっても定員三名というのがあまりに痛い。物語の三分の一くらいは謎迷宮で過ごすのに、その章のメインになっている人くらいしか出ないのでただでさえキャラクターと関わる時間が少ない。しかもヤコウとはその時間すらなかったのだから、なんかこう、はい。「そこまで?」はだいぶ思ってしまった。記憶の断片も逃しがちでしたし。でも全部持っていても印象はあまり変わらなかったかも。
・夜行探偵事務所メンバーみんなでわちゃるか所長もなんやかんやで毎回捜査か謎迷宮に同行してくれるくらいの思い入れポイントが欲しかった。
・ダンロンは学級裁判で好感度もヘイトも色々稼いで良くも悪くもみんなに思い入れが出来やすかったですし、そのメンツが必ず加害者か被害者になるのでそういった面では感情をゆさぶられやすかったなと。狛枝凪斗、王馬小吉……………。
・そもそも彼らは普段が「悪」っぽいところからの肝心要の部分で「善」──とは言わないまでも己の信念を貫き通した人たちだったので、普段が「善」よりなのに肝心要のところで「悪」を成した所長は理不尽でも印象が悪くなりがち。
・フブキさんのことは所長が刺された後の「この光景は、二度目です」で一気に能力共に好きになりました。神業を持つ女故の苦悩だ。何故3章でこれができなかった。

◆5章『そしてボクもいなくなった』

・元ネタは『そして誰もいなくなった』。でも内容的には『屍人荘の殺人』やんけに。ミステリーにゾンビはありだよなあ!?
・冒頭の話はだいたいこの章の話なので割愛。
・血の話ダンロン慣れしてたし禁止コード扱いなのかと思っていたけど謎迷宮であれだけぶっしゅぶっしゅ出してたユーマの血が赤かったのがちゃんと伏線なのはえらいなと思いました。



以下おまけトピック



◆死に神ちゃんって、ほんとに死神?

 死に神ちゃんって、本当に死神なのかなぁと、そういう話。
 勝手な印象の話にはなりますが、『死神』=「死を司る神様」のイメージ。それこそ寿命がきた人間の魂を刈るというか導くというか。だからこそ、本作における『死に神ちゃん』のありようには違和感を感じるわけで。
 そもそも『死神の書』というのはその書物自体のタイトルなのか、それとも俗称なのか。そして実際問題そこには何が書かれていて、死神とは何のために呼び出すもので、死神は何のためにそれに応えているのか。
 これに対して作中、死に神ちゃんのこんなセリフがある。
「『危ない』とは失礼しちゃうなー。オレ様ちゃんの力を欲しがるのはいつも探偵の方だよ?
 何しろ“真実を手に入れられる“能力だからね。まぁ、その為の謎迷宮攻略は必要だけど」

 このセリフを聞くと、明らかに死に神ちゃんは、そして死神の書は「真実を手に入れるために使用するもの」だ。お金持ちになりたい、永遠の命がほしい、美しくなりたい。あくまでその中のひとつに「真実を手に入れたい」があるのではなく、一点特化のアイテムのように聞こえるセリフ。
 謎迷宮を司り、この世に謎迷宮が存在してしまうが故に現実世界に累が及ぶので、その攻略のために人間と契約し案内人として動く死に神ちゃん。
 いやその神様の名前、絶対に「死に神」じゃないでしょ。
 
 これは勝手な妄想に過ぎないのですが、「死神の書を使用し契約を結ぶ」=「謎迷宮を攻略し真実を明らかにすることができる」=「犯人は死ぬ」が全て一本道でイコールの関係であった場合、対外的には「死神の書を使用した人間が憎く思うであろう人間が死ぬ」という構図が出来上がるわけで。またどうやら契約解除=契約中の死に神ちゃんに関する記憶は失われるわけで。そうすると契約した本人にも、周囲にも、ただただ人が死んだという事実だけが残される。そういった側面だけにフォーカスして「危険な書物」「死を呼び込む書物」扱いになったんじゃないのかしら、とか。
 死に神ちゃんは、後天的にそう呼ばれるようになっただけで、それこそ本来は『謎』や『真実』を司るタイプの神様なんじゃないかな、とか。
「何が正しくて、何が間違っているかなんて、それぞれの立場や見方によって変わる…
 “正しさ“は無数に答えがある不確かなもの。けど“真実“はそうじゃない…
 “真実“は、たった1つの確かなもの。
 この謎迷宮にあるのは、そういうものなんだ。」

 こんなにも『真実』に寄り添った言葉を、ただの『死神』にとって無数にある人間の欲望を叶えるための一契約で言える? と、どうしても思ってしまう。
 死に神ちゃんの役割は現実を脅かしかねない謎迷宮を攻略してもらうための案内人で、契約者はそれによって『真実』を知ることができる。本来はただそれだけの構図だったんじゃないのかな。(そうなると、最初死に神ちゃんの断罪シーンもダンロンの「おしおき」並の悪趣味ながらも衝撃があるかと思いきや、特に捻りもなく一律だったのにも納得がいく。断罪はあくまで付帯要素で、露悪的に行う必要のない事務的なものだから)

 忘れられた真実の女神の名前を明らかにする為の物語が絶対あると途中で確信していたので、あのままひとりぼっち置き去りENDは我慢ならず。ユーマも死に神ちゃんも本来別の名前があったんだよどっひゃー! になるのだと思ってました。

◆ナンバー1ってさ…

 結構序盤でこれでユーマがナンバー1だったら俺TUEEEEEEEE過ぎてなんかアレだなとか思っていたけどマジでそうでしたし、まあでもそれなら時折あった謎迷宮で「えっユーマはわかってるみたいだけど私はわかってないが!?」現象もわかる。ナンバー1様には敵いませんって。
 でもナンバー1があれほどの若さで世界探偵機構のトップに上り詰め、しかも「手を繋ぐことで他人と能力が共有できる」なんて知られないまま能力行使が難しい能力で素性を隠し続けられたの普通になわけなくない? になる。でもそれはそれとして記憶なくしたユーマがあんな感じでふにゃふにゃかわいいのにナンバー1の時は「キリッ(`・ω・´)」ってクールビューティーだったの大変萌なので、ナンバー1様の半生を大変知りたい。
 エピローグのユーマは…もう記憶を取り戻しているからナンバー1仕様だと思うのだけど…死に神ちゃんのことをどこまで覚えているのだろうね…。これさ続編があるとしたらクルミちゃんが死神の書持っていましたし、クルミちゃん視点で進む物語の中で彼女が死に神ちゃんと契約しまた謎迷宮攻略してナンバー1を追って行き再会し、そして能力共有でナンバー1と死に神ちゃんが再会を果たす、みたいなのがさ…めちゃくちゃめちゃくちゃ見たいじゃん…レインコード、続編が作られるくらい売れてほしい…(インパクトの話になるけどダンロンほどの爆売れは難しそうなのが…私は好きだよ…というかレインコードって感覚的には壮大な序章だったよ…)

◆カナイ区住民が外界に出られるようになったよ! やったね!!

 いやそんなわけなくない!?

 ごめんだけど、太陽を浴びた途端に凶暴化し人肉を捕食し始める生き物がレインコート一枚で無警戒にフラフラ出てきたら一般人としてはめちゃくちゃ怖いし、あんなにすぐに(少なくとも見ため年齢が変わらない程度の期間で)受け入れられるはずがないんですよ。しかもあれだけインスタント麺買い込むということは外界であれ系の食糧を手に入れるすべはほぼなさそう。
 ただ、きっとここに至るまでにはマコト=カグツチの並々ならぬ尽力があったのだろうと思うと、泣けますね。
 始まりはナンバー1と全く同じ思考で、きっと同じように未解決事件を厭い世界中の人々を幸福にしたいと願っていた彼が、己がホムンクルスに過ぎないと知り己と同じ生き物の幸福を願う内に最も憎んでいたはずの『謎』を生み出してしまい、カナイ区に止まない雨を降らさざるを得なくなってしまったの、好きでした。辞するつもりでいたのに住民投票で選ばれてしまい戸惑いながらも青臭くカナイ区のために奔走するマコト=カグツチの日常が見たいのでやはりレインコードは早く続編を作るべき。




 それにしてもレインコード、シンプルに「本格ミステリーの解き方」の思考パターン仮想体験として上質なゲームだったと思う。謎迷宮を参考に本当にあの考え方ができれば、世の本格ミステリーのかなりが大まかに解けそう。作中でも有名ミステリーを思わせるネタがてんこもりでしたし、本当に丁寧な「ミステリー賛歌」のゲームでもあったなと。ミステリーっておもしろいよな。謎を解くって楽しいよな。
 大袈裟なインパクト抜きにも、もっともっと遊んでいたいと思わせてくれるゲームでした。追加コンテンツ楽しみにしています。
 素敵なゲームを作ってくださったチュンソフトさんに多謝!

 

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