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「共産主義は不自由をもたらす」に潜む教条主義

「共産主義は不自由をもたらす」という。その支持者はソ連などを例に出し、あたかもそれを「共産主義」そのものとして晒しあげる。しかし、彼らは、実は批判したはずのソ連らと同じ「教条主義」ーつまりある例の一般・絶対化ーを追随していることに気づいていない。 彼らはあたかも共産主義(それも実現していないと言わざるをえなのだが)が必然的に、そして歴史的にも自由の抑圧をもたらしてきたというが、今までの社会主義の実践が全て少数者の独裁だったかというと、実はそうではない。パリ・コミューンは短命な

    • 「食料の外的な自然源泉が人間の経済的および文化的諸関係にとって決定的なのではなくて、人間が彼らの労働において互いに結んでいる諸関係が決定的なのである。生産の社会的な諸関係が、ある与えられた民族においてどんな生産形態が支配的であるか、という問題を規定するのである」(『経済学入門』)

      • 先の論稿内で引用した、レーニンによる自国の状況の分析 (『マルクスとローザ』より引用)

        • 「社会主義経済の失敗」に関する批判的考察

          はじめに 社会主義は失敗した―こうした主張が広く出回っている。これは社会主義は計画経済であり、そしてそれは非効率的だ、という観念がブルジョワ学者をはじめとして教科書含め世間一般に蔓延していることに起因していると思うが、この主張について批判的に考察する必要がある。蓋し、こうした発想、換言すれば彼らのいう「社会主義経済」は、問題の的の中央を射るどころかあらぬ方向に矢を飛ばし、そして物事のー官僚による計画経済のー置かれた歴史的状況とその本質から目をそらさせるためである。 特殊性

        「共産主義は不自由をもたらす」に潜む教条主義

        • 「食料の外的な自然源泉が人間の経済的および文化的諸関係にとって決定的なのではなくて、人間が彼らの労働において互いに結んでいる諸関係が決定的なのである。生産の社会的な諸関係が、ある与えられた民族においてどんな生産形態が支配的であるか、という問題を規定するのである」(『経済学入門』)

        • 先の論稿内で引用した、レーニンによる自国の状況の分析 (『マルクスとローザ』より引用)

        • 「社会主義経済の失敗」に関する批判的考察

          「マルクス自身、無謬性を要求したことなどまったくなく、無謬の歴史的判断といったような考えほど、マルクスの教義の精神と相入れないものはない。」(『民族問題と自治』、ローザ・ルクセンブルク)

          「マルクス自身、無謬性を要求したことなどまったくなく、無謬の歴史的判断といったような考えほど、マルクスの教義の精神と相入れないものはない。」(『民族問題と自治』、ローザ・ルクセンブルク)

          「これは欠陥ではなくして、ユートピア的社会主義に対する科学的社会主義の長所である。すなわち、社会主義的社会制度は、ただ歴史的産物たるべきもの、歴史的産物たり得るものであって、時満ちて、経験という独自の学校から生まれ、生ける歴史の合成から生まれるものである。」(『ロシア革命論』)

          「これは欠陥ではなくして、ユートピア的社会主義に対する科学的社会主義の長所である。すなわち、社会主義的社会制度は、ただ歴史的産物たるべきもの、歴史的産物たり得るものであって、時満ちて、経験という独自の学校から生まれ、生ける歴史の合成から生まれるものである。」(『ロシア革命論』)

          「…共産主義者は、理想社会の建設を自己の目標とすることはできないが、労働者自身がよりよき明日のためにたたかうことができるように、労働者の解放をめざしてたたかうべきなのである。」(『自主管理と民主主義』、カルデリ)

          「…共産主義者は、理想社会の建設を自己の目標とすることはできないが、労働者自身がよりよき明日のためにたたかうことができるように、労働者の解放をめざしてたたかうべきなのである。」(『自主管理と民主主義』、カルデリ)

          環境問題におけるエゴイスト

          プロローグ 現在、先進国と発展途上国の対立は深化している傾向にある。特に、環境問題に関して。 一方は他方を責め、他方は一方の責任を追及するという、この「甲乙つけ難い」主張は、一見、両者にもそれ相応の根拠があるように見える。しかし、それは過度な相対主義の別形態且つ典型例であり、言うならば「偽善」、全てを同等に落とし込めることで自己を正当化するためのツールに過ぎないのだ。 先進国の言い分 確かに、ここ数十年中国やインドといった新興国は急速な成長を遂げると同時に、CO2排出量も先

          環境問題におけるエゴイスト