◆ 気になった本 272
「天路の旅人」
(沢木耕太郎 新潮社 9784103275237)
あまりにもスケールが大きすぎて
想像することすら出来ず
ただただ「ものごっついな」と驚嘆するしかない
第二次大戦のさなか
満州からチベットを経てインドまでを「密偵」として旅した(?)男
ロブサン・サンボ―こと西川一三
稀代の語部(かたりべ)である沢木耕太郎だけに
576ページもある大枚なのに
すらすらと読み進んでしまう
ラスト1/3くらいになると
読み終えるのが惜しい... そう思った
もう少し詳細な
(微に入り細に入りではなくていい)
そんな地図が欲しかったな(実に惜しい!)
いや
愉しみたかったら
それくらい「(読者が)自分で用意せぇ」ということか...
ちびっと気になったのは
ラサ デプン寺のイシ師をはじめ
さまざまな多くの関与者に
「何か」を 余りにも大きい何かを
振り撒いて通り過ぎてしまったことか
自身の決断ではない 旅の幕切れ
大いなる切なさが...
そして 盛岡での日々
それは この旅人にとって
「人生の余白」にすぎなかったのかも
もっとも共感したのは
妙な箇所
ボク自身 何時も何処へ行っても
(自分への)「おみやげ」って何やろうな...
結局 何も買わない 持ち帰らない
おっちゃんにはおっちゃんなりに
若い人には また別の「旅」が見えるのかもしれません
読み手を選ぶかもしれないけど オススメ!
さらに