正しい「けんか」の止め方とは
学校は、個性的な人間の集合体ですから日々小さなトラブルが起こります。
時に、その間に入って「どうしたの?」と話を聞くのですが、そんなことを繰り返すうちにトラブルの共通点が見えてきました。
ということで、本記事は、
・なぜ、ちょっとしたことでけんかになってしまうのか。
・けんかの止め方でやりがちな失敗。
・正しいけんかの止め方。
について書いていきます。
もちろん、子ども同士だけでなく、大人との関係性にも通じる部分がありますので、読んでみてくださいね。
▼そもそも、なぜけんかするの?
先生という仕事は、子どもたちの学校生活全般をサポートするわけですから、学級内の人間関係づくりにもかなり気をつかいます。
全体を俯瞰してみると、やはりトラブル多めの子。うまく回避できる子のような特徴が見えてくる。
そんな特徴から先生なりに作戦を立て、どのように「クラス」として成り立たせるかを考えて手立てを打っていくのでしょう。
ただ、トラブルを全くなしにできるかと言えば難しいですし、ある意味学びの機会を逃してしまうこともある。
例えば、先生が常に覇気を出し続け、「トラブルを起こすなよ!」と重圧をかけたのであれば、先生の見ている前ではトラブルが起きないかもしれませんが、他の場面では?と問われると若干こわさも感じます。
だからこそ、「怒られるからだめ」という学びではなく、「けんかしても、正しい方法で仲直りできればいい。」くらいのスタンスでサポートしていくのがよいのかなぁと個人的には思います。
と、長々と前提を話してきたところで本題。
そもそも、「なんでけんかするの?」という話ですが、哲学者で認知科学者のダニエル・デネットさんによれば、
「人間の脳には進化の過程で『相手との違い』を敏感に感じ取り、争いに発展する回路が備わっている」
と主張しています。
確かに、子ども同士の関係を見ていると、「そこはスルーしておこうよ…」とか、「そんな怒らなくてもいいんじゃない?」といったことでけんかになってしまうことが多々あります。
ついつい「そんなことで…」と大人は言ってしまいがちですが、子ども本人にとっては見逃せない行為だったわけで、「けんか」という選択肢をとったことは理に適っていると。
だからこそ、先生のような大人の手を借りて「よりよい人間関係を築いていく学び」をする必要があるのです。
▼サポーターがやりがちな失敗とは
世の中は一筋縄ではいかないもの。
本人は善意100%で行ったことも「余計なお世話」になり得るのですから。
そんな「けんか」に対するやりがちな失敗をご紹介します。
それが、「納得させようとする」というサポーター側の意識。
例えば、ささいなことでけんかになってしまった子どもたちを止めたとしましょう。
きっと、サポーターのみなさんは、
などなど、アドバイスしてあげようと思いませんか?
実は、この「〇〇してあげよう」という意識にこそ、サポーター側のお節介が入り込んでいる可能性がある。
そして、そのお節介の気持ちを認めつつアドバイスをしないと、
「こっちがいいアドバイスしているのに、全く聞いていない。」
という気持ちが生まれ、行き過ぎると、
「なんで私のアドバイス通りにしないの!」
という「押しつけ」が発生する可能性があるのです。
あまりにもサポーター側の押しつけがすぎると、今度は子ども対サポーターの二次的争いに突入する場合さえある。
では、そんな二次紛争に至らないために意識した方がよいことも書き加えておきます。
▼正しい「けんか」の止め方とは
結論は月並みなものとなるので悪しからず。
そう、正しいけんかの止め方は「話を聴く」ということに尽きるのです。
そこにサポーター側の「なんとかしてあげたい。」という意識は必要ありません。ただただ、思いを聴く。それに徹することが、気持ちを落ち着かせることにつながるのです。
危機管理のエキスパートであるマイケル・マクメーンさんによれば、「警察でさえ犯人との交渉時に失敗することがある」としています。
その失敗三原則は、
というもの。
もちろん、子どもの場合、けんかの相手は犯罪者ではありません。
しかし、感情的に昂っているのは事実。
そんなときにサポーター側が上記3つを失敗すると、解決どころか傷口を広げることになりかねません。
大切なのは、「自分」の価値判断を前面に出して「教えてあげる」とするのではなく、ただただ相手の気持ちに寄り添うことなのです。
▼まとめ
本記事では、「けんがに対するあれこれ」をまとめました。
ぜひとも、争いを止める立場になった方は参考にしてみてくださいね。
【参考文献】
#残酷すぎる成功法則
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