なぜ、意見が食い違うのか
人間は誰しも好き・嫌いという感情をもっています。
同じ映画を見ても、曲を聞いたとしても好みが分かれるのは当然のことですよね。
しかし、そのような「違い」が気持ちのすれ違いにつながる場合もあるでしょう。
本記事では、好き・嫌いといった明確な判断がつかないものに対して、「どうして意見が食い違うのか?」についてさくっと解説。
このような視点をもっておくと人間関係の充実にもつながりますので、ぜひとも、読んでみてくださいね。
▼僕たちは同じものを違った見方で捉えている
長年、小学校で子どもたちに接してきたのですが、先生の仕事の一つは、子どもたち同士の気持ちのすれ違いを解消すること。
例えば、子どもたちに大人気のドッジボールでもすれ違いが生じます。
対立する子どもたちの間に入って理由を聞くのですが、「あっちがルールをやぶった」、「そっちこそ!」と、互いに違った主張をしてきます。
このような状況になると、「あぁ、どっちかが嘘をついているのかな?」と思いがちですが、どうやらそうでもないみたい。
というのも、「心の底から相手からルールを破ってきた!」と思っている場合が多いのです。
心理学の実験で、大学のアメリカンフットボールの試合を対象に行われたものがおもしろい。
#SWITCHCRAFT
絶対に負けられない!という意気込みは両校共通。
もちろん、そのサポーターも気合いが入っていました。
結果的には、ラフプレーの応酬で、試合後もサポーターからの怒号とやじが飛びかうような荒れたものとなったとか。
おもしろいのは、その試合に対してまとめられた両校の雑誌記事が”全く違った試合の捉え方”をしていたということ。
そこで両校の心理学者が、学生に対して録画した試合を見せ、アンケートに記入してもらったのです。
その結果、
ということが分かったのです。
なんと、36%の学生しか「ラフプレーを始めたのは自分たちの大学だ」と認めなかったとか。
この研究から分かったことは、悪いことをしても素直に反省できない人間がいるということではありません。
大切なのは、
ということ。
もっと言えば、
ということでもあるのです。
僕たちがどれだけ「公正・公平でありたい」と思ったとしても、個人の判断は、その人の趣味・嗜好に強く影響を受けているはず。
だからこそ、その人と違った判断軸をもっている人からすれば、「あなたの決定は不公平だ!」ということになってしまうのです。
これも、小学生あるあるなのですが、「他人を注意する人ほど自分もできていない…」なんてことありませんか。
しかも、この法則は、よりよい人間関係を築くことができていない人同士で起こりやすい。
やはり、僕たち人間は、親しい人の不正行為よりも、親しくない人の不正行為の方が気になるのです。
▼自分の偏った見方に囚われないために
「人間は誰しも偏った見方をしがち…」という内容を書いてきました。
本記事の目的は、「偏った見方を正そうね!」ではなく「自分の見方が偏っていることを知っておくといいよ!」というのがゴール。
誰しもがもっている「偏り」を自分で意識しておくと、「みんなも自分と同じ考え方をもっている」という残念な勘違いを未然に防ぐことができるでしょう。
さらに、「他者が自分と違った世界を見ている」ことを意識すれば、「相手の立場に立って考えること」ができるので、気持ちのすれ違いに対して、いたずらに傷ついたり落胆したりすること軽減できます。
と、書くのは簡単でも実行するのはなかなか難しい。
なんて言われますからね。
#嫌われる勇気
ということで、「心が折れかけた時に立ち直る方法」もマガジンにまとめました。
ぜひとも、必要に合わせて読んでみてくださいね。