ちょっとした「ずる」にも過敏に反応する理由
授業が本題からどんどん逸れて、余談多めのJUNです!
本日は、最初から大幅に逸れていきましょう。人々がマンモスを追いかけていた時代にまで逸れていきます。言うまでもなく、「人間」というのは、「個人」だとそれほど「強い」とは言えません。だからこそ、人間は「協力」することによって厳しい生存競争を生き抜いてきました。
このようなざっくり説明では、何となくの美談で終わってしまいますが、そのままでは終わりません。大昔にも困った事態が生じていました。何と、
「労力を提供することなく成果だけをもっていく『フリーライダー』」
という存在が現れたのです。
イメージで言うと、「協力」して人間よりも何倍も強いマンモスを倒した後のこと、「さて、山分けを・・・。」というときになり、参加してなかったハンターがふらふらとやってきて、「僕は、これでいいいよ。」と分け前を主張し始めたという感じでしょう。なかなか、おもしろい事実ですよね。
気になるのは「フリーライダー」が分け前にありつけたかどうかです。結果は、
「村からの追放」
といったような処置をとられていたようです。
やはり、「フリーライダー」が許されてしまったら、次々と同じような人が現れてしまいますからね。絶対に「フリーライダー」を許すことはできなかったのです。
では、時を進めて現代に戻ってきましょう。
学校生活でも「フリーライダー」は存在し、度々議論の話題を提供してくれます。
例えば、
「先生! ○○くんが掃除していません。」
そんな報告が聞かれます。
まさに、現代に生きる「フリーライダー」じゃないですか!!
おもしろいことに、人間は進化の過程で、
「ルール違反を見抜く」
という力を大きく発達させてきました。だからこそ、「掃除」のような活動に「フリーライド」している存在は、学級と言う「むら」の一員に発見されてしまうわけです。
では、このような「学級フリーライダー」の発見に僕たち現代人はどのように対処するべきなのでしょうか。
令和時代を迎えた今、「むら」からの追放という手段はできません。しかしながら、「掃除ライダー」を権力や力で縛り付けても無駄でしょう。できることは、掃除をすることの必要性や、みんなと協力して任務遂行することの意義を諭すことが精一杯です。
もう少し深掘りすれば、
「個人が目標に向かって取り組むことができるよう細分化する。」とか「一人ひとりの分担の明確化する。」など、手だては考えられますが、こうなってくると掃除に対してどこまでコミットするかということになってきますね。
実は大切なことは、「掃除ライダー」へのコミットではありません。
「掃除ライダーを、発見した子どもの心」
に焦点化することなのです!!
実は、この問題の本質は、損得感情に起因しています。
「掃除をさぼっていることを発見したむら人が『損』の気持ちを抱いている。」
ということに問題があるのです。
もしかすると、同じように「ライダーしたいのにできない!」という気持ちを心の奥底に隠しながら教師へ訴えているかもしれないのです。もっと言うと、「自分の分担をこなす」ことにしっかりとコミットできている子どもは、さぼっている子どもを発見してどうのこうのと言いません。言うまでもなく、このような捉え方で物事へ取り組むほうが、伸びていくに違いありません。やはり大切なのは、
「自分は、どうするか?」
なのですから!!
しかし、相手はまだまだ小学生。やはり、「掃除ライダー」の一挙手一投足に心をかき乱されてしまうお子さんも多いでしょう。
このような「ライダー見習い」をどのように望ましい集団に取り込んでいくかという話題です。僕が知っている方法として最善なのは、
「あなたは、ちゃんと自分の仕事をしていたの?」
と、問い返すことです! ただただ、
「掃除ライダーの活動ではなく、『自分自身の取り組み方』にたち戻らせること。」
が必要なのです!!
そして、「自分は、自分の分担をちゃんとやっていた。」という返事が返ってきたのなら、大いに称賛して「これからもお願いね!」とより良い姿を続けるように促します! もちろん「掃除ライダー」には、教師からよく言い聞かせておくことを約束し、今後とも「君の任務遂行に期待している!!」と格好良く敬礼をして送り出しましょう!
もしも、「自分もフリーライドしてしまった。」だった場合は、再度「なぜ。」と問い返し、次はどのようにしたいかを考えてもらいましょう。
あくまでも大切にしたいことは、「自分で選択して取り組んでいる。」という気持ちです。
間違っても正論を振りかざし、従わせてはいけません。
「自分が掃除を頑張ると、どのような良さがあるのか。」
をしっかりと自覚して取り組むことができる子どもを育てたいものです!
▶まとめ。
本記事では、「一億総フリーライダー化はさけよう。」という内容をまとめました。
学級経営は、陣取り合戦的な側面もあります。以前も話題にしましたが、
「宿題をやっていない人が大半であるという事実を全体で共有すると、今までやっていた人たちもやらなくなる。」
という事実からも分かるように、
「望ましい行動をしている人が学級の大半を占めている。」
という状況は常に意識しておかなければなりません。
この状況が反転することにより、「学級崩壊」の影がしのびよってくるのです。
全ては子どもたちの成長のため! ありとあらゆる手段を使って「よりよい環境づくり」を進めていきましょう!
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