「協調性」の恐ろしさ。
「知識の呪い」に次いで、「協調性の恐ろしさ」と、恐ろしいシリーズで記事をつないでみたJUNです!
みなさんも知っての通り、人間には「怖いもの見たさ。」ってありますよね。もともと「ネガティブ思考」を使いこなして繁栄してきた僕たちは、やはり「ネガティブな印象を受ける話題。」に引かれがちになってしまいます。→#われわれはなぜ嘘つきで自信過剰でお人好しなのか。
ただ、興味を引かれても心までもってかれないようにすることは大事です。やはり、ネガティブ沼にハマりすぎると良いことはありませんからね。
本日は、みんな大好き「協調性」について切り込んでいこうと思います。ぜひとも、子どもにかかわる機会のある方は、記事を読んで自分の考え方を振り返ってみてくださいね。
▶「協調性」のメリット。
「学校ってどうしていかないといけないの?」
と質問されたことはあるでしょうか。
まさか、「それはね、親の義務だからだよ。」何て答えをする家族関係はめずらしいと思います。アンケートを取ったとしたら、
「勉強をするため。」
とか、
「たくさんの友達と仲良く遊ぶため。」
のような答えが、多くなるでしょう。
しかし、最近の子どもたちはなかなか現実的な側面をおもちなので、食い下がってくるパターンもあります。
「ほんとかな? だって、塾に行った方が勉強ができるようになるよ。だって、学校よりも難しい問題やってるもん。僕なんて、もう中学生が解く問題をやっているんだよ!」
とか、
「それってほんと? だって、みんな考え方は違うから、相手の気持ちを考えるなら、自分の考え方の違う友達とは無理矢理仲良くしない方が、余計ないざこざが起きなくて自分のためにもなると思うんだけど。最近は、オンラインで遊べるから、気の合う仲間を見つけるだけなら、学校に行かなくてもたくさんの友達と仲良くできそうだけど。」
なんて、答えが返ってくることもあります。
そんなとき、拳を強くにぎりしめ「このやろー。」と思いながら繰り出す最後の手段は、
「学校はね。『みんなで』同じ目標を目指して協力することを学ぶことができる場所なんだよ!」
と、限りなく「協調性」をにおわせた回答に行きつきます。好き、嫌い、得意、不得意はあるものの、運動会や音楽会、学習発表会や文化祭などのイベント事は、「集団」の効果が存分に発揮されると言っても良いでしょう。
そんな大人げないやり取りの中で「大人」が意識してバランスをとらないといけないことは、
「『協調性』を神のように扱ってはいけない。」
ということです。全然分かりませんか? すみません。
簡単に言うと、
「『協調性』が人間にとって素晴らしいことであると、必要以上に押し付けてはいけない。」
ということです。もちろん、僕たちの祖先は「協調性」を発揮したからこそ生存競争に生き抜くことができました。僕たちは、「協調性」の申し子と言っても過言ではありませんが、
「大人の都合に合わせて動く子どもを育てるために『協調性』を盾にしてはいけない。」
のです。教師という職業は、ただでさえ子どもたちに「伝える」場面が多い職業です。教師自身が「個性」と「協調性」のバランス感覚を上手くとらないといけません。「協調性」に特化した育て方は、「周囲と同じでないと心配」という判断基準を育ててしまう危険性もあることを十分に理解しておきましょう。
▶「協調性」のデメリット。
ここで、「協調性」を上手く利用してきた立場の人たちを震え上がらせること間違いなしの衝撃的な「協調性」のデメリットについてご紹介します。
あなたは、「最後通牒ゲーム」をご存じでしょうか。
簡単に説明すると、
二人組のゲームです。それぞれのペアには報酬が与えられるのですが、どのように分配するかは、どちらか1人に任されます。そして、もう片方の相方は、「拒否権」をもつというルールです。
さぁ、ゲームが始まりますよ。あなたが、「10万円の分配決定権」をもっていたらどのように分けますか。きっと、優しいあなたは、5対5で分けてくれますよね。すると、相方も「OK」になり、見事二人は、5万円ずつ持ち帰ることができます。
ここまでは平和です。では、相手が6対4とか、7対1とか、思い切って9対1のような提示をしてきたらどうでしょう。きっと、温厚で有名なあなたも、「拒否権」を発動するでしょう。
しかし、ちょっと待ってください。まだ説明していなかったルールがありました。「拒否権」を発動すると、
「二人とも0円で解散。」
というルールがあります。さぁ、それでも「拒否権」を発動しますか?
ここがおもしろいところなので、実験結果をざっくり説明します。
このゲームで「賞金を得たい。」のであれば、相手がどのような条件で提示してきても、たとえ9対1であっても、
「拒否権を発動しない方が、利益を得ることができる。」
のです。1万円でもプラスですから。「拒否権発動」により0円よりは、まだましでしょう。
しかし、おもしろいのは、ここからです。冷静に考えれば絶対に「拒否権発動」することが損なのにもかかわらず、「不平等な配当である」と感じると、「拒否権発動」を実行してしまう被験者がいたのです。
さらにさらに、深堀していくと、なんと
「拒否権を発動して互いに0円を選ぶのは、『協調性が高い』人が多い。」
という実験結果が出たということですから驚きです!!
→#空気を読む脳。
ここから言えることは、
「普段は『協調性』がある人ほど、『相手に裏切られた。』という感情を抱くと、『自分が損を被ってまでも相手に仕返しをしたい!』という気持ちになりやすい。」
ということなのです!!! なんという衝撃!! なんという恐ろしさ!!
▶まとめ。
本記事では、「『協調性』を押し付けてはいけない。」という内容をまとめました。
もはや時代は「令和」です。ひと昔前の「協調性神話」は崩れつつあります。もちろん、「誰かと手を取り合ってプロジェクトを進める。」という能力も必要不可欠です。しかし、大人が子どもに「協調性がないとだめ。」と押し付けてはいけないのです。
「誰かと協力する」にも、「協力することの必然性」があってのことでしょう。何の考えもなく、何の目的もない状態で、「無条件で協力しろ。」というのは、あまりにも乱暴すぎます。
まずは、自分の『個』を大切に育て、「自分」という意識をもつことができたときに「他者と協力する」スタートラインに立てるのだと思います。
「傷をなめあう。」「依存しあう。」ようなものは、「協調性」ではありません。しっかりと「個性がぶつかり合って相乗効果を発揮できる」ような「協調性」の在り方を探っていく必要があるのです!!
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