【目標】学校で「目標達成」が難しい理由。
「目標」という言葉を見かけるとついつい反応してしまうJUNです。
新学期、お決まりの流れの中に組み込まれているのは、「個人の目標を立てる。」という作業ではないでしょうか。
もちろん、教師も子どもも心機一転。「今年こそやったるぜ!」と意気揚々と盛り上がっている時期だからこそ、前向きな目標を立てることでしょう。
しかし、そう簡単にことが進むことはありません。心機一転立てた目標は、早々と毎日の生活の中で忘れ去られ、気付いたときには、「前期終了」となっていることでしょう。
本日は、そんな話題。
もちろん、4月に目標を立てないといけないという決まりはありませんし、その目標に対する振り返りを前期最終日に行わないといけないということでもありません。むしろ、目標を書くワークシートに「前期の目標」と「前期の振り返り」の欄しかないようであれば、「もうこの目標はかないませんよ。」と宣言しているとしか言いようがありません。
では、どんな目標設定方法が良いのかという話題になるのですが、今回は趣向を変えて「目標達成を難しくする問題点。」をまとめました。ぜひとも、新学期のスタート準備に生かしてくださいね!!
▶【目標達成の難しさ❶】~振り返る「基準日」が遠すぎる~
まずは、「目標」の達成期限についてです。
先ほどから、散々ぶーぶー言っているように、目標を立てたのなら、その目標にどれだけ近づいたのか定期的に振り返りをするのは必須です。
その理由としては、
「人間は、目標があまりにも遠すぎるとモチベーションが低下する。」
という特性によります。
大人でもそうですよね。「1年後に〇〇になりたい。」というざっくりした目標は、三日坊主の温床となります。
では、どうするべきかというと、
「長期目標に向かって短期的な目標を細かく設定していく。」
ということに尽きます。
目指すべき真のゴールにたどり着く前に、「『サブゴール』をいくつもつくってあげる。」ということです。
人間は、何よりも「進んでいる感」を求める生き物。そして、言うまでもなく目標を達成するこつは、「今、何をするか。」に焦点化することです。
小学生ではまだ意識しにくいのかもしれませんが、
「『今』の行動が、未来の『目標達成』につながっている。」
という意識をぜひとも、もたせてあげましょう!!
▶【目標達成の難しさ❷】~目標が広すぎる~
これは、なかなか悩ましい事実です。
よくある学校での目標として、
「漢字テストで100点を取る!」
というような目標があります。
このような目標の難しさは、
「ターゲットをしぼりにくい。」
ことにあります。
もっと具体的に言うと、
・漢字テスト意外はどうするんだ?
・具体的にどのように取り組むんだ?
という、「はっきりしない点」が明るみにでます。
まぁ、なあなあ目標で良い場合は、あまり深入りしなくても良いのですが、「ちゃんと成果を出したい。」という強い気持ちをおもちであれば、このあやふやな部分を何とかしたい。
では、上の2つを半ば強引に解決すると、
「前期は漢字にターゲットをしぼる(もちろん、他のテストも100点を狙うが明記はしない)。」
と心に決め、目標をより具体化していきます。
「漢字練習ノートに進出漢字を練習する自主学習に取り組む。漢字テストの予告があった場合は、テストに出る漢字を練習する。」
くらいの文言で良いでしょうか。
このように「目標設定」で大切なことは、
「あまりにも抽象的で非現実的な目標は立てない。」
という、大人からの「事前アドバイス」が必要だと分かります。新学期だからと言って、大風呂敷を広げてはいけません。大切なのは、目標の大きさではないのです。達成に向けて確実に歩みを進めることができる目標を考えられるよう支援してくださいね!
▶【目標達成の難しさ❸】~目標が抽象的すぎる~
ここまで、「学習面」について触れてきましたが、きっとあなたの学校も「生活面」についての目標設定が求められるはず。
では、生活面でやってはいけない目標設定は、
「みんなに優しくする。」
というようなあまりに「抽象的」すぎる目標設定はおすすめできません。
きっと、学級の数人は「生活面」の目標設定に困ったあげく、恋人、結婚相手に求められる高感度No1気質「優しさ」を目標に掲げる子どもさんがいるはずです。
しかし、この「抽象度」がサブゴール設定をやりずらくしてしまいます。
「優しさってなんだ。」
ということがサブゴールに設定しにくい理由です。
もちろん、その子どもさんに「具体的な私の優しさ像」があるのであれば、構いません。しかし、ほとんどの子どもは何となくの「優しさ」を記入して、何となく「できたんじゃね。」と振り返っていくのです。
だからこそ、大人が目標設定でアドバイスすべきことは、
「具体的な行動を目標設定の中に入れよう!」
ということなのです!
例えば、
「休み時間には、クラスの友達に進んで声をかける。」
とか、
「自分から笑顔で挨拶をして、少しでもみんなを元気にしたい。」
というような「行動」が含まれた目標にすることで、ぐっとサブゴールの設定がしやすくなるのです。
このように、より「具体的」な目標が望ましいのですが、注意も必要です。
「悲しんでいる友達に声をかけて、話を聴いてあげる。」
という「優しさ」を発揮したい子どもさんは大変素晴らしいのですが、目標ゴールの前提が、「悲しい友達設定」になっているので、日ごろから取り組むには不向きでしょう。
このような視点にたって、目標設定アドバイスをしてあげてくださいね!
▶まとめ。
本記事では、「目標は、向かっていけるからこそ目標である!」という内容をまとめました。
書きながら、我ながら「細か!」と思うことが何度かありましたが、本気で目標に対してコミットするのであれば、最低限「振り返ることができる目標になっているのか。」という視点は、必要不可欠でしょう。
折角、人生の命の時間を使うのであれば充実させてほしいではないですか。そして、「充実度」をはかるには、やはり「目標」は欠かせません。
前期の終わりに、「〇〇だったから目標達成だ!」と具体的な自分の成長を喜べるよう、「目標設定」を工夫してみてくださいね!!