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渾身一句参加します

代表句または渾身の一句を紹介しよう!という企画に参加します🐣

私が提出する句はこちらです。

蜜柑置きリビング模様替え完了

俳号:羽野あき


なぜ渾身か?

私の句をよく見てくださる方からすればかなり意表をついた選出だと思います。

いかにも私っぽい句であれば、
『AIの長考二秒星飛べり』
があります。
白杯に参加した時の句です。
機械・テクノロジーに関係する句は「はねのあきっぽい」と受け取られやすいように感じます。
それに、初めて俳句に取り組んだという点でも渾身っぽさがあります。

そして結果を残しているという観点であれば沙々杯に参加した時の、
『肉まんを分ければふたり分の湯気』
が代表句であり、渾身の句であることは疑いようもありません。

渾身の句候補の二句はどちらも俳句大会のために詠んだ句ですが……

白杯から沙々杯の約三ヶ月の間に、AIから肉まんへ作風が変化するってかなりの大転換だと思いませんか?

私はこの変化を意図的におこないました。
変わることを志し、それを実現しました。

AIから肉まんに至る変化のその最初の一歩。
それこそが、『蜜柑置きリビング模様替え完了』だったのです。

今振り返ってみれば、
蜜柑の句も「視覚的な情報を説明しきっている」という点で肉まんの句に通じるところがあります。

俳句に慣れていない人が鑑賞しても大丈夫なように、光景を思い描くには十分な情報を与える……

それは今の私が詠む俳句の特徴だと思います。

俳句に不慣れな人はとりあえず光景を思い浮かべてくれればいい。
そして俳句に慣れている人には、季語であったり細かい言葉の使い方を足掛かりにして想像を膨らませて楽しんでもらう。

私が気合いを入れた句にはそのような仕掛けが施してあります。
(てきとうに詠んだ句はそうでもないけど)

蜜柑の句の時は、意図的ではありませんでした。
たまたま試行錯誤の中でそういう形の句になりました。

そして蜜柑の句が好評だったので「おそらくこの形がこの環境では刺さるのだろう」と仮説が生まれました。

仮説が立てばそれを再現したり改善したりということが意識的におこなえるようになります。

つまり肉まんの句が生まれたのは蜜柑の句を褒めた人たちのせいってことですね。
おかげさまで先の俳句大会では大健闘できました。
まことにありがとうございます。

今回自分の俳句を振り返りつつ他の方の記事も拝読いたしますと、
私は「過程に感情が表れるタイプ」なのだなと感じました。

今回紹介した蜜柑の句も、そして肉まんの句も、その句自体には強い感情が見えない内容です。
でも裏側では様々な感情が渦巻いています。
今回のように裏側を話し出すとそれが漏れ出てきます。

私は書くことが好きです。
読むことよりも、自分で創作することが大好きです。
そして創作活動に打ち込んでいる時にはいつも喜びと楽しさと怒りと焦りと嫉妬と羨望と恍惚があります。
この激しい感情の中にいることが私の幸福で、それ以外のことにはなかなか興味が向かないほどです。

だけどその激しい感情は表に出しちゃうと「私の方が強い感情を持っている」みたいな威圧的なメッセージになりかねないです。
言葉に発することって、矢を放つことに似ているわけですし。
意図せずとも他人を刺してしまう可能性がある。
そういう振る舞いは好きじゃない(表面上は善人っぽくありたい)ので、この感情の扱いにはかなり困ります。

そういう刺々しさを最小限に抑えつつ背景の解説がちゃんとできる句ってなんだろう?
っていうふうに考えていたら随分と参加が遅れちゃいました。
なんとか締め切りに間に合ってよかったです!