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熱いの?冷たいの?色温度
『色温度』という言葉を聞いたことがあるだろうか。
最近の引越しで照明器具を買おうとLEDライトを選んでいる時に、久しぶりに『色温度』という文字を目にして、なんだか懐かしい気持ちにさせてもらったのをきっかけに、本記事では『色温度』について書いてみる。
若かりし頃のはねいぬは、華やかでカラフルな世界で仕事がしたいという理由で、色彩の世界で生きていこうとしたことがある。
色彩検定1級にも合格し、通っていたスクールでは優秀賞ももらえたが、独立してビジネスを築くことはできず光学技術に出戻ってきた。
そんなはねいぬヒストリーの中で、色彩については本当に楽しく必死に学んだのだろう。
だからちゃんと『色温度』という言葉を覚えていた。
ワインエキスパートなんてウン十万円も使ったのに、好きなワインと自身がワインに酷く酔いやすいことが分かっただけなのに…。
さてさて、改めて問おう。
『色温度』をご存知だろうか?
Google先生やwikipedia博士は、きっと的確な回答をくれただろう。
先生方の繰り返しになるが『色温度』は、光の色を温度として定量的に示す尺度である。
温度だけあって、その単位はK(ケルビン)となる。
色温度は低温である赤色から高温になるにつれて青みが強くなっていく。
はやい話、赤色が低温で青色が高温、その間に白色が存在する感じである。
色温度と色味の関係をなんとなく頭の中に入れておくと、LEDや白熱球などの照明を買う時に照明色選びの間違いが減ってなかなか役に立つのだ。
そんな照明選びに役立つ色温度には、意外とスルーされているポイントがある。
それが『色温度』で決められた色の温度感と、実際の光の色から感じられる個々人の熱さ/冷たさの温度感との差異である。
灼熱に輝くオレンジ色の太陽や煉獄のごとき赤い溶岩を見れば一瞬で灰も残らず燃え尽きるほどの熱さを想像してしまうはねいぬは、青く輝く星を見ても熱さを感じることもなくむしろ冷たさすら感じてしまう。
『色温度』は光である前提があるので、エネルギをもらって温度が下がることはなく冷たくなることはないのにだ。
だがしかし、はねいぬとは逆に感じる人だっているかもしれないし、太陽を見ても温かい程度しか感じない人だっているだろう。
そうなのだ、色温度はとても定量的ではあるが、必ずしも人類全員の感覚を統一できるわけではない。
ここに物理的な色と人間の感覚としての色との差が、個々人に存在する。
物理と人類には距離があるのだ。
だから『色温度』という統一指標が必要になる。
『色温度』の面白いところは、低温である赤色と高温である青色の関係が、それぞれの波長が持つエネルギの大きさの関係と類似していることである。
光の波長が持つエネルギもまた、長波長の赤色の方が単波長の青色より小さいのだ。
色温度が低い赤色は光としてのエネルギも小さく、色温度が高い青色は光としてのエネルギも大きい。
意図してなのかどうかはわからないが、もし物理的なエネルギの大小と感覚的な熱い/冷たいという尺度とが合致しているのであれば、これは物理の真理と人類の心理との合致かもしれない。
人類の感覚は知らずに物理法則をくみこんでいるのだろうか。
はねいぬにとって、このような物理的な色と人間の心理的な色との関係こそが『色』の面白いくてたまらないポイントなのだ。
この物理と心理の関係を追求したいという好奇心は、色彩検定1級の勉強の時からかれこれ20年近く抱き続けている。
もしこの記事が奇跡的に光の波長エネルギと色彩心理との関係の研究をされている研究者の方の目に留まったら嬉しい。
その時は一声かけて頂き、一緒に研究させて下さい!