極太vs極細
極太のビーム兵器には、人を引き付ける魅力がある。
思い浮かべてほしい、ツインバスターライフルとビームソードを。
あんな極太ビームライフルなら当然リーブラの破片を流星群に変えることができるし、あんな極太ビームソードであればバルジが爆発に至るほどの斬り込みができる、そう納得させられるほどの魅力がある。
格好良すぎるビジュアルのせいで、極太ビームは本当にとんでもない威力を持っていると思い込めてしまうのは、日本アニメの技術力と演出力の成果にほかならない。
しかしこの世界トップクラスのアニメの技術と演出は、日本のレーザ・光学技術にマイナスの影響を与えてしまってもいるのだ。
思い出してみよう、レーザ加工の原理を。
レーザも光も、エネルギの密度を高めることで加工対象を加工する。
エネルギの密度の高め方は、①集光径となる面積を小さくする方法と、②照射時間となる時間を短くする方法の2通りである。
両方の密度を高めれば倍率ドンで、光のエネルギ密度は一気に何倍にも何億倍にもなる。
一般人が突然セブンセンシズに目覚めるようなものである。
ということは、極太のビームライフルやビームサーベルはエネルギ密度を高めることができていないことになる。
空気中や水中のようになにかしらの媒質中だとエネルギ密度の上限は存在するが、宇宙空間にはそんなものは存在しないので無限にレーザのエネルギ密度を高められる。
エネルギ密度を極限(極限も余裕で越えられるけど)まで高めた極細ビームこそ、真に超威力のビーム兵器なのである。
極太ビームライフルや、鎌とか三俣の鉾の形のビーム兵器を作るのではなく、エネルギ密度をとんでもなく高めたビーム兵器を作ることこそが、6人の天才技師達のすべきことだったのだ。
そう、ホワイトドールのビームライフルにビームサーベルのように。
だがしかし、はねいぬは極太ビーム兵器が大好きだ。
ツインバスターライフルやビームソードでガンダムの沼にはまり、再放送されていたメガ・バズーカ・ランチャーに失望し、コロニーレーザに一発逆転の期待をして、ハイメガキャノンにやり過ぎ感を感じてきたのだ。
極太ビーム兵器はロマンで青春なのだ。