ディバイダーは最高傑作です
はねいぬ達レーザ屋さんが「ディバイダ―」と聞くと秒で2つのことが頭に浮かぶ。
パルスレーザのレーザ発振周波数を整数倍で割って周波数を減らすことと、キッド・サルサミルがジャンクパーツから作り上げたビーム兵器である。
はねいぬはレーザ屋さんである。
だからまずはキッドが作ったディバイダ―が頭に浮かぶ。
それにレーザ発振周波数を整数倍で割るディバイダ―は、実はあまり好きではない。
わざわざレーザの発振周波数を減らして、それにつられて平均出力も下げて加工することが、なんとなくレーザ発振器の能力全てを引き出せていない気になるからである。
レーザ発振器が持つ全ての出力とエネルギをぶち込んで加工したいのが、はねいぬなのだ。
レーザ発振周波数のディバイダ―は置いておいて、キッドのディバイダ―に話を戻そう、
劇中「ハモニカ砲」とも呼ばれていた19連装ビーム砲群であるディバイダ―の登場は、ベルティゴのビットの凶悪さとフォートセバーンの暗い空気によってどん底に陥ったガロードとはねいぬを一気に奮い立たせた。
サテライトキャノンを破壊されたガンダムXが、キッドが作ったディバイダ―によってパワーアップしたからだ。
ガンダムXからスペースコロニーを貫通して破壊するほどの戦略兵器であるサテライトキャノンが無くなった時は、バスターライフルのないウイングガンダムの戦闘をどう楽しめばよいのかと悩んだほどだったが、なんてことはなかった。
ディバイダ―から放たれる連装ビーム砲の威力と格好良さは、サテライトキャノンとは異なる魅力をまざまざと見せつけてくれたからである。
ディバイダ―の凄いところは、その格好良さと汎用性の高さだけではない。
光学兵器として非常にロジカルでリーズナブルな設計こそが、レーザ屋さんを虜にしているのである。
ビーム(レーザ)兵器を広角に平べったくして照射するとき、1つのレーザ光源から射出するとエネルギー密度はダダ下がりして、MSを破壊するどころかただのスキャンビームに成り下がる。
バーコードは読めるし、上手くいけばベルティゴやそのビットを3Dスキャンできるかもしれないが、ダメージを与えることはできない。
天才キッドはそれを理解していたのだろう。
ディバイダ―は連装ビーム兵器という発射口が複数存在する兵器であり、もしそれぞれに各々レーザ発振器がついていれば、19連装の射出口1つ1つから高威力のレーザを発射でき、広角に照射してもある程度の威力を出せるであろう。
しかも照射点が隣り合っていることにより照射対象を効率的に加熱できるため、効率良く照射対象を溶融し破壊できる。
この個々に独立した発射口というのがミソであり、ディバイダ―の最大の特徴である。
現実に産業においてもライン状にビームを整形するレーザ加工は存在していて、ディバイダ―の設計思想に非常に似通っている。
それを目の前にした時、はねいぬにはディバイダ―を構えたガンダムXが見えたのだ。
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