SOUND of LASER
レーザと音は、信彦と光太郎のように生まれた時からの親友と思えるほどに行動を共にしている。
いや、そう普通に受け入れられるようにはねいぬ達は過ごしてきた。
それはテレビや動画サイトで見られる実際のレーザ加工の現場だけでなく、特撮やアニメにゲームにもよるのだろう。
実際のレーザ加工でも加工中はビーーーという音が聞こえてくるし、特撮やアニメでは発射のタイミングや何かに当たった時にも音が出る。
おかげさまでレーザは音が出るもの、むしろ音が出ることが普通と捉えられているのではないかと心配になるほどだ。
そんな心配をするのは、レーザは発射する時は音が出ないし、何かに当たったても当たっただけでは音はでない。
レーザポインターのオンオフだけでは音が出ないし、スクリーンに当てても音は聞こえないことを思い出して頂きたい。
レーザは光である。
2度書くが、レーザは光である。
光が出たり当たったりするたびに音が出ていたら、太陽光が当たりまくっている日中はやかましくて静かに読書もできないし、夜中まで明るい不夜城ではうるさくて囁き声はかき消されることだろう。
光の国など公害レベルの騒音に脳までやられそうではないか。
それこそ光害である。
少なくとも本記事を見てくださった諸氏には、レーザは発射されても加工対象に当たっても音がでないと認識頂きたい。
だがしかし、実際のレーザ加工においてもレーザが加工対象に当たると音が出る。
なぜだ。
振動するからさ。
モノとモノが当たるからさ。
サングラスをして花婿のような格好で暗いバーで飲んでるお兄様風な言い回しは置いておいて、レーザが加工対象に当たることで起きる振動とモノとモノの衝突こそが、レーザが加工対象に当たった時に出る音の正体である。
レーザが加工対象で起こす振動とは、連続波レーザによる溶融で加工対象が液化して高速で流れを作ることと、パルス照射による一定周波数での照射によって加工対象が液化または気化するときに、まだ固体状態や液体状態の材料とぶつかって起きる。
レーザによって発生するモノとモノの衝突のネタばらししてしまったが、加工対象が固体・液体・気体が混在している時に固体に対しては液体と気体が当たる時に発生する。
これがレーザが加工対象に当たった時に出る音の正体である。
そう、レーザが音を出すのではなく、レーザによって加工された材料が音を出すのだ。
実際にはレーザと音は、信彦と光太郎の関係ではなく、信彦と大怪人ビシュムとの関係に近い。