WHITE 『レーザー』 REFLECTION
レーザを伝送する方法は主に2つある。
1つは光ファイバーに導入してクネクネと自由な曲率に曲げて3D空間を縦横無尽に伝送する方法。
もう1つはミラーを使って折り返しながら、空間を直線的に伝送する方法である。
最近ではYAGレーザをはじめ、半導体レーザも光ファイバー伝送が一般的になってきて、発振が始まってからずっと光ファイバー内にいるファイバーレーザも普及しているので
、レーザの光ファイバー伝送は普通になりつつある。
そんな現状であっても、はねいぬは昔ながらのミラー反射を使った空間伝送が好きだ。
I feel your love reflectionである。
終わらない輪舞曲も含めた懐古厨的な部分もあるが、はねいぬが使ってきたレーザは光ファイバー伝送ができないものが多かったことと、空間伝送がもつレーザの監視機能や自由にビームをいじり倒せる柔軟性が根拠にある。
はねいぬが好きな空間伝送には、ミラーが不可欠である。
ミラーがないと、レーザは遮蔽物に当たるまで、もしくは減衰し切って消え去るまで直進行軍を続けるのだ。
レーザの空間伝送に必要なミラーについて、まずは基板と反射コーティングに分けてみよう。
ミラーの基板は多くの場合はガラスである。
ガラス板がスケスケ透明であるのは、人類にとっても近赤外から波長300nmくらいまでの紫外線レーザとっても同じである。
それなのにガラスを使うのは、熱膨張率が低いこと、表面の粗さを数nmレベルにまで研磨できること、入手性が良くてお手軽価格であることなど、良い理由がたくさんあるからだ。
良いミラーを作ることは、基板となるガラス表面を極限までスムーズに研磨することから始まる。
ミラーの基板ができたら、いよいよレーザを反射するための材料をガラス板表面に成膜する。
レーザに対して反射率の高い材料は、金属になるのでほとんどの場合は金属を成膜するのだ。
アルミニウムや金、銀などが結構使われているのだが、レーザで溶断するアルミニウムでレーザを跳ね返すことができるのがレーザの面白いところである。
10年以上前のミラーは、本当にミラー表面が銀色や金色の金属ミラーであったが、今ではもっぱら誘電体多層膜が成膜されたミラーが使われるている。
なんだかんだ言っても、アルミニウムや金、銀のミラーは数%の吸収率が存在するが、誘電体多層膜だとほぼ99%くらいを反射できるので、レーザの出力ロスが小さいのだ。
レーザの価格は出力で決まるので、もったいない精神でミラーも選ばれる。
こうして選ばれたミラーによってレーザは反射を繰り返しながら、光の速度で着々と加工対象に近づいていく。
そして集光レンズを通過し集光すると、レーザのエネルギ密度は究極まで高まり加工が行われるのだ。
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