Silent light pass Orbit
レーザは光をミラーを使って伝送する空間伝送でも、光ファイバーを使って伝送するファイバー伝送でも、レンズが必要である。
いくら光ファイバーでレーザを伝送しても、光ファイバーに集光機能はない。
作ろうと思えば作れるが、目にしたことがない。
レンズの曲率固定は光学系の柔軟性と、設計者の想像力を減らしてしまいそうだと、はねいぬ以外の人達も感じ取ってくれたのかもしれない。
そうであれば、それは嬉しいことだ。
早速だが、レンズが光学系のどこに使われているかを想像して頂きたい。
多くの方はきっとレーザや光を加工対象に集光することを目的とした、最後の光学素子として想像されたのではないだろうか。
それは完全なる正解である。
ビームサーベルを手に持つのと同じくらいに完璧である。
だがしかし、ビームサーベルが隠し腕で持たれたり、脚部に取り付けられていたり、シールドに取り付けられたり、装備場所や使い方が多岐に渡るように、レンズもまた光学系最後の集光以外にもその用途は多岐にわたる。
それはエンジニアの想像力の数だけ存在するのだ。
レンズが集光のほかにできることはないのだが、集光をすることでできることはたくさんある。
メジャーなことは結像がある。
集光は単純に光を一点に全集中することだが、結像は像を結ぶのでクッキリハッキリした画像を撮像できるのだ。
スマホのカメラは身近だが、検査機器や監視カメラなど、撮像が必要な製品は数え切れないほどある。
実はファイバーレーザや、ファイバーレーザでないレーザでも光ファイバで伝送する場合には、最終的には結像して加工するのだ。
結像の用途に使われるレンズの数は、もしかしたら1番多いかもしれない。
そのほかには、レーザ発振器から出てきた元々のビームの直径を変えたり、断面が円形のビームの形を変えることがメジャー用途である。
ビーム径を変えることで、レーザのエネルギ密度を下げてミラーをはじめとした光学系を構成する素子の破壊を防いだり、最小集光径を大きくしたり小さくしたりすることができる。
さらにさらに、元々は断面が円形になっているレーザのビームの形状を細長い線にしたりすることもできる。
これでバーコードを読み取ったり、スキャンして製品の検査をしたりするのだ。
ビームの形状を細くしたら、ゾンビがたくさん出てくる映画で侵入者を細切れにするレーザが作れそうだと思うかもしれないが、残念ながらそれは難しい。
現実と浪漫の境目は、かなり浪漫から離れているのである。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?