水筒を投げつけた食堂で
施設の修繕工事の影響で、一昨日は朝から放送設備やら防災設備やらの点検で、急に放送が鳴ったり、突然非常ベルが鳴ったりと、日曜日だというのに1日中うるさかった。
それらの点検をするというような連絡を予めしてくれていたら、こちらも心づもりができるのでまだよかった。しかしその日に限って、そのような話は全く聞かされていなかった。しかもスタッフ側にもその話は降りてきていなかったようだ(その後今日の朝急遽招集され、この件について謝罪された)。
そんなわけで、一昨日は私も含めて入所者全員落ち着かない1日を過ごした。
「今日は朝からうるさかったよねえ」
「もうほんといらいらするわー」
「非常ベルが鳴るなら一言言ってほしかったよなあ」
夕食時の食堂はその話題で持ち切りだった。
そんな中、後ろの席に座っていた利用者さんの様子がおかしいことに気づいた。スプーンで乱暴に食器を叩いたり、ガタガタと大きな音をたててお椀をトレーに置いたりしている。
そのうちにゴン!とビックリするような大きな音がした。
何だろうと思ったら、その利用者さんが水筒を思いっきり投げつけたようだ。
「○○さん静かにしてください。自分がいらいらしているからって物に当たるのはやめてください。迷惑です」
近くにいた宿直のスタッフさんから厳しい注意が飛んだ。当然周りの雰囲気は最悪なものになったことは言う間でもない。
だがその時食堂で流れていた有線にふと耳が止まった。
grapevineの「スロー」が流れているではないか!
自分のプレイリスト以外でこの曲が聞けるなんてビックリである。
この時有線では90年代のJ-popが流れていた。
確かに「スロー」は90年代後半にリリースされた曲だが、90年代J-popとして括るにはちょっとマニアックな部類になるんじゃないかと個人的には思う。
だからバインの「スロー」を90年代J-popに含めてくれた有線さんには感謝したい。
そしてこんな最悪な空気の中で、「スロー」が流れてくれて、気持ちが少し落ちついた。
バインの楽曲に救われたのはもう何度目だろうか。