コンプレックスの固まり
「ひかのnote記事たまに読むけど、なんか話に深みがないっていうか、どうしてもその先に広がっていかないって感じなんだよね」
少し前友人からそんな指摘を受けた。
もしかしたらそう遠くない未来に編集者さんから真っ先に言われそうなことかもしれない。
友人の指摘はごもっともである。
ただほんの少し反論させてもらうと、私はべつにnoteで深みのある話を書きたいわけではない。
ここnoteでも何度か書いているように、未熟児網膜症による、先天性の全盲の視覚障碍者の私は、幼稚部から専門課程まで、ずっと盲学校で過ごしてきた。
盲学校は生徒数がとても少ないため、高等部普通科に入るまで、同級生が一人もいなかった。
特に中学部3年の頃は、学年はもちろん、学部もクラスも全部一人という、さらに特殊な環境にいた。
そのため人との関わりが乏しい。
社会経験も作業所しかないので世間知らずだ。
そんな私に深みのある話など書けるわけがないのだ。
さらに言うと、ネットに作品を投稿するようになった21歳頃までほぼ点字しか使ってこなかった。
だから漢字変換が今でもとても苦手だ。
全盲の視覚障碍者で、人との関わりが乏しくて、世間知らずで、漢字変換が苦手…。
私は物書きとしてもコンプレックスの固まりなのだ。
そんなことに最近よく気づかされる。
高校を卒業後、大好きな音楽の道に進もうと入った京都府立盲学校の音楽科の勉強も続かず、作業所も転々としていた私が、唯一自信を持って続けられているのが、文章を書くことである。
そんな文章を書くことにも、まさかコンプレックスを感じるようになるとは思わなかった。
でも書くことを生業にすると決めたからには、受け入れなければならない事実なのだろう。
その覚悟が、果たして今の自分にはあるのか。
正直自信がない。
それでももし私のnote記事や、ステキブンゲイなどで投稿している小説、さらには一昨年の1月に出版した第1詩集を、少しでも楽しんでくれている人が、たった一人でも居るのなら、その人のために今後も書き続けていきたい。
たとえコンプレックスの固まりだったとしても。