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同じオムライスなのに

 5月28日から1泊2日で友人と京都に行ってきた。
 1日目はビックカメラで買い物をしたり、伊勢丹でオムライスを食べたりした後ホテルにチェックイン。外からは祇園祭の鐘の音が聞こえてきて、京都らしい夜を過ごすことができた。
 2日目は友人のフェイスブックを見てずっと気になっていたカフェ紅茶クラブにようやく行くことができた。昼食に食べた蒸し鶏のバジルパスタ、デザートのスコーン、アイスクリーム、紅茶、そしてもろもろのスイーツまで、出てくる物全てがとても美味しかった。こんなにたくさん食べたのはたぶん久しぶりかもしれない。
 約8年ぶりの京都を満喫して、浜松に戻ってきたのは夕方だった。京都も暑かったけれど、浜松もとても暑かった。旅行に行く前の日の夜、母に自室のエアコンの設定を冷房にしておいてもらえばよかったと後悔するほどだった。両親も28日の早朝から2泊3日で親戚の法事で岡山に行っていて、30日の夜まで帰ってこないのだ。今回京都に行くことになったのも、誰も居ない家にずっと一人で居るのもどうなんだろうと思い、何となく友人に声をかけてみたのがきっかけだった。
 帰宅後は『笑点』を見ながらゆっくりしたり、干しっぱなしの洗濯物を取り込んだりしているうちに7時になった。お昼に紅茶クラブでたくさん食べたのでそれほどお腹は空いていなかったけれど、軽く夕食を食べることにした。戸棚や冷蔵庫の中も、母に手伝ってもらいながら自分が食べる物を予めセットしていた。
 当初京都から帰ってきた日の夕食はミートソースのパスタにする予定だった。しかしさきほども書いたように、お昼に紅茶クラブで蒸し鶏のバジルソースパスタを食べた。さすがに昼も夜もパスタにするのもなあと予定を変更することにした。
 セットしてある範囲内でパスタ以外の物は、オムライスと天丼ぐらいだ。オムライスも前の日の夕食に伊勢丹の中で食べたばかりだ。かと言ってあまりお腹が空いていない中での天丼も気が乗らない。
 迷った挙句、天丼よりはあっさりしているであろうオムライスにした。生協のフワトロオムライスである。
 このオムライスを食べるのは今回が初めてではない。これまでにも一人の昼食や夕食の時に何度か食べている。
 この日もいつものようにレンジでチンしたフワトロオムライスのラップを外して早速食べ始める。
 ん?何かが違う。ご飯も中途半端にパサパサしているし、上にかかっているデミグラスソースらしき物にも味が無いように感じるのだ。いつも食べているはずの生協のフワトロオムライスなのに。
 そう思った理由はすぐに分かった。前の日の夜に食べたオムライスがあまりにも美味しすぎたからだ。そりゃあ伊勢丹の本格的なお店のちょっとお高めなオムライスと、生協の庶民的な冷凍食品のオムライスである。倖田來未と椎名林檎、本当にエロかっこいいのはどっちかという論争と同じぐらい、比較する物の対象が違いすぎる。
 だがそれにしてもまずい!フワトロと名がつくぐらいなので、全体的にとろみを協調しているのかもしれないが、上に乗っている卵も含めて、そのとろみがかえってネチョネチョしていて気持ち悪いぐらいだった。いつも美味しく食べていたはずのフワトロオムライスが、京都の伊勢丹で美味しいオムライスを食べてしまったばかりに、こんなにもまずく感じるとはビックリである。どちらも同じオムライスなのに。
 果たして今後生協のフワトロオムライスを再び美味しく食べられる日は来るのだろうか。少し不安である。

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