A carbon-nitrogen negative feedback loop underlies the repeated evolution of cnidarian–Symbiodiniaceae symbioses
本研究の学術的背景,研究課題の核心をなす学術的「問い」は、シンビオーシス(共生関係)における炭素-窒素負のフィードバックループの分子メカニズムを理解することです。
本研究の目的は、異なる種の刺胞動物が独立して進化したにもかかわらず、シンビオントの増殖を制御するために刺胞動物宿主が同じ炭素-窒素負のフィードバックループを使用していることを示すことです。この研究の学術的独自性と創造性は、異なる種の刺胞動物における同じメカニズムの繰り返しの進化を明らかにすることにあります。
本研究の着想に至った経緯は、珊瑚やイソギンチャクなど、様々な種の刺胞動物がシンビオントとの共生関係を独立して進化させたことから、宿主とシンビオントの相互作用を制御する共通のメカニズムが存在する可能性があるという仮説に基づいています。関連する国内外の研究動向としては、宿主がシンビオントの細胞周期に直接干渉する特異なタンパク質機構や、シンプルな栄養フラックスモデルが提案されてきました。
本研究では、サンゴの一種であるStylophora pistillata、イソギンチャクの一種であるExaiptasia diaphana、逆さまクラゲの一種であるCassiopea andromedaの3つの異なる刺胞動物種を対象に、13Cおよび15Nの栄養補給実験を行い、トランスクリプトームプロファイリング、酵素活性アッセイ、高解像度同位体トレーシングを組み合わせて、栄養素の利用可能性、シンビオントの密度変化、および13Cおよび15Nの共同取り込みを明らかにしました。
本研究では、栄養素の供給量とシンビオントの密度変化、およびホスト駆動のGS-GOGATを介したアミノ酸生合成による13Cおよび15Nの共同取り込みの相互作用を実証しました。さらに、異なる種の刺胞動物における同じメカニズムの繰り返し進化を支持する実験的な検証を行いました。