arXiv search: August 29, 2024
Understanding the Effect of Noise in LLM Training Data with Algorithmic Chains of Thought
目的:
この論文では、自然言語処理におけるノイズの影響を理解し、特にアルゴリズム的思考プロセス(Algorithmic Chain of Thought; CoT)を用いた大規模言語モデルのロバスト性を評価することを目的としています。モデルが静的ノイズと動的ノイズの両方にどのように対応するかを検証し、特定のノイズタイプに対する感受性を探ります。
使用データ・情報:
研究では、異なるノイズレベルを持つデータセットを用いています。これには、文字レベルのノイズや行レベルのノイズが含まれ、算数タスク(加算、中央値計算、乗算など)におけるモデルのテスト精度を評価するために使用されています。また、静的ノイズと動的ノイズを区別して、それぞれがモデル性能に与える影響を比較検討しています。
新規性と解決した問題:
この研究の新規性は、特にアルゴリズム的思考プロセスを用いることで、ノイズに対するモデルの感受性がどのように変化するかを系統的に評価している点にあります。静的ノイズに対してはモデルが比較的ロバストであること、しかし動的ノイズには著しく敏感であることが明らかにされました。これは、ノイズの種類によってモデルの対応策を考慮する必要があることを示唆しています。
未解決問題:
将来的には、より大規模なモデルがノイズに対してどの程度ロバストかを検証することや、事前学習データの分布がノイズ感受性にどのように影響するかを調査する必要があります。また、静的ノイズが含まれるデータをフィルタリングすることなく利用する方法や、動的ノイズを効果的に処理する新たなアプローチの開発も重要な課題です。
url:
https://arxiv.org/abs/2402.04004
title:
Understanding the Effect of Noise in LLM Training Data with Algorithmic Chains of Thought
authors:
Alex Havrilla, Maia Iyer
date:
8 February, 2024;
Zero-Shot Chain-of-Thought Reasoning Guided by Evolutionary Algorithms in Large Language Models
目的:
この論文では、大規模言語モデルを用いて、与えられた問題に対する適切なCoT(Chain of Thought)プロンプトを生成するための新しい手法であるZero-shot EoT(Evolution of Thought)プロンプティングを提案しています。この手法は、進化的アルゴリズムを利用し、より効果的に問題解決を行うプロンプトを生成することを目指しています。
使用データ・情報:
この研究では、数学や常識問題など、異なるドメインの問題を含む複数のデータセットが使用されています。具体的には、SingleEq, AddSub, GSM8K, MultiArith, SV AMP, AQuA, CommonsenseQA, StrategyQA, Coin Flip, Last Letters などのデータセットが挙げられています。
新規性・解決した問題:
この研究の新規性は、大規模言語モデルを進化的最適化器として使用し、プロンプトの生成において交叉(Crossover)と突然変異(Mutation)の操作を適用することにあります。これにより、問題に対するより適切なプロンプトを生成することが可能となり、従来のCoTプロンプト手法よりも効果的な問題解決が期待できます。
未解決問題:
将来的には、生成されるCoTプロンプトの数を増やすことによる時間的要求の増大という課題が残されています。一回の交叉と突然変異操作で効率的なプロンプトを生成する現在の戦略をさらに改善し、より多様なプロンプトを効果的に生成できるような方法の開発が求められています。
url:
https://arxiv.org/abs/2402.05376
title:
Zero-Shot Chain-of-Thought Reasoning Guided by Evolutionary Algorithms in Large Language Models
authors:
Feihu Jin, Yifan Liu, Ying Tan
date:
7 February, 2024;
Using Large Language Model for End-to-End Chinese ASR and NER
目的:
この論文は、大規模言語モデル(LLM)を用いたエンドツーエンドの中国語自動音声認識(ASR)および固有表現認識(NER)タスクに取り組むことを目的としています。特に、WhisperエンコーダとChatGLM3-6Bを組み合わせて、デコーダのみのモデルとエンコーダ-デコーダのモデルの2つのアーキテクチャを比較し、それぞれのアーキテクチャが短いコンテキストと長いコンテキストでどのように機能するかを評価しています。
データや情報:
研究では、AISHELL-NERデータセットを使用しています。このデータセットは、170時間の中国語音声データを含み、トレーニングセットには約120,000文、テストセットには7176文が含まれています。このデータセットは、人物(PER)、場所(LOC)、組織(ORG)の3種類の固有名詞を特別な記号で注釈付けしています。モデルのパフォーマンスは、キャラクターエラーレート(CER)とF1スコアを用いて評価されました。
新規性や解決できた問題:
この研究の新規性は、WhisperエンコーダとChatGLM3-6Bを組み合わせた点にあります。特に、エンコーダ-デコーダアーキテクチャとデコーダのみのアーキテクチャの比較を通じて、異なるアーキテクチャがASRとNERタスクにおいてどのように機能するかを詳細に分析しました。研究結果から、エンコーダ-デコーダモデルは短いコンテキストで優れており、デコーダのみのモデルは長いコンテキストでの利点が明らかになりました。また、CoT NERアプローチを用いて、AISHELL-NERテストセットで最先端のF1スコア0.805を達成しました。
未解決問題:
今後の課題としては、より広範な実験と複数のタスクにおけるシステムの評価が挙げられます。特に、音声特徴が重要となるタスク(例えばオーディオイベント検出など)において、エンコーダ-デコーダモデルがデコーダのみのアプローチに対して優位性を持つ可能性があるため、これら二つのアプローチを組み合わせて、高度な意味論的および詳細な音響情報を必要とする幅広いタスクでの優れたパフォーマンスを目指すことが示唆されています。
url:
https://arxiv.org/abs/2401.11382
title:
Using Large Language Model for End-to-End Chinese ASR and NER
authors:
Yuang Li, Jiawei Yu, Min Zhang, Mengxin Ren, Yanqing Zhao, Xiaofeng Zhao, Shimin Tao, Jinsong Su, Hao Yang
date:
6 June, 2024;
Quartet Logic: A Four-Step Reasoning (QLFR) framework for advancing Short Text Classification
目的:
この研究の主な目的は、短いテキストデータセットに対する分類精度の向上を図ることです。具体的には、QLFR(Query Learning with Fine-tuning and Retrieval)メソッドとその変種を用いて、短文テキストの分類タスクにおけるパフォーマンスを評価し、改善することを目指しています。
使用したデータや情報:
この研究では、MR, Snippets, Ohsumed, TagMyNews, StackOverflow, AGNewsという6つの短文テキストデータセットを使用しています。これらのデータセットは、映画レビュー、検索エンジンのスニペット、心臓病の分類、ニュースの見出し、IT関連のQ&A、ニュース記事といった異なる分野のテキストを含んでいます。
新規性や解決できた問題:
この研究の新規性は、QLFRメソッドが短文テキストの意味的なスパース性と構文的な不正確さを扱うために、再構成と情報検索のステップを組み込んだ点にあります。特に、ECCA(Encoder-Decoder Contextual Calibration Architecture)戦略を採用し、生成モデルのパフォーマンスを向上させています。その結果、短文テキストの分類精度が向上し、特に論文学習パラダイムにおいても効果を示しました。
未解決問題:
今後の課題としては、さらに多様なデータセットに対するメソッドの適用性を試すこと、また、より複雑な入力に対するモデルの処理能力を向上させるための研究が必要です。特に、大規模なパラメータを持つモデルの論文学習能力の限界とその克服方法についてのさらなる分析が求められています。
url:
https://arxiv.org/abs/2401.03158
title:
Quartet Logic: A Four-Step Reasoning (QLFR) framework for advancing Short Text Classification
authors:
Hui Wu, Yuanben Zhang, Zhonghe Han, Yingyan Hou, Lei Wang, Siye Liu, Qihang Gong, Yunping Ge
date:
6 January, 2024;
SHIELD : An Evaluation Benchmark for Face Spoofing and Forgery Detection with Multimodal Large Language Models
目的:
この研究の主な目的は、異なる顔の偽造手法を識別するためのモデルの能力をテストすることです。特に、Zero-shotテストとOne-shotテストを通じて、モデルが事前の知識なしに、または限定的な事前知識を持って、偽造された顔画像と実際の顔画像をどの程度正確に識別できるかを評価しています。
使用データ:
この研究では、Deepfakes、Face2Face、Faceswap、Nulltextures、およびStable Diffusionによって生成された画像を含む、様々な顔の偽造手法によって作成された画像が使用されています。これらの画像は、モデルが実際の顔画像と偽造された顔画像を識別するためのテストに利用されました。
新規性及び解決した問題:
この研究の新規性は、複数の顔偽造技術を横断的に評価し、特にZero-shotおよびOne-shotの設定でモデルの性能を試験する点にあります。これにより、モデルが未知のデータや少ないデータからでも偽造を識別できるかどうかを検証しました。また、モデルが画像の詳細な分析を行い、リアルな画像を選択する能力を調べることで、顔認識技術の進歩に寄与しています。
未解決問題:
今後の課題としては、より複雑で新しい顔の偽造手法に対する識別能力を向上させる必要があります。また、異なる背景や照明条件下での画像に対するモデルの適応能力を強化することも求められています。さらに、偽造手法が進化するにつれて、モデルを定期的に更新し、新たな偽造パターンを学習させることが重要です。
url:
https://arxiv.org/abs/2402.04178
title:
SHIELD : An Evaluation Benchmark for Face Spoofing and Forgery Detection with Multimodal Large Language Models
authors:
Yichen Shi, Yuhao Gao, Yingxin Lai, Hongyang Wang, Jun Feng, Lei He, Jun Wan, Changsheng Chen, Zitong Yu, Xiaochun Cao
date:
6 February, 2024;
CRUXEval: A Benchmark for Code Reasoning, Understanding and Execution
目的:
与えられた論文では、GPT-4のCoT(Chain of Thought)を用いた出力予測や入力予測の能力を評価し、特にCoTを使用した場合の成功例と失敗例を分析することを目的としています。これにより、モデルの理解力と推論能力の限界を探ることができます。
使用したデータや情報:
この論文では、GPT-4が提供するいくつかのプログラム関数の例(文字列操作、リスト操作など)を使用し、それぞれの関数に対する入力と期待される出力の例を設定しています。また、特定のプログラムコードの動作をシミュレートすることで、モデルがどのようにして正しい出力を生成するか、または失敗するかを観察しています。
新規性や解決できた問題:
この研究の新規性は、GPT-4がCoTを使用することで、プログラムコードの理解と実行のシミュレーションが改善される点にあります。特に、プログラムの各ステップを理解し、それに基づいて正確な出力を予測する能力が向上していることが示されています。また、大文字のカウントや条件に基づくフィルタリングなど、特定の関数の動作を正確に予測できるようになっています。
未解決問題:
未解決の問題としては、一部の複雑な入力予測のケースでモデルが正確な出力を生成できない場合があることが挙げられます。また、モデルが特定のプログラム構造やロジックを誤解することもあり、これらの問題に対処するためのさらなる研究が必要です。さらに、より複雑なプログラムコードや、より多様なプログラミング言語に対する理解を深めることも、今後の課題として残されています。
url:
https://arxiv.org/abs/2401.03065
title:
CRUXEval: A Benchmark for Code Reasoning, Understanding and Execution
authors:
Alex Gu, Baptiste Rozière, Hugh Leather, Armando Solar-Lezama, Gabriel Synnaeve, Sida I. Wang
date:
5 January, 2024;
Self-Discover: Large Language Models Self-Compose Reasoning Structures
目的:
与えられた論文は、大規模言語モデルが自己発見的な推論構造を構築するプロセス、SELF-DISCOVERと呼ばれる手法を探求しています。この手法は、言語モデルが与えられたタスクに対して、より効果的に推論し、問題解決を行う能力を向上させることを目的としています。
使用データ・情報:
この研究では、様々なタスクや問題に対する推論モジュールや、認知的ヒューリスティックを含む39の推論モジュールを使用しています。また、具体的なタスクインスタンスを解決するための自己発見的な構造を用いて、ステップバイステップの推論計画を実装しています。
新規性と解決した問題:
SELF-DISCOVER手法の新規性は、大規模言語モデルが自らの推論プロセスを内部的に構築し、タスク固有の推論構造を発見する点にあります。このアプローチにより、モデルは与えられた指示に基づいて推論を行い、結果として問題解決能力が向上します。また、人間が書いた推論構造とモデルが発見した推論構造の比較を通じて、推論パターンの類似点を明らかにしました。
未解決問題:
将来的には、さらに複雑な問題や多様なタスクに対して、このSELF-DISCOVER手法を適用し、その汎用性と効果を検証する必要があります。また、自動生成された推論構造の正確性を評価し、改善するための方法も開発する必要があります。さらに、モデルが生成する推論構造の解釈可能性を向上させる研究も必要です。
url:
https://arxiv.org/abs/2402.03620
title:
Self-Discover: Large Language Models Self-Compose Reasoning Structures
authors:
Pei Zhou, Jay Pujara, Xiang Ren, Xinyun Chen, Heng-Tze Cheng, Quoc V. Le, Ed H. Chi, Denny Zhou, Swaroop Mishra, Huaixiu Steven Zheng
date:
5 February, 2024;
Understanding Biases in ChatGPT-based Recommender Systems: Provider Fairness, Temporal Stability, and Recency
目的:
この研究は、ChatGPTをベースとした推薦システム(RecLLM)のパフォーマンスとバイアスを評価するために設計された実験を概説しています。具体的には、プロンプト設計戦略の調査、データセット間の一般化の検討、およびシーケンシャル推薦タスクにおける学習戦略の影響を分析しています。
使用データ・情報:
この研究では、映画と音楽のデータセットを使用し、フューショットおよびゼロショットのインクリメンタル・コントラスト・ラーニング(ICL)を評価するために用いられています。また、プロンプトの形式や情報の具体性など、異なるプロンプト設計戦略が評価されています。
新規性・解決した問題:
この研究は、RecLLMにおけるプロンプトエンジニアリングの複雑さに対処し、アイテムの不公平さに基づくプロバイダの公平性だけでなく、推薦アイテムの最新性や推薦の安定性など、他の潜在的な害も考慮に入れています。これにより、従来の研究では探求されていなかった側面をカバーしています。
未解決の問題:
長期にわたるデプロイメントの安定性を保証するためのさらなる研究が必要であり、また、異なるタスク間でのプロンプト転送の効率と効果をさらに向上させるための研究が求められています。また、生成モデルを利用した推薦システムにおける継続的な課題として、複雑なデータ分布の理解と生成の能力を活用する新たな方法の開発が挙げられます。
url:
https://arxiv.org/abs/2401.10545
title:
Understanding Biases in ChatGPT-based Recommender Systems: Provider Fairness, Temporal Stability, and Recency
authors:
Yashar Deldjoo
date:
4 July, 2024;
Deductive Beam Search: Decoding Deducible Rationale for Chain-of-Thought Reasoning
目的:
与えられた論文の主な目的は、連鎖思考推論のための推論過程を解読し、より効果的な推論モデルを開発することです。具体的には、複数の推論ステップを通じて最終的な答えに至る理論的根拠を導出する「Deductive Beam Search(DBS)」という方法を提案し、その効果を検証しています。
使用したデータや情報:
この研究では、GSM8Kデータセットからランダムに抽出された100の算数推理問題を用いています。さらに、異なるモデル能力を持つLlama2-7bとGPT-3.5を例として挙げ、それぞれのモデルでDBSの効果を比較しています。
新規性や解決できた問題:
DBSは、自己評価パターンと比較してトークンの使用量を削減しつつ、推論性能を向上させることができるという点で新規性があります。具体的には、DBSを用いることで、Llama2-7bとgpt-3.5-turbo-instructの両モデルにおいて約10%のパフォーマンス向上が見られました。また、複数推論チェーン設定においても、DBSは従来の自己一貫性よりも優れた結果を示しています。
未解決問題:
この研究では、特定のデータセットや問題タイプに対する推論ステップの数が少ない場合のパフォーマンス低下が指摘されています。例えば、SingleEqやStrategyQAデータセットでは、DBSのパフォーマンスがやや低下しています。今後の課題としては、異なるタイプのデータセットや問題に対しても効果的に機能する汎用的な推論モデルの開発が求められます。
url:
https://arxiv.org/abs/2401.17686
title:
Deductive Beam Search: Decoding Deducible Rationale for Chain-of-Thought Reasoning
authors:
Tinghui Zhu, Kai Zhang, Jian Xie, Yu Su
date:
4 February, 2024;
Assertion Detection Large Language Model In-context Learning LoRA Fine-tuning
目的:
この研究は、臨床ノートから医療概念を抽出する際の主要なプロセスであるアサーション検出に対処することを目的としています。アサーション検出は、臨床テキスト内の医療概念に対するアサーションタイプを識別することを含み、医療専門家が非構造化された臨床テキストから医療状態の論文を迅速かつ明確に理解するのに直接的な影響を与えます。
使用されたデータや情報:
この研究では、i2b2 2010アサーションデータセットと、ピッツバーグ大学医療センター(UPMC)からのローカルプライベートコーパスを使用しています。これらのデータセットは、放電要約と進行ノートからの注釈付きデータを提供し、臨床文書内の医療概念に関連する6種類のアサーションについて手動で注釈がつけられています。
新規性と解決できた問題:
この研究の新規性は、大規模言語モデル(LLMs)を用いたアサーション検出のための新しい方法論を導入した点にあります。特に、ToT(Thought of Tree)、CoT(Chain of Thought)、SC(Self-Consistency)といった高度な推論技術を活用し、LoRA(Low-Rank Adaptation)による微調整を行うことで、LLMsの性能をさらに洗練させ、臨床アサーション検出の具体的な詳細を扱う能力を向上させています。これにより、従来のルールベースのアプローチやディープラーニングアプローチでは対応が難しかった臨床データの複雑性やクラス分布の不均衡などの問題に対処しています。
未解決問題:
将来の研究では、より大きなモデル、例えば13Bや70Bバリアントを使用することで、さらなる性能向上が期待されますが、計算制約のために実現が困難であるという問題が残されています。また、データセットを複数の機関からの臨床ノートに拡張することで、研究の堅牢性を高めることも未解決の課題として挙げられています。
url:
https://arxiv.org/abs/2401.17602
title:
Assertion Detection Large Language Model In-context Learning LoRA Fine-tuning
authors:
Yuelyu Ji, Zeshui Yu, Yanshan Wang
date:
31 January, 2024;
keqing: knowledge-based question answering is a nature chain-of-thought mentor of LLM
目的:
この論文は、複雑な質問に対して効果的に答えるための知識ベース質問応答システム(KBQA)「Keqing」の設計と実装に焦点を当てています。特に、質問の分解、候補推論、および応答生成の各モジュールにおけるプロセスと、それらがどのように連携して効率的な問題解決を実現するかを詳細に説明しています。
使用したデータや情報:
この研究では、MetaQAとWebQuestionsSP(WebQSP)という2つのKBQAベンチマークデータセットを用いています。これらのデータセットは、映画に関するオントロジーから派生したもので、異なる難易度レベルの質問と回答ペアを含んでいます。また、知識グラフ上での論理チェーンを利用して答えを導き出す方法を採用しています。
新規性や解決できた問題:
Keqingは、従来の埋め込みベースの知識検索方法と比較して、記号論理チェーンを用いた知識検索モジュールを導入することで、より正確で解釈可能な推論パスを提供します。これにより、入力トークンのリソースコストを大幅に削減しました。また、質問の分解、テンプレートマッチング、候補推論、応答生成の各ステップでの処理を詳細に説明し、これらのプロセスがどのように連動して効果的な回答を導出するかを示しています。
未解決問題:
論文では、質問テンプレートと生成されたサブ質問の一致が保証されない問題に対処するために追加の質問マッチング手順を導入していますが、このマッチングプロセスの精度向上や、より広範な知識ベースをカバーするための拡張が今後の課題として挙げられています。また、より強力な言語モデルの活用や、ドメイン特化型KBQAにおけるさらなる研究が求められています。
url:
https://arxiv.org/abs/2401.00426
title:
keqing: knowledge-based question answering is a nature chain-of-thought mentor of LLM
authors:
Chaojie Wang, Yishi Xu, Zhong Peng, Chenxi Zhang, Bo Chen, Xinrun Wang, Lei Feng, Bo An
date:
31 December, 2023;
Text2MDT: Extracting Medical Decision Trees from Medical Texts
目的:
与えられた論文は、自然言語処理(NLP)の分野において、特に医療分野のテキストからの情報抽出(IE)と意思決定木(Text2MDT)の構築に焦点を当てています。具体的には、複雑な医療決定プロセスを表現するために、テキストからトリプレットを抽出し、それをバイナリツリーのノードに配置するタスクに取り組んでいます。
データや情報:
論文では具体的なデータセットの詳細には触れていませんが、一般的に医療分野のテキストデータや、既存の情報抽出技術、意思決定支援システムで使用されるデータが用いられることが示唆されています。また、構文解析や意味解析のための既存のNLP技術やモデルが使用されている可能性があります。
新規性や解決できた問題:
この論文の新規性は、医療テキストからの情報抽出と意思決定プロセスの表現を組み合わせた点にあります。特に、Text2MDTタスクは、複数のトリプレットを含むノードを抽出し、それらを複雑なツリー構造に配置することで、医療決定のプロセスをより詳細に表現することを可能にしています。これにより、従来の情報抽出や意思決定支援のアプローチでは対応が難しかった複雑な医療シナリオを扱うことが可能になります。
未解決問題:
将来的には、抽出された情報の精度を向上させるための手法の開発、より複雑な医療テキストに対応するためのモデルの拡張、実際の医療現場での応用に向けたシステムの実装と評価が必要です。また、異なる医療分野や条件における適用性の検証も重要な課題となります。さらに、モデルが生成する意思決定ツリーの解釈可能性や、医療専門家との連携による評価も今後の研究で取り組むべき点です。
url:
https://arxiv.org/abs/2401.02034
title:
Text2MDT: Extracting Medical Decision Trees from Medical Texts
authors:
Wei Zhu, Wenfeng Li, Xing Tian, Pengfei Wang, Xiaoling Wang, Jin Chen, Yuanbin Wu, Yuan Ni, Guotong Xie
date:
3 January, 2024;
E-EVAL: A Comprehensive Chinese K-12 Education Evaluation Benchmark for Large Language Models
目的:
この研究の主な目的は、さまざまな大規模言語モデル(LLMs)の性能を評価し、特に中国の教育分野に焦点を当てたモデルの能力を深く分析することです。これにより、将来の研究のための信頼性のある参照点を提供することを目指しています。
使用したデータや情報:
この研究では、様々な言語モデルの性能を評価するために、中国の教育試験からの複数選択問題を含むデータセットを使用しました。問題は四つの選択肢を伴い、モデルは正しい答えを選ぶよう求められました。また、評価にはゼロショット、フォーショット-答えのみ、フォーショット-思考の連鎖の3つの方法が用いられました。
新規性や解決できた問題:
この研究の新規性は、多数の先進的な言語モデルを使用して、特定の言語(中国語)と教育分野に特化した問題に対するモデルの理解と推論能力を詳細に分析した点にあります。特に、フォーショット-思考の連鎖評価は、モデルが問題解決を人間のような思考プロセスでどのように進めるかを評価する点で注目すべきです。
未解決問題:
今後の研究では、さらに多様な言語や教育分野のデータセットを用いてモデルの汎用性を評価すること、また、言語モデルが複雑な問題解決や創造的な思考をどのように扱うかを深く理解することが挑戦として残されています。さらに、言語モデルのトレーニングデータの質や多様性が性能にどのように影響するかの詳細な分析も必要です。
url:
https://arxiv.org/abs/2401.15927
title:
E-EVAL: A Comprehensive Chinese K-12 Education Evaluation Benchmark for Large Language Models
authors:
Jinchang Hou, Chang Ao, Haihong Wu, Xiangtao Kong, Zhigang Zheng, Daijia Tang, Chengming Li, Xiping Hu, Ruifeng Xu, Shiwen Ni, Min Yang
date:
29 January, 2024;
Large Language Models As MOOCs Graders
目的:
この論文では、MOOCs(大規模オープンオンラインコース)の学生の課題評価を自動化するためのアプローチを開発し、評価プロセスにおける一貫性と効率性を向上させることを目的としています。特に、講師が提供する正解と採点基準を組み込んだZero-shot-CoT(Zero-shot with Contextualization of Tasks)という手法を使用して、大規模言語モデル(LLM)による評価の精度を高めることを目指しています。
使用したデータや情報:
この研究では、講師が提供する正解と、それに基づいた採点基準(rubric)を使用しています。これにより、LLMが学生の回答を評価する際のガイドラインとして機能し、より一貫性のある評価が期待されます。また、異なる採点方法を試すために、講師提供のrubricとLLMによって生成されたrubricを比較しています。
新規性と解決できた問題:
この研究の新規性は、Zero-shot-CoTを用いて、講師が提供する正解とrubricを直接組み込んだ採点プロセスを自動化する点にあります。これにより、LLMが提供する評価が人間の講師の評価と高い一致性を持つ可能性があります。また、LLM生成のrubricを用いた場合の評価の差異を検証することで、自動採点システムのさらなる最適化の道を開いています。
未解決問題:
未解決の問題としては、自動生成されたrubricが実際の教育現場でのニーズにどれだけ適合するかの検証、さらには異なる科目やコース内容に対する適用性の拡張が挙げられます。また、LLMの解釈可能性や透明性を高めるための研究も必要であり、教育者や学生が自動採点プロセスをより信頼しやすくするための工夫が求められています。
url:
https://arxiv.org/abs/2402.03776
title:
Large Language Models As MOOCs Graders
authors:
Shahriar Golchin, Nikhil Garuda, Christopher Impey, Matthew Wenger
date:
29 February, 2024;
Olapa-MCoT: Enhancing the Chinese Mathematical Reasoning Capability of LLMs
目的:
本論文の主な目的は、中国語の数学的推論能力を持つ大規模言語モデル(LLMs)の開発と評価であり、特にOlapa-MCoTというモデルを通じて、中国語の数学的推論タスクにおける性能向上を図ることにあります。また、SimRRHFというアライメント最適化手法やIDRL(Incorrect Data Relearning)という新しい学習アプローチが提案され、モデルの学習安定性と精度の向上が目指されています。
使用データや情報:
論文において使用されたデータセットには、中国語の数学的推論評価データセット(olapa.zh.eval.json)、SFTデータセット、およびアライメントデータセットが含まれています。これらのデータセットは、特定のタスクに対するモデルの性能を評価し、微調整するために使用されました。また、D1、D2、D3などの異なるラウンドのデータセットが使用され、モデルの学習プロセスが進行しました。
新規性や解決できた問題:
この研究の新規性は、SimRRHFとIDRLという二つの新しい手法の導入にあります。SimRRHFは、モデルの学習プロセスの安定性と精度を向上させるアライメント最適化手法であり、IDRLは間違いやすいデータや難しい知識に対するモデルの学習能力を向上させるためのアプローチです。これにより、中国語の数学的推論能力を持つLLMsの性能が向上し、特にOlapa-MCoTモデルが50%の精度を達成しました。
未解決問題:
未解決問題としては、LLMsの基本的な操作ルールの計算の不正確さが挙げられます。将来的には、基本操作ルールなどの理論的知識を統合し、モデルの推論ロジックと安定性をさらに向上させる方法を深掘りする計画です。また、言語モデルの特性による推論能力の限界も課題として残っており、これを克服するための研究が求められています。
url:
https://arxiv.org/abs/2312.17535
title:
Olapa-MCoT: Enhancing the Chinese Mathematical Reasoning Capability of LLMs
authors:
Shaojie Zhu, Zhaobin Wang, Chengxiang Zhuo, Hui Lu, Bo Hu, Zang Li
date:
29 December, 2023;
Can LLMs perform structured graph reasoning?
目的:
この論文では、大規模言語モデル(LLM)がグラフ上の問題を解決する能力を評価し、改善するための新しいプロンプト技術「PathCompare」を提案しています。特に、グラフ推論能力を向上させることを目指しています。
使用されたデータや情報:
論文内で使用されたデータは、異なるモデル(GPT3.5、GPT4、Claude-2)に対する様々なタスクのパフォーマンスを比較するためのスコアや、グラフトラバーサルの問題を示すための隣接行列が含まれています。また、k-shotプロンプト設定でのモデルのパフォーマンスも評価されています。
新規性や解決できた問題:
この研究の新規性は、「PathCompare」というプロンプト技術を導入している点にあります。この技術は、特にグラフ上の問題において、標準的なプロンプトや他の手法よりも高い精度で問題を解決することが示されています。また、PathCompareはポジティブな応答バイアスを強化するという問題を指摘しつつも、これを緩和するためのアプローチを提供しています。
未解決問題:
論文によると、PathCompare技術はポジティブな応答バイアスを強化するという問題が残されています。また、特定の問題(例えば、問題2.4)でのパフォーマンスが低下する可能性があるため、これらの問題に対するさらなる改善が必要です。将来的には、これらの問題に対処しつつ、さらに多様なグラフ問題に対するモデルの適用性を高めることが課題とされています。
url:
https://arxiv.org/abs/2402.01805
title:
Can LLMs perform structured graph reasoning?
authors:
Palaash Agrawal, Shavak Vasania, Cheston Tan
date:
29 August, 2024;
Evaluating Gender Bias in Large Language Models via Chain-of-Thought Prompting
目的:
この論文では、大規模言語モデル(LLMs)における社会的バイアスの影響を評価し、それを軽減するための手法を検討しています。特に、Chain of Thought (CoT) プロンプティングを用いて、ジェンダーバイアスを含む社会的バイアスを緩和する効果を調査しています。
データや情報:
論文では、ジェンダーに関連する単語を数えるベンチマークタスクを構築し、CoTプロンプティングがどのようにバイアスのある予測を軽減するかを示しています。また、質問応答(QA)や自然言語推論(NLI)などの下流タスクにおけるCoTデバイアシングの効果も検証しています。
新規性や解決できた問題:
この研究の新規性は、CoTプロンプティングを用いることで、LLMsが生成する社会的バイアスを具体的に緩和できることを示した点にあります。特に、ジェンダーバイアスを軽減する効果を実証し、LLMsの予測における公平性を高める方法を提供しています。
未解決問題:
将来的には、非バイナリー性別を含む多様なジェンダーカテゴリーへのCoT技術の適用、他の社会的バイアス(人種や宗教など)に対するデバイアシング効果の検証、そしてステレオタイプを超えたさらなる課題への対応が挙げられます。これらの課題に取り組むことで、より公平で包括的なLLMの開発が進むことが期待されます。
url:
https://arxiv.org/abs/2401.15585
title:
Evaluating Gender Bias in Large Language Models via Chain-of-Thought Prompting
authors:
Masahiro Kaneko, Danushka Bollegala, Naoaki Okazaki, Timothy Baldwin
date:
28 January, 2024;
Grounding-Prompter: Prompting LLM with Multimodal Information for Temporal Sentence Grounding in Long Videos
目的:
この研究の主な目的は、長いビデオにおける時間的文の根拠(Temporal Sentence Grounding, TSG)タスクを解決することです。具体的には、与えられた自然言語クエリに基づいてビデオから瞬間を特定し、その境界と論文を理解する方法を開発することを目指しています。
使用されたデータや情報:
この研究では、ビデオのスピーチ(音声テキスト)とビジュアル(視覚情報)という、複数のモダリティを含む情報を用いています。これらの情報を組み合わせることで、ビデオ内の特定の瞬間をより正確に特定しようと試みています。
新規性や解決できた問題:
この研究の新規性は、長いビデオにおけるTSGタスクに対処するために、マルチモーダル情報を用いたプロンプティング方式を導入した点にあります。具体的には、Boundary-Perceptive Prompting戦略を提案し、これによりグローバルおよびローカルなセマンティクスを段階的に組み合わせることで、より複雑な論文の中で時間的推論を強化しました。また、One-shot In-Context-Learning(ICL)を導入することで、モデルがTSGタスクをより深く理解し、正確な予測を生成するのを助けています。
未解決問題:
将来的には、ビデオからの情報抽出の際に生じるノイズへの対処方法や、さらに複雑なビデオ内容に対するモデルの適応性を高めるための研究が必要です。また、異なる言語や文化的背景に基づいたビデオに対するTSGモデルの適用性を拡大することも、重要な課題とされています。
url:
https://arxiv.org/abs/2312.17117
title:
Grounding-Prompter: Prompting LLM with Multimodal Information for Temporal Sentence Grounding in Long Videos
authors:
Houlun Chen, Xin Wang, Hong Chen, Zihan Song, Jia Jia, Wenwu Zhu
date:
28 December, 2023;
ReFT: Reasoning with Reinforced Fine-Tuning
目的:
この論文の主な目的は、数学問題を解決するための新しい微調整方法である強化微調整(ReFT)を導入し、その一般化能力を向上させることです。ReFTは、従来の教師あり学習(SFT)と比較して、同じデータセットで訓練された場合に優れた一般化能力を示すことを目指しています。
使用したデータや情報:
論文では、GSM8K、MathQA、SVAMPなどの標準データセットを使用しています。これらのデータセットは、自然言語およびプログラムベースのCoT(Chain of Thought)をカバーしており、数学問題解決のためのReFTの性能と一般化能力を実証するために利用されています。
新規性や解決できた問題:
ReFTは、複数の正しい推論パスまたはCoTアノテーションをサンプリングし、それらから学習することにより、教師あり学習と比較して一般化能力を向上させることができます。これにより、ReFTは教師あり学習の限界を超えて、よりリッチな監督信号を利用可能にしました。また、ReFTは、多数決投票や報酬モデルの再ランキングなどの一般的な技術からも恩恵を受けることが示されています。
未解決問題:
将来の研究では、オフライン強化学習技術の活用、ウォームアップフリーメソッドの開発、報酬ハッキングの制御とその分析が重要な課題とされています。これにより、訓練効率と性能をさらに向上させ、報酬モデルの再ランキング方法とのギャップを縮小することが目指されています。また、プロセスベースの報酬を強化学習訓練に統合することの探求も提案されています。
url:
https://arxiv.org/abs/2401.08967
title:
ReFT: Reasoning with Reinforced Fine-Tuning
authors:
Trung Quoc Luong, Xinbo Zhang, Zhanming Jie, Peng Sun, Xiaoran Jin, Hang Li
date:
27 June, 2024;
Prompting Diverse Ideas: Increasing AI Idea Variance
目的:
この論文では、大規模言語モデル(LLMs)を使用して、人間のアイデア生成を補完する方法を評価し、その効果を検証することが目的です。特に、異なるプロンプト戦略がアイデアの多様性にどのように影響するかを調べ、人間と比較してLLMsが生成するアイデアの多様性を評価しています。
使用したデータや情報:
この研究では、GoogleのUniversal Sentence Encoderモデルを使用してアイデア間の類似性を比較しました。また、異なるプロンプト戦略を用いて約1200個のアイデアを生成し、それぞれの戦略で生成されたアイデアのプール間でのコサイン類似性を計算し、統計的な有意差を検証するためにブートストラップ法と順列検定を使用しました。
新規性や解決できた問題:
この研究の新規性は、異なるプロンプト戦略がアイデア生成の多様性に与える影響を定量的に評価し、特にChain-of-Thought(CoT)プロンプトが有効であることを示した点にあります。また、LLMsが人間のグループと比較しても、アイデアの多様性において競合することができることを示しましたが、完全な優位性を示すには至っていません。
未解決問題:
未解決の問題としては、アイデアの質と実現可能性を犠牲にすることなく多様性をどのように保証するか、言語やスタイル、テキストの長さがコサイン類似性にどのように影響するかの詳細な理解、さらには異なる言語や表現方法で表された同一のアイデアが理論的には同じコサイン類似性スコアを得るべきであるが、実際には得られない理由の解明が挙げられます。また、伝統的な構造を含む経験的な測定方法との関連性を明らかにするためのさらなる研究が必要です。
url:
https://arxiv.org/abs/2402.01727
title:
Prompting Diverse Ideas: Increasing AI Idea Variance
authors:
Lennart Meincke, Ethan R. Mollick, Christian Terwiesch
date:
27 January, 2024;
A Logically Consistent Chain-of-Thought Approach for Stance Detection
目的:
与えられた論文は、ゼロショットスタンス検出(ZSSD)において、未知のターゲットに対するスタンスを検出することを目的としています。具体的には、背景知識を取り入れて、既知のターゲットと未知のターゲット間の転移性を強化することが主なアプローチです。
データや情報:
この研究では、SemEval-2016 Task 6(SEM16)とVASTという2つのベンチマークデータセットを用いています。SEM16は、様々なターゲットに対するツイートが含まれ、各ツイートは「賛成」「反対」「中立」のいずれかのラベルが付けられています。VASTは、訓練セット、開発セット、テストセットが含まれ、それぞれのサンプルには「Pro」「Neutral」「Con」というスタンスラベルが定義されています。
新規性や解決できた問題:
この研究の新規性は、Logically Consistent Chain-of-Thought(LC-CoT)という新しいアプローチを提案している点にあります。LC-CoTは、背景知識を適切に取り入れることで、論理的一貫性を保ちつつスタンス検出を行うことができます。これにより、従来の教師あり方法に頼らずとも、ラベル付きサンプルなしで伝統的な教師ありアプローチを上回る性能を達成しています。
未解決問題:
未解決問題としては、知識とタスクの不連動問題や論理的一貫性の欠如が挙げられます。これらの問題は、論文データがターゲットスタンスと密接に関連している場合にパフォーマンスを低下させる可能性があります。また、断片的な知識が論理的検証を欠くことで、スタンス予測の信頼性が損なわれる可能性も指摘されています。
url:
https://arxiv.org/abs/2312.16054
title:
A Logically Consistent Chain-of-Thought Approach for Stance Detection
authors:
Bowen Zhang, Daijun Ding, Liwen Jing, Hu Huang
date:
26 December, 2023;
Mixed Distillation Helps Smaller Language Model Better Reasoning
目的:
この論文では、大規模言語モデル(LLM)の能力を小型モデルに蒸留することを通じて、計算資源が少ない環境でも高い推論能力を持つモデルを開発することを目指しています。具体的には、プログラム・オブ・ソート(PoT)とチェーン・オブ・ソート(CoT)の能力を組み合わせた「ミックス蒸留(Mixed Distillation)」フレームワークを提案し、これにより小型モデルの推論能力を向上させることを試みています。
使用データ・情報:
実験には、SVAMP, GSM8K, ASDIV, StrategyQA といった複数のデータセットが使用されています。これらは数学問題や戦略的な問題解決を含むデータセットで、モデルの推論能力を評価するために利用されました。
新規性・解決した問題:
この研究の新規性は、「ミックス蒸留」フレームワークにあります。これは、LLMのPoTとCoTの能力を組み合わせることで、単一の蒸留手法では達成できなかった推論タスクの精度と一般性を向上させることができます。実験結果から、この新しいフレームワークを用いることで、特に数学的推論タスクにおいて、既存の大型モデルや他の小型モデルと比較しても優れた性能を発揮することが示されました。
未解決問題:
この研究でのアプローチは主に推論タスクに焦点を当てており、他のNLPタスクへの適用可能性や、さらに異なる種類の推論スキル(例えば因果関係の推論や道徳的推論など)をどのようにモデルに組み込むかは今後の課題として残されています。また、より多様な言語や文化的背景を持つデータセットに対するモデルの適用性や公平性を評価することも重要な未解決問題です。
url:
https://arxiv.org/abs/2312.10730
title:
Mixed Distillation Helps Smaller Language Model Better Reasoning
authors:
Chenglin Li, Qianglong Chen, Liangyue Li, Caiyu Wang, Yicheng Li, Zulong Chen, Yin Zhang
date:
25 February, 2024;
Agent4Ranking: Semantic Robust Ranking via Personalized Query Rewriting Using Multi-agent LLM
目的:
この論文は、検索エンジン内でのランキングモデルの堅牢性を高めるために、クエリの書き換えとその堅牢性向上のためのフレームワークを導入することを目的としています。具体的には、異なる視点からのセマンティックに類似したクエリを効果的に処理し、一貫したランキング結果を出力することを目指しています。
使用したデータや情報:
論文では、中国政府の統計データを活用し、インターネットユーザーの主要な人口統計グループを特定しました。これに基づき、女性、男性、学生、高齢者の4つのエージェント役割を設定し、それぞれの視点からクエリを書き換える実験を行っています。また、Baiduから得られた産業データセットを用いて、クエリの評価、効果の検証、堅牢性のパフォーマンステストを実施しています。
新規性や解決できた問題:
この研究の新規性は、大規模言語モデル(LLMs)を活用して異なるエージェント役割からのクエリ書き換えを行い、クエリ生成の精度を高めるために厳格なクエリ検証手順を導入した点にあります。また、堅牢なMMoE(Mixture-of-Experts)構造を導入し、異なる書き換えられたクエリ間のセマンティックな共通点を動的に特定することで、ランキングプロセスを安定させる方法を開発しました。これにより、モデルの堅牢性が向上しました。
未解決問題:
LLMsによるホールシネーション効果とそれらの緩和戦略に対処すること、多角的なクエリ書き換えの探索が不足している点、また、これらの書き換えられたクエリをシステマティックに活用してランキングモデルの堅牢性をさらに強化する方法についての研究が今後の課題として残されています。
url:
https://arxiv.org/abs/2312.15450
title:
Agent4Ranking: Semantic Robust Ranking via Personalized Query Rewriting Using Multi-agent LLM
authors:
Xiaopeng Li, Lixin Su, Pengyue Jia, Xiangyu Zhao, Suqi Cheng, Junfeng Wang, Dawei Yin
date:
24 December, 2023;
Synergy-of-Thoughts: Eliciting Efficient Reasoning in Hybrid Language Models
目的:
本論文は、SoT(System of Thought)アルゴリズムの効果を評価し、その性能を他のベースラインと比較することを目的としています。SoTは、さまざまな推論タスクにおいて、直感と反射的思考を組み合わせることで、推論の精度を向上させることができるとされています。
使用したデータや情報:
この研究では、複数の推論タスク(Trivia Creative WritingやGame of 24など)を用いて、SoTの性能を評価しています。具体的には、各タスクにおける推論ステップや、System 1とSystem 2の介入の効果を定量的に分析しています。また、統計的なテストやパフォーマンスコストのトレードオフ分析も行われています。
新規性や解決できた問題:
SoTの新規性は、二つのシステム(直感的なSystem 1と反射的なSystem 2)を組み合わせることにより、一連の推論ステップを通じて問題解決の精度を向上させる点にあります。このアプローチは、推論タスクにおけるパフォーマンスの向上を実現し、従来のモデルよりも優れた結果を示しています。
未解決問題:
将来的には、より複雑な推論タスクや、異なる種類のデータセットに対するSoTの適用性をさらに検証する必要があります。また、System 1とSystem 2のバランスを最適化する方法や、さまざまなタスクにおけるSoTの適応性を向上させるための研究が求められています。
url:
https://arxiv.org/abs/2402.02563
title:
Synergy-of-Thoughts: Eliciting Efficient Reasoning in Hybrid Language Models
authors:
Yu Shang, Yu Li, Fengli Xu, Yong Li
date:
24 August, 2024;
Enhancing Large Language Models for Clinical Decision Support by Incorporating Clinical Practice Guidelines
目的:
与えられた論文は、様々なプロンプト手法を用いた自然言語処理の研究に関するものです。具体的には、大規模言語モデルを活用し、人間のフィードバックを取り入れながら、指示に従う言語モデルの訓練方法についての研究が含まれています。また、臨床意思決定支援システムに関する技術的進展や課題についても議論されています。
使用データ・情報:
この論文では、様々な種類のデータや情報が使用されています。例えば、合成患者データセットを用いて、COVID-19の臨床ガイドラインに基づいた治療提案を評価する方法、また、大規模言語モデル(LLM)を用いた実験が行われています。これには、GPT-4やGPT-3.5 Turboなどのモデルが含まれます。
新規性・解決した問題:
与えられた論文の新規性としては、大規模言語モデルを用いたチェーン・オブ・ソート・プロンプト(CoT-FSP)やプログラム支援グラフ構築(PAGC)などの新しいアプローチが挙げられます。これらの方法は、言語モデルがより複雑な臨床シナリオを処理し、適切な治療提案を生成する能力を向上させることが期待されます。また、患者中心の臨床意思決定支援のための技術的な進歩が議論されており、特定のギャップや課題が明らかにされています。
未解決問題:
将来取り組むべき未解決問題としては、言語モデルの解釈可能性や信頼性の向上、さらに、患者中心の臨床意思決定支援システムの実装におけるプライバシーと倫理的な問題が残されています。また、言語モデルの出力の再現性を確保するための技術的な改善も必要です。
url:
https://arxiv.org/abs/2401.11120
title:
Enhancing Large Language Models for Clinical Decision Support by Incorporating Clinical Practice Guidelines
authors:
David Oniani, Xizhi Wu, Shyam Visweswaran, Sumit Kapoor, Shravan Kooragayalu, Katelyn Polanska, Yanshan Wang
date:
23 January, 2024;
KAM-CoT: Knowledge Augmented Multimodal Chain-of-Thoughts Reasoning
目的:
この論文は、言語モデルに多様なモダリティを組み込むことにより、多モーダルなタスクにおける理解を深めるためのフレームワーク、KAM-CoTを提案しています。具体的には、知識グラフ(KG)と多様なモダリティを組み合わせることで、より深い論文理解を実現し、質の高い回答生成を目指しています。
使用したデータや情報:
この研究では、ScienceQAデータセットを使用しています。これは、科学カリキュラムから取られた21208の多肢選択式の質問を含むもので、3つの科目、26のトピック、127のカテゴリー、379のスキルをカバーしています。また、言語特徴、画像特徴、グラフ特徴を入力として使用し、それぞれのモダリティ間での相互作用を可能にするクロスアテンションとゲーテッドフュージョンを用いています。
新規性や解決した問題:
KAM-CoTは、従来の言語モデルが持つ限界を超え、多モーダルなコンテキストの中でより高度な推論を実現する点に新規性があります。具体的には、知識グラフを用いることで、ステップバイステップの推論を補助し、モデルのホールネーションを減少させることができます。また、このフレームワークは、GPT-3.5やGPT-4といった大規模言語モデルよりも少ないパラメータ(280M)で、優れた性能(平均精度93.87%)を達成しています。
未解決問題:
ノードの数を増やすことでモデルの推論能力が向上する可能性が示唆されていますが、ノードの数が増えるとパフォーマンスが飽和し、逆に低下する可能性もあると考えられます。この点については、将来的な研究でさらに検討が必要です。また、異なるモダリティやエンコーダーの影響をさらに探る実験や、異なる融合メカニズムに関する探索も今後の課題として挙げられます。
url:
https://arxiv.org/abs/2401.12863
title:
KAM-CoT: Knowledge Augmented Multimodal Chain-of-Thoughts Reasoning
authors:
Debjyoti Mondal, Suraj Modi, Subhadarshi Panda, Rituraj Singh, Godawari Sudhakar Rao
date:
23 January, 2024;
The Impact of Reasoning Step Length on Large Language Models
目的:
この研究の目的は、大規模言語モデル(LLM)の推論ステップとCoT(Chain of Thought)パフォーマンスの関係を解析し、推論ステップを増やすことでモデルのパフォーマンスが向上するかどうかを検証することです。
使用したデータや情報:
研究では、MultiArith、GSM8K、AQuA、SingleEq、SA VMP、Letter、Coin、Strategyqaという8つのデータセットを使用しました。また、モデルとしてはtext-davinci-002、GPT-3.5-turbo-1106、GPT-4を使用し、これらはOpenAI APIを通じてアクセスされました。
新規性や解決できた問題:
この研究の新規性は、推論ステップを系統的に増やすことでLLMのパフォーマンスが向上するという点を定量的に示したことにあります。特に、推論ステップを増やすことによって、複数のデータセットにわたる精度が向上しました。また、推論ステップの圧縮や自己検証プロセスの導入により、推論の質を向上させる方法を提案しました。
将来取り組むべき未解決問題:
今後の課題としては、さらに多様なデータセットや実世界のシナリオでの検証、推論ステップの最適化方法のさらなる研究、異なるタイプの質問に対するモデルの適応性の向上が挙げられます。また、推論ステップを自動で調整するアルゴリズムの開発も重要な研究領域です。
url:
https://arxiv.org/abs/2401.04925
title:
The Impact of Reasoning Step Length on Large Language Models
authors:
Mingyu Jin, Qinkai Yu, Dong Shu, Haiyan Zhao, Wenyue Hua, Yanda Meng, Yongfeng Zhang, Mengnan Du
date:
22 June, 2024;
Towards a Unified Multimodal Reasoning Framework
目的:
本研究の主な目的は、Chain-of-Thought(CoT)推論とVisual Question Answering(VQA)技術を組み合わせることによって、言語モデル(LM)の多肢選択問題における正解率を向上させることです。CoTは各選択肢に対して理論的な根拠を生成し、モデルの意思決定プロセスを論理的に説明します。VQAは、質問に答えるために画像を追加情報として使用します。これらの技術を組み合わせることで、LMの推論能力と問題解決能力を大幅に向上させることを目指しています。
使用したデータや情報:
この研究では、TextVQAとScienceQAの2つのデータセットを利用しました。TextVQAは、Open Imagesデータセットからの28,408枚の画像に基づく45,336の質問を含み、画像内のテキストについての推論と読解が必要です。ScienceQAは、小学校から高校の科学カリキュラムから収集された21,208の多モーダル多肢選択科学質問を含み、幅広い科目と豊富なドメインの多様性を提供します。
新規性や解決した問題:
本研究の新規性は、CoTとVQAを組み合わせることにより、言語モデルが単独で扱うよりも複雑な推論タスクを解決する能力が向上する点にあります。これにより、モデルの意思決定プロセスがより透明になり、その説明が可能になるため、より正確で信頼性の高いAIシステムの開発に寄与します。
未解決問題:
将来的には、CoTとVQAの技術をさらに統合し、異なる種類の質問やより複雑なデータセットに対するモデルの適用性を高める必要があります。また、これらの技術がモデルの理解力や推論力をどの程度向上させるかを定量的に評価するための方法論の開発も求められています。
url:
https://arxiv.org/abs/2312.15021
title:
Towards a Unified Multimodal Reasoning Framework
authors:
Abhinav Arun, Dipendra Singh Mal, Mehul Soni, Tomohiro Sawada
date:
22 December, 2023;
Speech Translation with Large Language Models: An Industrial Practice
目的:
この論文では、音声認識と音声翻訳の精度と効率を向上させることを目的としています。特に、音声からテキストへの翻訳プロセスを改善し、より自然で正確な翻訳を生成するための技術や方法論の開発に焦点を当てています。
使用されたデータや情報:
訓練データとして、長いスピーチやビデオから選択された先行するN文のスピーチクリップが使用されました。また、特定の論文情報を指示に追加することで、モデルが論文を理解しやすくする工夫がなされています。
新規性や解決できた問題:
この研究の新規性は、音声のプロソディ(抑揚やトーン)を考慮に入れた翻訳や、論文を活用した曖昧さの解消などが挙げられます。特に、音声の感情情報を直接取得し、それに基づいて適切な翻訳を行うことで、より自然で意図を正確に反映した翻訳が可能になりました。また、連鎖的思考指示を用いることで、複雑なタスクの処理能力が向上しています。
未解決問題:
音声の長さが不定である場合の翻訳の連続性と正確性のさらなる向上、特に長時間にわたる音声ファイルの効率的な処理と翻訳の品質保持が今後の課題として残されています。また、さまざまな言語や方言に対する対応力を高めることも重要な未解決問題です。
url:
https://arxiv.org/abs/2312.13585
title:
Speech Translation with Large Language Models: An Industrial Practice
authors:
Zhichao Huang, Rong Ye, Tom Ko, Qianqian Dong, Shanbo Cheng, Mingxuan Wang, Hang Li
date:
21 December, 2023;
Reducing Hallucinations: Enhancing VQA for Flood Disaster Damage Assessment with Visual Contexts
目的:
与えられた論文は、自然災害シナリオにおけるビジュアル・クエスチョン・アンサリング(VQA)の性能を向上させることを目的としています。具体的には、洪水災害シナリオに特化したゼロショットVQAモデル「Flood Disaster VQA with Two-Stage Prompt (VQA-TSP)」を提案し、思考過程(CoT)プロンプトのみを使用した際に発生するホールシネーション(幻覚的な誤答)問題を解決するために、視覚的コンテキストを第二段階のプロンプトに導入しています。
データや情報:
この研究では、洪水災害シナリオに関するビジュアル・クエスチョン・アンサリング(VQA)データセット「FFD-IQA」を用いています。このデータセットには2,058枚の画像と22,422の質問と答えのペアが含まれており、洪水災害に関連する様々なタイプの画像が含まれています。
新規性や解決できた問題:
この研究の新規性は、二段階のプロンプトを用いたゼロショットVQAモデルの提案と、CoTプロンプトによる思考過程におけるホールシネーション問題を視覚的コンテキストの導入によって軽減する手法の開発にあります。これにより、特にYes-Noタイプの質問に対するモデルの正答率が向上しています。
未解決問題:
将来的には、思考過程をさらに促進するための中間ステップの設計に関する研究が価値があるとされています。これにより、VQAモデルの能力をさらに向上させることが期待されます。また、モデルの限定能力による誤答の問題も引き続き解決が必要です。
url:
https://arxiv.org/abs/2312.13848
title:
Reducing Hallucinations: Enhancing VQA for Flood Disaster Damage Assessment with Visual Contexts
authors:
Yimin Sun, Chao Wang, Yan Peng
date:
21 December, 2023;
Over-Reasoning and Redundant Calculation of Large Language Models
目的:
この論文は、LLM(Large Language Models)が数学的な問題に対して冗長な計算や推論を生成する傾向にあることを明らかにし、その原因となる報酬モデルの偏りを探求することを目的としています。また、LLMが冗長な出力を生成する傾向にあることを示すデータセットGSM8K-Zeroを構築し、その問題点を詳細に分析しています。
データや情報:
この研究では、GSM8Kから派生した新しいデータセット「GSM8K-Zero」を使用しています。このデータセットは、計算を必要としない問題のみを含むように設計されており、LLMが問題に対してどのように冗長な計算を加えるかを評価するために使用されています。また、ChatGPTやGPT-4などの代表的なLLMを使用し、これらのモデルが生成する回答の冗長性と正確性を評価しています。
新規性や解決できた問題:
この研究の新規性は、LLMが生成する冗長な計算や推論の傾向を系統的に分析し、その原因として報酬モデルの偏りを指摘している点にあります。また、GSM8K-Zeroという新しいデータセットを構築し、計算を必要としない問題に対するLLMの挙動を明らかにしたことも、大きな貢献です。これにより、LLMが冗長な出力を生成する問題を解決するための基盤が築かれました。
未解決問題:
未解決問題としては、LLMがいつ冗長な計算や推論を行うべきか、またいつシンプルな回答をすべきかを判断する能力を向上させることが挙げられます。さらに、報酬モデルの設計において、正確さだけでなく、回答の簡潔さも考慮する方法を開発する必要があります。これにより、LLMの実用性がさらに向上すると期待されます。
url:
https://arxiv.org/abs/2401.11467
title:
Over-Reasoning and Redundant Calculation of Large Language Models
authors:
Cheng-Han Chiang, Hung-yi Lee
date:
20 March, 2024;
Understanding Reasoning Ability of Language Models From the Perspective of Reasoning Paths Aggregation
目的:
与えられた論文の主な目的は、言語モデルの推論能力を、推論パスの集約の観点から理解し分析することです。具体的には、言語モデルが単純な数学の文章問題を解く能力や、知識グラフ上での推論、論理ルールの学習など、さまざまなタスクにおける言語モデルの機能と限界を探求することに焦点を当てています。
データや情報:
論文で使用されたデータや情報には、数学の文章問題、知識グラフ、論理ルール、そして大規模なテキストデータベースが含まれます。これらのデータを用いて、言語モデルがどのようにして推論タスクを解決するか、またその過程でどのような推論パスが生成されるかを分析しています。
新規性や解決できた問題:
この論文の新規性は、様々なタイプの推論タスクにおいて言語モデルの推論パスを集約し分析する方法にあります。例えば、RNNLogicやNeural Bellman-Ford Networksなどの新しいアプローチを通じて、知識グラフ上での推論や、論理ルールの学習といった複雑なタスクに対する言語モデルの能力を拡張しました。また、言語モデルがどのようにして複数のステップにわたる推論を行うかを明らかにし、そのプロセスを最適化する方法を提案しています。
未解決問題:
将来取り組むべき未解決問題としては、言語モデルの推論能力のさらなる向上、特に複雑な論理的推論や抽象的思考を要するタスクにおける改善が挙げられます。また、言語モデルが生成する推論パスの透明性と解釈可能性を高めることも重要な課題です。これにより、モデルの判断基準をよりよく理解し、信頼性のある自動推論システムを構築するための基盤が築かれるでしょう。
url:
https://arxiv.org/abs/2402.03268
title:
Understanding Reasoning Ability of Language Models From the Perspective of Reasoning Paths Aggregation
authors:
Xinyi Wang, Alfonso Amayuelas, Kexun Zhang, Liangming Pan, Wenhu Chen, William Yang Wang
date:
20 June, 2024;
DCR: Divide-and-Conquer Reasoning for Multi-choice Question Answering with LLMs
目的:
与えられた論文の主な目的は、大規模言語モデル(LLM)の推論能力とプロンプトエンジニアリングの効果を評価し、特に選択肢の構成方法がモデルのパフォーマンスに与える影響を調査することです。
使用したデータや情報:
この研究では、複数のデータセット(例えばAQuA、CMSQAなど)を使用して、異なるプロンプトや選択肢リストの構成方法に基づいてモデルの精度を測定しました。さらに、不正解選択肢の数を増やすことによる精度への影響を分析するために、異なる数の選択肢を持つリストを用いた実験も行われました。
新規性や解決できた問題:
この研究の新規性は、選択肢リストの構成方法がモデルのパフォーマンスに与える影響を詳細に分析した点にあります。特に、正解の選択肢とランダムに選ばれた不正解選択肢を組み合わせる方法(List2.1やList2.2)が、全選択肢を提示する方法(List1)に比べて、大幅にパフォーマンスを向上させることが示されました。これにより、適切な選択肢リストの構成がLLMの推論精度を向上させることが示されました。
未解決問題:
今後の研究では、モデルが生成する強力な誤解答選択肢(強力なディストラクター)を特定し、排除する効果的な戦略を開発することが重要な方向性とされています。これにより、さらに精度を向上させることが期待されます。また、実世界のシナリオで正解が未知である状況で、以前の推論結果を利用して選択肢をフィルタリングする方法の実用性を探ることも、今後の課題として挙げられています。
url:
https://arxiv.org/abs/2401.05190
title:
DCR: Divide-and-Conquer Reasoning for Multi-choice Question Answering with LLMs
authors:
Zijie Meng, Yan Zhang, Zhaopeng Feng, Zuozhu Liu
date:
2 April, 2024;
BadChain: Backdoor Chain-of-Thought Prompting for Large Language Models
目的:
この研究の主な目的は、言語モデル(LLM)におけるバックドア攻撃の影響を評価し、特定のタスクでのバックドアトリガーの機能とその解釈可能性を探求することです。また、バックドアデモンストレーションの比率がモデルの挙動にどのように影響するかを調査し、トリガーの位置がクエリプロンプトに与える影響を検証しています。
使用したデータや情報:
この研究では、複数のデータセット(GSM8K、MATH、ASDiv、CSQA、StrategyQA、Letter)を使用し、それぞれのタスクにおいて様々な比率でバックドアデモンストレーションを含む実験を行いました。また、バックドアトリガーや推論ステップを含むプロンプトを用いて、モデルの応答を評価しました。さらに、バックドアトリガーの生成にはChatGPT、Llama2、PaLM2といった異なる言語モデルを利用してフレーズトリガーを取得しました。
新規性や解決できた問題:
この研究の新規性は、バックドアトリガーがLLMの出力に与える影響を系統的に評価し、特定のトリガー配置によるモデルの挙動の変化を明らかにした点にあります。また、バックドアトリガーとバックドア推論ステップの関連性を解釈することに成功し、モデルが不合理なバックドア推論ステップを除外する能力を示しました。これにより、バックドア攻撃に対するモデルの耐性を評価する手法を提供しました。
未解決問題:
将来的には、バックドア攻撃に対するより効果的な防御手法の開発が必要です。また、異なるタイプのバックドアトリガーや、より複雑な攻撃シナリオに対するモデルの耐性をさらに詳細に調査することが求められます。さらに、バックドア攻撃を検出し、無効化するための自動化されたシステムの開発も重要な課題です。
url:
https://arxiv.org/abs/2401.12242
title:
BadChain: Backdoor Chain-of-Thought Prompting for Large Language Models
authors:
Zhen Xiang, Fengqing Jiang, Zidi Xiong, Bhaskar Ramasubramanian, Radha Poovendran, Bo Li
date:
19 January, 2024;
Frugal LMs Trained to Invoke Symbolic Solvers Achieve Parameter-Efficient Arithmetic Reasoning
目的:
与えられた論文では、SYRELMという新しいシステムの設計を通じて、記号的および数値的推論の間の相乗効果を探求しています。このシステムは、中等教育で確立されているがLLMでは一般的ではない、思考の連鎖と形式的プログラムの間の橋渡しを促進することを目的としています。
使用したデータや情報:
この研究では、SV AMP、GSM8K、およびMultiArithといったデータセットを使用しています。これらのデータセットは、様々な複雑な多段階算数単語問題を含んでおり、これを解決するためにSYRELMを最適化したGPT-Jモデルを用いています。
新規性や解決できた問題:
SYRELMは、中規模の固定LMと低ランクアダプターを組み合わせることで、計算能力が限られた研究グループでも利用可能な設定を保ちながら、複雑な多段階算数単語問題の解決能力を示しています。これにより、大規模なデータにのみ依存する巨大なLLMに匹敵する能力が、より少ないリソースで達成されています。
未解決問題:
この研究では、使用した限定的なLMが言語生成と抽象的推論の能力に制限があるため、最適化されたバージョンでもいくつかの障害が発生しています。また、LoRA微調整プロセスとPPOには追加のGPU時間が必要であり、完全なゼロショット設定と比較してコストがかかります。今後は、これらの制限を克服し、さらに効率的なモデルの開発が求められています。
url:
https://arxiv.org/abs/2312.05571
title:
Frugal LMs Trained to Invoke Symbolic Solvers Achieve Parameter-Efficient Arithmetic Reasoning
authors:
Subhabrata Dutta, Joykirat Singh, Ishan Pandey, Sunny Manchanda, Soumen Chakrabarti, Tanmoy Chakraborty
date:
19 December, 2023;
Leveraging Professional Radiologists' Expertise to Enhance LLMs' Evaluation for Radiology Reports
目的:
この論文では、医療レポートの予測と原文との比較評価を行うことを目的としています。具体的には、AIによって生成された予測レポートの正確性を評価し、臨床現場での使用に耐えうるかどうかを検証することが求められています。
使用されたデータや情報:
評価には、放射線学的研究から導かれた患者の状態に関する確認済みの正確な情報を含む原文レポートと、別のモデルによって生成された予測レポートが用いられています。これらのレポートは、患者の健康に関する複数の観察ポイントを含んでおり、それぞれのポイントが詳細に評価されます。
新規性や解決できた問題:
この論文の新規性は、AIによる医療レポート生成の評価方法を体系的に構築し、臨床的な正確性や関連性を詳細に評価する点にあります。AIが生成した情報の臨床的な影響を評価し、誤情報が治療決定に与える潜在的な害を考慮に入れることで、AIツールの精度を向上させることができる問題を解決しています。
未解決問題:
AIによる予測レポートが原文レポートと完全に一致しない場合の評価方法のさらなる改善、AIが未だにカバーしていない医療状態や症状に対する予測の精度向上、さらにはAIレポートの臨床現場での実用性を高めるための継続的な検証が必要です。
url:
https://arxiv.org/abs/2401.16578
title:
Leveraging Professional Radiologists' Expertise to Enhance LLMs' Evaluation for Radiology Reports
authors:
Qingqing Zhu, Xiuying Chen, Qiao Jin, Benjamin Hou, Tejas Sudharshan Mathai, Pritam Mukherjee, Xin Gao, Ronald M Summers, Zhiyong Lu
date:
16 February, 2024;
Fewer is More: Boosting LLM Reasoning with Reinforced Context Pruning
目的:
与えられた論文では、自然言語処理(NLP)と機械学習の分野における大規模言語モデル(LLM)の数学推論能力を向上させることが主な目的です。特に、数学問題を解く際に必要な推論ステップ(CoT: Chain of Thought)を効果的に活用し、モデルのパフォーマンスを向上させる手法について研究しています。
データや情報:
論文で使用されたデータや情報には、数学問題を集めたデータセット(GSM8Kなど)や、それに対するモデルの回答が含まれます。また、LLaMA2という大規模言語モデルを用いて、異なる設定(Zero-shot, Few-shotなど)での実験が行われています。
新規性や解決できた問題:
この研究の新規性は、CoT-Influxという新しい手法を提案している点にあります。この手法は、数学問題を解く際にモデルが生成する推論ステップを最適化し、より多くの情報を含む少数のプロンプトを用いることで、モデルの数学推論能力を大幅に向上させることができました。具体的には、少数の例示(CoT shots)を用いても、大規模モデルと比較して高いパフォーマンスを達成しています。
未解決問題:
未解決問題としては、生成された推論ステップの質をさらに向上させる方法、異なる種類の数学問題に対する適応性の向上、モデルの一般化能力を高めるための研究が挙げられます。また、CoT-Influx手法を他の言語モデルや異なるタスクに適用することの可能性についても検討する必要があります。
url:
https://arxiv.org/abs/2312.08901
title:
Fewer is More: Boosting LLM Reasoning with Reinforced Context Pruning
authors:
Xijie Huang, Li Lyna Zhang, Kwang-Ting Cheng, Fan Yang, Mao Yang
date:
15 February, 2024;
Multi-modal Latent Space Learning for Chain-of-Thought Reasoning in Language Models
目的:
この論文では、マルチモーダル情報を効果的に活用し、言語モデルが論理的な根拠を生成し、回答を推論することを目指しています。具体的には、マルチモーダルチェーン・オブ・ソート(CoT)推論を強化するための拡散プロセスを活用した新しい手法、DPMM-CoT(Diffusion Process enhanced Multi-Modal CoT)を提案しています。
使用したデータや情報:
この研究では、複数のデータセットが使用されています。具体的には、ScienceQAデータセットと、Flickr30Kデータセットを拡張したMulti-modal Translation Datasetが使用されています。これらのデータセットには、質問、選択肢、正解、論文、そして画像などが含まれており、マルチモーダルな情報を含む問題を解決するために利用されています。
新規性や解決できた問題:
この研究の新規性は、拡散プロセスを用いてマルチモーダルな情報を統合し、チェーン・オブ・ソート推論を強化する方法を提案した点にあります。DPMM-CoTモデルは、画像とテキストの情報を効果的に融合し、より精度の高い推論を実現しています。また、マルチモーダルタスクにおいて、従来のモデルよりも高い精度を達成しており、特にScienceQAベンチマークでの人間を超えるパフォーマンスが示されています。
未解決問題:
今後の課題としては、さらに多様なマルチモーダルタスクへの適用や、モデルの一般化能力の向上が挙げられます。また、モデルの解釈可能性や、異なる種類のデータに対する適応性を高めるための研究も必要です。さらに、マルチモーダル情報のさらなる統合方法や、モデルの学習効率の向上も重要な研究テーマです。
url:
https://arxiv.org/abs/2312.08762
title:
Multi-modal Latent Space Learning for Chain-of-Thought Reasoning in Language Models
authors:
Liqi He, Zuchao Li, Xiantao Cai, Ping Wang
date:
14 December, 2023;
xCoT: Cross-lingual Instruction Tuning for Cross-lingual Chain-of-Thought Reasoning
目的:
与えられた論文では、多言語間での知識の伝達と、低リソース言語の性能向上を目指しています。具体的には、大規模言語モデル(LLM)を使用して、高リソース言語から低リソース言語への知識の転移を促進するための手法(XCOT)を提案しています。
使用データ・情報:
論文では、多言語のベンチマークデータセット(MGSMとMSV AMP)を用いています。これには11言語と10言語が含まれており、クロスリンガルな状況でのモデルの性能を評価するために使用されています。また、ランダムオンラインCoT戦略やクロスリンガル蒸留などの手法を使用して、データの多言語間での一貫性を高めています。
新規性と解決した問題:
この研究の新規性は、クロスリンガル・インコンテキスト・ラーニング(xICL)とランダムオンラインCoT戦略を組み合わせることで、多言語間のアライメントと推論能力を強化し、特に低リソース言語の性能向上に貢献している点です。これにより、言語間のギャップを縮小し、多言語モデルの有効性を示しています。
未解決問題:
将来的には、さらに多くの低リソース言語をサポートするための拡張や、異なる言語間での知識転移の効率をさらに向上させる方法の開発が求められています。また、異なる言語の文化的・論文的差異をより深く理解し、それをモデルに組み込むことも重要な課題です。
url:
https://arxiv.org/abs/2401.07037
title:
xCoT: Cross-lingual Instruction Tuning for Cross-lingual Chain-of-Thought Reasoning
authors:
Linzheng Chai, Jian Yang, Tao Sun, Hongcheng Guo, Jiaheng Liu, Bing Wang, Xiannian Liang, Jiaqi Bai, Tongliang Li, Qiyao Peng, Zhoujun Li
date:
13 January, 2024;
Know Your Needs Better: Towards Structured Understanding of Marketer Demands with Analogical Reasoning Augmented LLMs
目的:
この論文は、マーケティング要求を自然言語から構造化された形式(SELL:Structured and Editable Logical Language)に変換するシステムの開発に焦点を当てています。これにより、マーケターが自分の要求を簡単に入力し、ターゲットユーザーを効率的に特定できるようにすることが目的です。
使用したデータや情報:
この研究では、大規模言語モデル(LLM)を活用して、マーケティング要求を解析し、それに基づいて合理的な論理表現を生成します。具体的には、GPT-3.5やその他の言語モデルを用いて、自然言語のマーケティング要求から構造化されたSELL表現を生成するためのトレーニングデータとして、約10,000件のマーケティング要求を収集し使用しています。
新規性や解決できた問題:
従来のマーケティングターゲティングシステムは、マーケターの要求を解析し適切に構造化する能力に限界がありました。本研究によって開発されたシステムは、自然言語の入力から直接、ターゲットユーザーを特定するための論理表現を自動生成できる点で新規性があります。これにより、マーケターは自分の要求に即したターゲットユーザーを迅速に特定できるようになり、マーケティングの効率が大幅に向上します。
未解決問題:
このシステムはまだ完全には最適化されておらず、特に複雑なマーケティング要求に対する解析精度の向上が必要です。また、異なる言語や文化に基づいた要求の解析能力の向上も今後の課題として挙げられます。さらに、システムのスケーラビリティや汎用性を高めるための研究も必要です。
url:
https://arxiv.org/abs/2401.04319
title:
Know Your Needs Better: Towards Structured Understanding of Marketer Demands with Analogical Reasoning Augmented LLMs
authors:
Junjie Wang, Dan Yang, Binbin Hu, Yue Shen, Wen Zhang, Jinjie Gu
date:
11 June, 2024;
Evidence to Generate (E2G): A Single-agent Two-step Prompting for Context Grounded and Retrieval Augmented Reasoning
目的:
この論文では、論文認識型および検索拡張型推論のためのプロンプトフレームワークの限界を探求し、根拠に基づく合理的な推論を生成する新しいフレームワーク「Evidence to Generate (E2G)」を提案しています。主な目的は、大規模言語モデル(LLM)がより信頼性が高く、正確で堅牢な推論を行うことを可能にすることです。
使用データ・情報:
この研究では、複数のベンチマークデータセットを使用しています。具体的には、FEVERデータセット、Natural Questions (NQ)、TriviaQA (TQA)、Wizard of Wikipedia (WoW)、および「Explain Like I’m Five」(ELI5)データセットが使用されています。これらのデータセットを用いて、論文に基づく質問応答、事実検証、オープンドメインの質問応答など、さまざまなタスクでモデルのパフォーマンスを評価しています。
新規性・解決した問題:
E2Gフレームワークは、論文内の「根拠」となる情報を明示的に識別し、それを用いて回答を生成することで、従来のプロンプトフレームワークが抱える根拠のない推論や幻覚生成の問題を解決しています。これにより、LLMがより信頼性と正確性を持って推論することが可能になります。また、0-shotの指示のみでのプロンプト技術を用いて、事前学習されたモデルをそのまま使用することなく、新しいタスクに適応させるアプローチを採用しています。
未解決問題:
この研究では、特定のデータドメイン(例えば、生物医学分野)や低リソース言語でのパフォーマンスの向上、検索精度が異なる場合のRAGタスクのパフォーマンス変動、非常に長い形式の出力の生成における課題など、いくつかの制限が指摘されています。これらの問題に対処するために、モデルのファインチューニングやドメイン適応、さらなるアブレーション研究が必要です。また、論文フィルタリングやモデルのプロンプト設計の改善も今後の課題として挙げられています。
url:
https://arxiv.org/abs/2401.05787
title:
Evidence to Generate (E2G): A Single-agent Two-step Prompting for Context Grounded and Retrieval Augmented Reasoning
authors:
Md Rizwan Parvez
date:
11 January, 2024;
Get an A in Math: Progressive Rectification Prompting
目的:
この論文では、大規模言語モデルを用いた数学の文章問題(Math Word Problems, MWP)の解決方法に焦点を当てています。特に、言語モデルがどのようにして論理的な推論を行い、数学的問題を解決するかを探求しています。
使用したデータや情報:
様々な数学の文章問題データセットが使用されています。これには、AddSub, MultiArith, SVAMP, GSM8K, SingleEq, SingleOp, GSM-IC2-1K, GSM-ICM-1Kなどが含まれます。これらのデータセットは、問題の複雑さや、含まれる不要な論文の有無などによって異なります。
新規性や解決できた問題:
PRP(Progressive Rectifying Prompting)という新しい手法が導入されており、これにより、言語モデルが生成した回答を段階的に修正し、最終的な正確な回答を導き出すことができます。この手法は、従来のゼロショットやフューショットの手法と比べて、高い精度で数学の文章問題を解決できることが示されています。
未解決問題:
PRP手法は、特定の種類の数学問題に対しては高い効果を示していますが、全てのタイプの問題に対して同様に効果的であるかどうかは未だ明らかではありません。また、より複雑な数学問題や、実世界のデータを含む問題への適用可能性も、今後の研究課題として残されています。
url:
https://arxiv.org/abs/2312.06867
title:
Get an A in Math: Progressive Rectification Prompting
authors:
Zhenyu Wu, Meng Jiang, Chao Shen
date:
11 December, 2023;
Large Language Models are Clinical Reasoners: Reasoning-Aware Diagnosis Framework with Prompt-Generated Rationales
目的:
この研究の主な目的は、臨床診断における臨床推論の欠如を対象とした推論対応診断フレームワークを提示することです。特に、大規模言語モデル(LLMs)を用いて、プロンプトベースの学習を通じて臨床診断における推論能力を探求し、臨床領域における将来のLLMベースの研究の有用性を支持することを目指しています。
使用されたデータや情報:
この研究では、患者の記述、MRIスキャン結果、Mini-mental State Examination (MMSE) スコア、APOE4遺伝子の有無など、複数の臨床データを用いています。これらのデータを基に、患者の認知症状や脳の萎縮状態を詳細に分析し、医療的根拠を生成しています。
新規性や解決できた問題:
従来のデータ駆動型アプローチでは、特定の特徴がすべてのシナリオで重要かどうかを注釈することは困難でしたが、この研究によって導入された推論対応診断フレームワークは、人間の放射線技師のメカニズムを模倣する根拠を提供することで、この問題を解決します。また、大規模言語モデルを用いた推論生成の能力を示すことで、臨床診断における言語モデルの有効性を新たに示しました。
未解決の問題:
この研究では、LLMsが臨床データと推論をどのように結びつけて解釈するかに焦点を当てていますが、具体的な臨床環境での実装や、さまざまなタイプの疾患に対する適用性の拡大など、実際の臨床現場での応用に向けたさらなる研究が必要です。また、モデルの解釈可能性や透明性をさらに向上させる方法についても、今後の課題として残されています。
url:
https://arxiv.org/abs/2312.07399
title:
Large Language Models are Clinical Reasoners: Reasoning-Aware Diagnosis Framework with Prompt-Generated Rationales
authors:
Taeyoon Kwon, Kai Tzu-iunn Ong, Dongjin Kang, Seungjun Moon, Jeong Ryong Lee, Dosik Hwang, Yongsik Sim, Beomseok Sohn, Dongha Lee, Jinyoung Yeo
date:
10 May, 2024;
Moderating New Waves of Online Hate with Chain-of-Thought Reasoning in Large Language Models
目的:
この研究の主な目的は、オンライン上での新たなヘイトスピーチの波を理解し、それらがどのように発生し、どのようなイベントがそれを引き起こすかを特定することです。また、これらの新たなヘイトスピーチの波を検出し、適切に対応するためのフレームワークを開発することも目的としています。
使用されたデータや情報:
この研究では、特定のハッシュタグを使用して収集されたツイートのデータセットを使用しました。これには、COVID-19関連、米国議会議事堂の暴動関連、ロシアのウクライナ侵攻関連のツイートが含まれています。また、ヘイトスピーチを識別するためのアルゴリズムや、新たなヘイトスピーチの波を検出するためのフレームワークの開発にも取り組んでいます。
新規性や解決できた問題:
この研究の新規性は、オンラインでのヘイトスピーチの新たな波を特定し、それに対応するための具体的な手法を提案している点にあります。具体的には、新たなヘイトスピーチの波を検出するためのプロンプト生成や更新の自動化、そして少数のサンプルから迅速にフレームワークを更新する能力を持つことが挙げられます。これにより、新たなヘイトスピーチの波に対して迅速かつ効果的に対応することが可能になります。
未解決問題:
将来取り組むべき未解決問題としては、異なる言語や文化に対応するためのフレームワークの適応性を高めること、さらに多様なソーシャルメディアプラットフォームに対応するための方法を拡張することが挙げられます。また、ヘイトスピーチの自動検出技術の精度を向上させるための研究も必要です。
url:
https://arxiv.org/abs/2312.15099
title:
Moderating New Waves of Online Hate with Chain-of-Thought Reasoning in Large Language Models
authors:
Nishant Vishwamitra, Keyan Guo, Farhan Tajwar Romit, Isabelle Ondracek, Long Cheng, Ziming Zhao, Hongxin Hu
date:
10 May, 2024;
Large Language Models Can Learn Temporal Reasoning
目的:
与えられた論文は、大規模言語モデルを用いて時間的推論の能力を評価し、向上させることを目的としています。具体的には、時間的知識グラフ上での推論、問題解決、事象の順序付け、持続時間の推定など、様々な時間的関係を理解し解析することが目標です。
使用したデータや情報:
この研究では、時間的知識グラフ(Temporal Knowledge Graph)、自然言語で書かれたストーリー、そしてそれに基づいた質問と回答のセットを用いています。具体的には、YAGO11kという大規模な時間的知識グラフをサブグラフに分割し、それぞれのグラフに基づいてGPT-3.5を使用してストーリーを生成しました。さらに、ルールベースのスクリプトを用いて様々なタイプの時間的推論を評価する質問と回答を生成しています。
新規性や解決できた問題:
この研究の新規性は、大規模言語モデルを活用して、時間的知識グラフから直接物語を生成し、それに基づいて時間的推論の問題を解くことができる点にあります。また、時間的イベントの開始と終了を明確に区別することで、モデルがイベントの持続時間を正確に把握しやすくなるという問題を解決しました。さらに、半自動的な検証方法を導入することで、生成されたストーリーとグラフの間のミスアラインメントから生じるノイズを減らすことができました。
未解決問題:
今後取り組むべき未解決問題としては、より複雑な時間的関係や、より自然なストーリー生成のための改善が必要です。また、言語モデルが生成する回答の正確性をさらに向上させるための方法の開発も求められています。さらに、より大規模なデータセットや、異なる種類の時間的知識グラフを用いた検証も重要です。
url:
https://arxiv.org/abs/2401.06853
title:
Large Language Models Can Learn Temporal Reasoning
authors:
Siheng Xiong, Ali Payani, Ramana Kompella, Faramarz Fekri
date:
10 June, 2024;
Towards AI-Assisted Synthesis of Verified Dafny Methods
目的:
この論文では、Dafnyプログラミング言語を用いて、特定のプログラミングタスクに対するメソッドの仕様と実装を生成するための効果的なプロンプト設計方法を探求することが目的です。特に、Few-Shot PromptingやChain of Thought (CoT) Promptingといった手法を用いて、訓練データに少なくカバーされている問題に対しても、適切なプログラムを生成できるようにすることが狙いです。
使用されたデータや情報:
この研究では、Dafnyのメソッド仕様を生成するために、MBPP-DFY-50データセットが使用されました。また、プロンプト生成には、Large Language Models(大規模言語モデル)が利用されており、プロンプトチェーンやモデルカスケードといった技術が活用されています。具体的なタスクの例としては、文字列を大文字に変換するメソッドや、文字列内の最大の大文字の連続を見つけるメソッドなどが挙げられます。
新規性や解決できた問題:
この研究の新規性は、特にDafny言語において、プロンプト設計を通じて正確な仕様と実装を生成する手法を開発した点にあります。また、Few-Shot PromptingやCoT Promptingを用いることで、限られた例からでも適切なプログラムを生成できる能力を示しました。これにより、訓練データに少なくカバーされている問題でも、効果的に対応可能という問題を解決しています。
未解決問題:
将来的には、さらに多様なプログラミング言語や、より複雑なプログラミングタスクに対しても、同様のアプローチを適用し効果を検証する必要があります。また、生成されたプログラムの効率性や実行時のパフォーマンスに関する評価も行うことが挙げられます。さらに、プロンプト設計の自動化や最適化を進めることも、今後の課題として残されています。
url:
https://arxiv.org/abs/2402.00247
title:
Towards AI-Assisted Synthesis of Verified Dafny Methods
authors:
Md Rakib Hossain Misu, Cristina V. Lopes, Iris Ma, James Noble
date:
10 June, 2024;
MolTC: Towards Molecular Relational Modeling In Language Models
目的:
与えられた論文では、大規模言語モデル(LLM)を用いて、薬物間の相互作用や化学反応の予測、グラフニューラルネットワーク(GNN)の説明可能性の向上、分子の特性予測など、化学および生物学における様々な課題に対処することを目的としています。特に、薬物-薬物相互作用(DDI)や溶媒化自由エネルギーの予測、タンパク質-タンパク質相互作用の予測など、具体的な化学的・生物学的プロセスに焦点を当てています。
使用データ・情報:
この論文では、SMILES表記やグラフ埋め込み(GraEmb)などの化学構造データ、大規模言語モデル(LLM)、グラフニューラルネットワーク(GNN)、自己教師あり学習、ファインチューニング戦略、パラメータ効率の良いメソッド(LoRAなど)を用いています。また、化学反応の論文や溶媒の影響を考慮したデータセットも使用されています。
新規性と解決した問題:
この論文の新規性は、複数のモデルと学習戦略を組み合わせることにより、より正確で信頼性の高い化学物質の相互作用や反応の予測が可能になる点にあります。特に、Fine-tuning段階での段階的な数値精緻化プロセス(CoT概念)、役割と入力順序に基づく特徴抽出の適応的な優先順位付けが挙げられます。これにより、化学反応の予測や薬物相互作用の分析が改善されました。
未解決問題:
未解決問題としては、LLMの定量的分析における不確実性のさらなる削減、複雑な分子間相互作用の論文でのモデルの一般化能力の向上、実験データとの統合による予測精度の向上などが挙げられます。また、異なる化学的環境や生物学的条件下でのモデルの適応性やロバスト性を高めるための研究も必要です。
url:
https://arxiv.org/abs/2402.03781
title:
MolTC: Towards Molecular Relational Modeling In Language Models
authors:
Junfeng Fang, Shuai Zhang, Chang Wu, Zhengyi Yang, Zhiyuan Liu, Sihang Li, Kun Wang, Wenjie Du, Xiang Wang
date:
10 June, 2024;
The Benefits of a Concise Chain of Thought on Problem-Solving in Large Language Models
目的:
この論文の主な目的は、大規模言語モデル(LLM)における問題解決能力と応答の長さに対する「簡潔な思考の連鎖(CCoT)」プロンプトの影響を評価することです。具体的には、標準的な思考の連鎖(CoT)プロンプトとCCoTプロンプトを比較し、簡潔性が応答の長さと正解率にどのような影響を与えるかを検証しています。
使用したデータや情報:
研究では、様々な問題領域と難易度レベルをカバーする複数のベンチマークから選ばれた多肢選択問題(MCQA)を含むデータセットを使用しました。具体的には、ARC、AGIEval、HellaSwag、MedMCQAなどのベンチマークから問題が選ばれ、それらを標準的なデータ形式に前処理して、合計1000問のMCQA問題セットを作成しました。
新規性や解決した問題:
この研究の新規性は、LLMにおける簡潔なプロンプト技術(CCoT)を導入し、それが問題解決性能と応答の長さに与える影響を系統的に評価した点にあります。研究結果として、CCoTは応答の長さを平均で約48.70%削減しつつ、問題解決性能にはほとんど影響を与えないことが明らかになりました。ただし、数学問題ではCCoTを使用した場合に性能が低下するという問題点も指摘されています。
未解決問題:
未解決問題としては、CCoTが数学問題における性能低下の原因を明らかにし、この問題を解決する方法を見つけることが挙げられます。また、どのようなトークンや思考の連鎖の側面がLLMの問題解決性能に必要であるか、どれが余分なのかを特定することも今後の課題として残されています。これらの問題に対する解決策を見つけることで、より効率的でコスト効果の高いLLMの使用が可能になるでしょう。
url:
https://arxiv.org/abs/2401.05618
title:
The Benefits of a Concise Chain of Thought on Problem-Solving in Large Language Models
authors:
Matthew Renze, Erhan Guven
date:
10 January, 2024;
Enhancing Ethical Explanations of Large Language Models through Iterative Symbolic Refinement
目的:
与えられた論文では、人工知能が道徳的判断を行うための様々なアプローチを探求し、それらを評価することを目的としています。特に、自然言語処理技術と論理推論を組み合わせた新しい方法論を提案し、道徳的な問題に対するAIの理解と対応能力を向上させることを目指しています。
使用データ・情報:
この論文では、自然言語の文や道徳的なジレンマを含むシナリオ、道徳的基盤に関する規範、そして論理的な推論を行うための知識ベースが使用されています。また、自然言語の文をプロローグ形式に変換するためのルールや、事例ベースの推論を行うための事例も用いられています。
新規性と解決した問題:
与えられた論文の新規性は、自然言語処理と論理推論を組み合わせることにより、AIがより複雑な道徳的判断を行えるようにする点にあります。具体的には、自然言語の文から論理形式への変換、論理推論を用いた仮説の構築、そしてその仮説に基づいた道徳的判断の導出が可能になりました。これにより、AIが人間の道徳的価値観に基づいた判断を模倣し、理解する能力が向上しました。
未解決問題:
将来取り組むべき未解決問題としては、より広範なシナリオや複雑な道徳的ジレンマに対応できるよう、AIの推論能力と知識ベースをさらに拡張することが挙げられます。また、異なる文化や個人の価値観に基づいた道徳的判断をどのように取り扱うかという問題も残されています。これらの問題に対処するためには、多様なデータの収集と分析、AIモデルのさらなる調整が必要とされます。
url:
https://arxiv.org/abs/2402.00745
title:
Enhancing Ethical Explanations of Large Language Models through Iterative Symbolic Refinement
authors:
Xin Quan, Marco Valentino, Louise A. Dennis, André Freitas
date:
1 February, 2024;
Distilling Mathematical Reasoning Capabilities into Small Language Models
目的:
与えられた論文の中で、様々な研究論文が引用されており、これらの研究は主に大規模言語モデルの理解、生成、および改善に関連しています。特に、言語モデルの能力を拡張し、特定のタスクや問題解決能力を向上させる方法に焦点を当てています。
データや情報:
これらの研究では、様々な種類のデータセットが用いられています。例えば、数学問題を解決するためのデータセット、プログラムコードを理解・生成するためのデータセット、自然言語処理タスクを解決するための標準的な言語データセットなどがあります。これらのデータを用いて、モデルのトレーニングや評価が行われています。
新規性や解決できた問題:
新規性としては、特定のドメインにおける言語モデルのパフォーマンスを向上させるための新しいアプローチやアルゴリズムの開発が挙げられます。例えば、数学的推論を強化するためのトレーニング手法や、コード生成に特化したモデルの開発などが含まれます。これにより、言語モデルがより複雑な問題を解決できるようになるという問題が解決されています。
未解決問題:
未解決問題としては、言語モデルの一般化能力と解釈可能性の向上が挙げられます。モデルが特定のタスクには強いが、未知のタスクやドメインに対しては脆弱であるという問題が残っています。また、モデルの判断根拠を明確にするための解釈可能性の向上も重要な課題です。これらの問題に対処することで、より実用的で信頼性の高い言語モデルの開発が可能になります。
url:
https://arxiv.org/abs/2401.11864
title:
Distilling Mathematical Reasoning Capabilities into Small Language Models
authors:
Xunyu Zhu, Jian Li, Yong Liu, Can Ma, Weiping Wang
date:
1 August, 2024;
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?