Contrastive learning in protein language space predicts interactions between drugs and protein targets
https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2220778120
1. 本研究の学術的背景、研究課題の核心をなす学術的「問い」は何ですか?
新しい薬剤の開発には、特定のタンパク質を標的にして、そのタンパク質との相互作用を抑制する分子を探し出す必要があります。従来、このような分子を探し出すための実験手法が用いられてきましたが、費用や時間がかかります。本研究が解決する問いは、「高速なコンピューター予測モデルを用いて、その分子がどのようなタンパク質を標的にするかを予測することができるか」という点です。
2. 本研究の目的及び学術的独自性と創造性は何ですか?
本研究では、既存の手法では不可能だった高速で高精度な薬剤-タンパク質相互作用予測モデルを提案しています。それにより、薬剤開発効率を大幅に向上することができます。特に、予測モデルの高速化に成功していることが、本研究の学術的独自性と創造性であると言えます。
3. 本研究の着想に至った経緯や、関連する国内外の研究動向と本研究の位置づけは何ですか?
薬剤開発支援においては既に多数の手法が提案されていますが、個々のターゲットに応じた高速で高精度な予測モデルの構築は未解決の問題であったため、本研究が行われました。
4. 本研究で何をどのように、どこまで明らかにした?
本研究では、予測モデルを構築するために、深層学習技術を用いてプロテインの言語モデルを事前に学習させた上で、既存の手法よりも高速で正確な薬剤-タンパク質相互作用予測モデルを構築しました。このモデルは、実験で検証した19のキナーゼ-薬物相互作用予測のうち、12件を正しく予測し、薬剤開発において高い有用性を示していることを明らかにしました。
5. 本研究の有効性はどのように検証した?
本研究では、様々なタイプのターゲットに対して高精度な予測値が得られることを実験により示し、予測値が実際のキナーゼ-薬物相互作用予測と一致することを検証しました。また、モデルによる予測結果が実験的検証を経て実用性を示しており、本研究の有効性が高いことを示しました。