見出し画像

Development of an integrated and inferenceable RDF database of glycan, pathogen and disease resources

  1. 本研究の学術的背景と核心となる「問い」は、ウィルスや病原体の感染における糖鎖の極めて重要な役割を注視し、それらと関連する病気についてのデータが十分に整理されていない状況に対し、どのように糖鎖とウィルスの相互作用のデータを効果的に発見し、意味的に統合するための基盤を構築できるかという問いです。つまり「セマンティックウェブ技術を用いて、異質なデータの意味的統合を可能にし、ウィルスと糖鎖の相互作用についてのデータを発見するための基盤をどう構築するか?」が本研究の中心的な問いとなります。

  2. 本研究の目的は、ウィルスと糖鎖の相互作用データを発見するためのセマンティックウェブ技術を用いた基盤を創出することです。学術的な独自性と創造性は、ウィルスと糖鎖の相互作用のセマンティクスをカプセル化するための新たなオントロジーを作成し、非RDF関連データベースから取得したデータおよび文献に関連するデータを表現するためのRDF(Resource Description Framework)を利用した点にあります。

  3. SARS-CoV-2ウィルスなどの現実のケースを見て、糖鎖がウィルスや病原体の感染に重要な役割を果たしていることが明らかになったものの、そのデータの整理やアクセシビリティは未だに課題となっています。そこで、本研究ではセマンティックウェブ技術を用いて、ウィルスと糖鎖の相互作用に関するデータを統合し発見するための新たな基盤を構築しました。

  4. 本研究では、ウィルスと糖鎖の相互作用の意味をカプセル化するための新たなオントロジーを作成しました。さらに、非RDF関連のデータベース(PubChem、SugarBind、PSICQUIC)から取得したデータや文献関連データをRDF形式で表現しました。これにより、UniProtやGlyTouCanなどの他のRDFリソースを参照することが可能になりました。SPARQLを用いて検索が可能な公開データとしてこれらのデータを公開し、この研究で作成したRDFリソースはGlyCosmos Portalで利用可能にしました。

  5. 本研究の有効性の検証方法については明確に示されていません。ただし、提供された公開データとサービス、およびGlyCosmos Portalで使用可能なRDFリソースの存在は、その有効性を部分的に示していると言えます。

いいなと思ったら応援しよう!