今週のONE PIECEについて
ONE PIECE。未だ完結しないにもかかわらず史上最高の少年漫画との呼び声も高い作品である。
僕も定期的に最新話まで一気見するというスタイルでどうにか追っかけているのだが、今週のお話(1044話)を見ての感想を述べるとする。
前置きとしてONE PIECEは好きな作品である。がしかし、今回の話は正直に言って熱が冷めてしまうような内容であった。
というわけでネタバレも含むから、この先を読むのは要注意。
まず「ゴムゴムの実」とされていた実が「ヒトヒトの実 幻獣種 モデル ’ニカ’」だったことについて。実の種類が本当は違うのではないかという考察は多くの人が行っていたが、それが結果として当たったという形になった。よくある(と言ったら失礼だが)展開であるから受け入れられないとは思わないが、僕が気に食わないのは「じゃあヒトヒトの実って全部神じゃん、最強じゃん」みたいな展開になってくることだ。
そもそも幻獣種の定義が曖昧である。神であれば何でもええやろというような魂胆が見て取れるのだ。僕はここに一定の規則を設けていた方が作品としての精度が数段上がるのではないかと思うのだ。
例を出そう。「ジョジョの奇妙な冒険」では、第三部「スターダストクルセイダース」の敵役は「タロットカード」と「エジプト9栄神」をテーマとしたスタンド使いが立ちはだかる。このように、作中に登場する神の数を絞り込み、ONE PIECEという作品においては今仮にヒトヒトの実がすべて神を内包するものだとしたら、実の数を制限すべきではないかと思うのだ。そこには一定の規則性があった方が軽々しく神が出てこない分、神という存在の希少性が高まる。センゴクの大仏も神だとすれば、ここから出てくるヒトヒトの実はほぼ神を内包しており、もはや神のバーゲンセールではないか。ヒトヒトの実がすべて神モデルかということと、わんさかあるのかといわれると正直分からないが。
何が言いたいかというと規則性を持たせてほしい、ということ。知っている神様集めてオールスター感謝祭や!なんて漫画にはなってほしくはない(なんかそんな漫画、あったな、、、)。出すとしても、例えばだが、一つの神話のみに例をとってというような形にしてほしかったのである。それとヒトヒトの実、モデル神様系の人たちが今後無双しないようになにか対抗策を講じてほしい。ヒトヒトの実食べてないと人権ねえから!ってなると一気に冷めるだろう。
そしてもう一つ。ギア”5”の戦い方についてである。
作中ではカイドウの攻撃を「あはははは!!」なんて笑いながら跳ね飛ばしていたが、正直見るに堪えない戦い方である。
おそらくニカ=ジョイボーイで、笑顔をもたらすものとしての戦い方なのであろう、トムとジェリーのようなカートゥーンチックな戦い方であるが、僕は戦闘においてにへらにへらしながら戦うルフィの姿を見たくなかった。
しかし戦闘中における笑みをすべては否定しない。ここから戦況が変わるぜ、、、みたいに、大胆不敵に笑う姿はとても好きだ。
例えばルフィVSロブ・ルッチの時のギア”3”初登場のシーン。この時のルフィの笑みは「まだ奥の手がある、、、やってやるぜ!」といった決意を感じられて好きなのだが、今回のギア”5”はずーっとにやにやしておりギャグマンガのような雰囲気で戦闘が続く。これが非常に気に食わない。
作者の尾田先生は「ふざけた能力だ」と言っていた「ゴムゴムの実」の能力。一見、体が伸びるだけの対して強くもない実の力を使って強敵をなぎ倒していくのが僕は好きだった。そこには多少のギャグ的な技もあったが、今回は技のギャグ度以上にカイドウという四皇、超強敵に対してにやつきながら戦う姿勢から、相手に対する怒りや、読者の感じる相手の強さが全く伝わってこない。これはいい意味でカイドウを倒せる!ともとれるが、やはり僕は強敵に苦労しながら、苦しい顔を見せながら、でも最後には今までの努力や友情によって難敵を撃破してきたこれまでのルフィを見たいと思ってしまった。
今回の話(1044話)まででは、不明な部分が多い。今後もONE PIECEは読み続けるだろうが、これまでのようなわくわく感は正直に言って薄れてしまった。シャンクスが腕を一本失ったのも、ゴムゴムの実が神の力を宿しているから助けたのであってルフィを助けるのは正直二の次だったのではないか、とか、じゃあチョッパーも神じゃね?てなったりして、かなり冷めた目になってしまった。大好きな作品だからこその批判である。
*個人の感想です。これって私の感想ですよね?
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