自分の生き方に影響を与えたハンドボール選手への愛と感謝を語ろう。
正確には昨シーズンをもって現役を引退されたため、選手ではなくなってしまった。けれど、僕にとってはこのテーマならやっぱり書いておきたい永遠のスター選手である。
今シーズンがまだ始まっていないから、ぎりぎりセーフということでいいですよね。
銘苅淳選手
ハンドボーラーなら知らない人はいないだろう。
それなのにここであえて記事にしたのは、ハンドボーラーでない人にもぜひ知ってもらいたい選手だからだ。
ちなみに僕は彼と同い年だ。
ボディコンタクトの激しいハンドボールにおいても、彼ほどストイックな姿勢で身体作りに取り組んだ選手は多くないだろう。
中高生には、筋トレやれ、と百回言うよりも、たった一度彼の身体を見せる方が効果的。百聞は一見に如かず。説得力のある筋肉。
…当然、僕にはない。脂肪ならある。
ハンガリーのトップリーグで得点王に輝き、日本人選手が海外でプレーする可能性を広げた選手である。野球で言えば野茂英雄、サッカーで言えば中田英寿、漢文学で言えば諸橋轍次といったところだろう。
…それに引きかえ、僕はほぼ日本から出たことがない。何なら寒い日に布団から出るのもあまり得意ではない。
フィジカルを活かした得点力やハンドボールIQの高い牽制DFももちろんだが、ルーズボールに飛び込み身を挺してマイボールにする泥臭い姿勢は、彼の代名詞とも言える魅力的なプレーだ。
…僕は「ルーズボールはお先にどうぞ」というプレースタイルである。痛いのは勘弁してください。
プレーのみならず、ハンドボールを文化にするために、全国各地で講習会を開いている。その情熱的なトークは、聴く人のハートに火をつける。
…僕の喋り方はかなり彼の影響を受けている。
僕はいちファンだったのだが、縁あってチームの指導に来ていただくことができた。いろいろと無理を言って、その後、何度もチームの指導にお招きした。
銘苅淳日めくりカレンダーを飾った。DVDを参考にしてトレーニングを考えた。壁にぶつかったときに相談した。普及の取り組みを助けてもらった。コロナ休校の選手にメッセージを送ってもらった。
僕自身の情熱が消えそうなときにも、彼の言葉や行動に勝手に勇気づけられていた。立ち上がれたのは彼の言葉のおかげでもある。
「自分自身との約束を守る。」
「自分史上最高の自分に挑戦しよう。」
「なりたくない自分にはならない。」
僕の指導には彼の思想が底流している。
そんな銘苅淳さんは、今シーズンからオムロンのコーチに就任された。日本リーグの再開スケジュールも決まった。新しいステージでの活躍が楽しみで仕方ない。
早く会場に会いに行ける日常が戻ってきてほしい。
運営さん、いろいろな競技をまんべんなく取り上げた方が企画としてはいいですよね?ハンドボール枠はこの人で間違いないですよ。
安井直人