目標達成に向けた、先生と子どもたちのかけ算
部活指導について、生徒に知ってほしいことがあります。
指導者と、競技者との掛け算について。
10年以上部活動を指導してきて、ハンドボールについて、時間もお金もかけて「研究」してきました。指導については、一応自信があります。
ただ、私が教えたい、できるようにしたい。という気持ちと、生徒がそう思う気持ちとがうまく掛け合わされたタイミングでないと、子どもたちが目標とする結果が出ないのが事実です。
私が100で練習の時間に向かっても、子どもたちが0なら、その日の練習の成果は0。100×0=0です。逆に、子どもたちが100で私が0でも同じです。
お互いにとっていい関係でないとトレーニングが効率よく行われず、目標に近づく速度がかなり遅くなります。
私が100で子どもたちが0だと、私が一方的に指導を押し付けている状況に陥り、「別にそこまでやろうとは思っていない」「部活が厳しすぎてついていけない」といった声があがってしまいます。それは、一番避けるべき事態です。指導者のための部活になってしまうのはよくありません。
子どもたちに確認すること
新チームになると必ず実施していることがあります。
今年は、勝ちにいきたいのか、それとも毎日の活動を楽しみたいのか。子どもたちに目標設定をさせています。その場には私は入らず、完全に子どもたちの世界の中で話をつけてもらいます。その温度に合わせて、1年間の指導計画を私がざっくりとたてていきます。
勝ちにいきたい
正直、そういわれると私は嬉しいです。指導者として、同じ温度で活動できることに喜びを感じます。ただし、その目標に温度が伴っていればの話ですが。お互いが一生懸命になれば、かなり熱い1年になり、私は楽しく指導できます。
知ってほしいこと
以前の記事にも書きましたが、家族や自分の子どもたちを家に置いたまま、部活に来ている現状。時には学校の仕事を止めて、部活指導をしに来ている現状があります。そんなときは翌日の朝活で仕事の穴埋めをします。
この状況で指導をしに来ているのに、子どもたちが0の状態だと、「なんだよそれは。」となってしまうのが現実です。部活ができること、指導者がいることに対して、感謝の気持ちを持ってほしい。
「先生なんだから」「部活は見に来て当然」という意識は捨てさせたい。あくまでも自分たちの活動をサポートしたり、ともに歩んでいる、なくてはならない存在としての認識を持つべきです。
私の気持ちを知ったうえで
もちろん、お互いに毎日100で活動することは難しいです。ただし、相手のマイナス部分をカバーしてあげることは可能です。生徒のモチベーションが少し低いと感じたとき、「こんな姿勢でやるなら帰れ!」という指導者もいますが、指導者側でどうにか言葉の力を使ってモチベーションを上げようと試みる。先生が仕事で疲れていそうなら、子どもたち同士でモチベーションを上げてみる。
お互いの掛け算を意識できれば、そんなことがすんなりとできるのではないかと感じます。どっちが悪いとか、どっちがせいだとかではなく、お互いにとって、目標に向かって支えあえる、信頼できる仲間として存在したい。
その土台作りが、部活指導をするうえで大切だと感じています。