【読書記録】不親切教師のススメ 松尾英明
読んだきっかけ
①年度初めの、生徒を迎え入れる準備があまりにも丁寧すぎるため、これが本当に子どもたちのためになっているのか疑問に思っていた
②教員は多忙だと言われているが、首を絞めているのは自分たち自身ではないか。仕事をしすぎている感はあるものの、なんとなく。といったレベルだったので確かな考え方を学びたかった。
学んだこと
学習指導もよりそいすぎればつきまとい
教えてくれないから自分で頑張らないと。と思わせる。
授業中に仲間に分かるように説明を求めると効果的
頭のいい子ほど、ほっておかれる。できない子と同様に対応するべき。
できるこには問題作成者をお願いする
本人の自由な選択と、結果への自己責任が基本
大人になるまでに小さな失敗をたくさんさせる
教師が作った掲示物というのは労力のわりに子どもは見ていない
掲示物はこどもに作らせて管理させるべき
個々の掲示物自体が本当に必要かどうか
「そろえる」ことを意識しすぎていないか
教室内に小さな壁で区切られたスペースを作る
自由になれる空間、監視の目から公に逃れられる空間ができることで影のトラブルは減るかもしれない
スクール型の机配置では、前に立つ教師がすべての面倒を見てくれるという思想がある
100点満点を褒めない。喜んでいる人の陰には悲しんでいる人がいるかもしれないことを忘れない。うまくいった時こそはしゃぎすぎないように気を付けること。
勉強しなさいと言わない。必要であれば勉強する。手出し口出しをすると、勉強ができないのは親や教師のせいという勘違いをする
発言する子よりも、よく聞いてくれている子を評価してあげる
強い圧力で髪型や服装を管理すると、子どもは自分には自己決定権がないと考え、主体性を失う
給食指導では、食にかかわった人への感謝の気持ちを育てる。完食が目的ではない。
なるべくケガをしないように、自分で気をつけなさい
ルールを守らない人がいるということを頭の片隅に入れて生活させる
いじめに対して、むやみやたらに首を突っ込んで子どもの人生における課題を解決してあげない。
廊下は走らないこと、走る人がいると常に予測して歩くこと、走るからにはその後を覚悟すること
こどもが危なっかしいのを、手を出さずにぐっとこらえて成長を見守る
感想
最初は、すべて自己責任で冷たい感じと、本来あるべき大人の姿はこれだよな。という感じが入り混じってた。読み進めていくうちに、手を貸さないことが、この子の今後の人生で自力解決するための力をつけることにつながるという感覚が強くなってきた。学校という、ミスが多少許される環境だからこそできる育て方だと思う。ルール、管理にしばられずに、自由に。というわけではなく、ルールは設定するけど守らない人がいることを予測するように。という考え方もしっくりきた。自分の行動を選択し、間違ったら修正し、大人になるまでに、より正しい選択を状況に合わせてできる人材を育成したい。
自己選択。自己責任。