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「二酸化炭素を岩石に封じ込める実験が進行中」という希望

『日経サイエンス』の2022年1月号の「太古のマントル岩石にCO2封印 中東オマーンで実験開始」という記事を読んで驚きました。なんと、かんらん石は二酸化炭素を鉱物化するんだそうです(正確には水と酸素、二酸化炭素がかんらん石と反応するとのこと)。

 著作権の問題もありますので、ご興味のある方はぜひ当該の雑誌を見ていただきたいのですが、オマーンの企業「44.01」が現在、実験中とのこと。そして、なにより驚いたのは「同じような露頭がアラスカやカナダ、カリフォルニア、ニュージーランド、日本などにも見られる」という記述。

 私は地学には疎いのですが、検索してみたら「日本地質学会」の以下のような記事を見つけました。

http://www.geosociety.jp/faq/content0418.html

「福井県大飯郡おおい町の大島半島には夜久野(やくの)オフィオライトが分布しており,県道241号線(赤礁(あかぐり)崎公園線)の大島トンネル北口から約200m北西の浦底(うらぞこ)地内の露頭(図1)には,そのモホ面(モホロビチッチ不連続面,地殻とマントルの境界)が露出しています.これは,道路沿いで容易に観察できるモホ面の露頭としては日本国内で唯一のものであり,かんらん岩・輝石岩・斑れい岩からなる層状構造が露出しています(図2).ここではモホ面の岩石や構造をよく観察することができます.」

http://www.geosociety.jp/faq/content0418.html

「モホロビチッチ不連続面」という単語は遠い昔に勉強した記憶しかありませんが、なるほど、「地殻とマントルの境界」という意味だったのですね。数十年を経てようやく理解しましたが、ならばマントル上部を主に構成しているかんらん石はそこにある、ということですよね。 

 で、検索したら以下のようなページに行き当たりました。

「モホ面の浅い領域は(1)北海道東部の千島弧,(2)東北地方三陸沖,(3)本州北部の中新世の中絶リフト領域,(4)紀伊半島や関東地方,(5)別府・島原地溝帯,(6)沖縄トラフの延長上の九州地域に存在する.」

https://www.hinet.bosai.go.jp/topics/moho/?LANG=ja

 さて、完全に素人考えですし、そんなにうまくはいかないような気もしますが、上記のエリアで二酸化炭素を吸収する新しいビジネスなど立ち上がらないものでしょうか。

 地球温暖化には心を痛めつつ、しかし、できることは少ないのでは、と考えていた私にはワクワクさせられるような記事でした。「44.01」の実験がどうなるのか、楽しみに注目していきたいと思います。

 

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