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コロナ禍で何もできなかったな、と思う

 ようやく日常が戻ってきた気がする今日このごろ。非常事態宣言も10月1日に解かれ、都内の感染者数も11か月ぶりに100人を下回りました。もちろん、飲食店の営業時間が21時までなど、まだまだ「コロナ以前の日常」には戻っていませんし、警戒を解いてはいけないのですが。

 個人的にはワクチンをようやく2回打てたことは大きな変化です。「ワクチン摂取をターニングポイントにする」と昨年から決めていました。とにかく、ワクチンを打つまでは自粛、と決意して行動制限を自らに課したわけです(ワクチンに対する考え方はさまざまなので、私はそう考えて行動したという話でしかありませんし、あまり議論もしたくありません)。

 ちょうどこのタイミングの日曜日に、コロナ自粛以降、1年半以上お会いできていなかった方々に会えるチャンスがあり、「ああ、まだまだ完全に日常ではないものの、少し日常が戻ってきたな」と思うと同時に、少しだけ話が下手になってるな、と感じました。

 というのも、かつてやってた「こんな面白いことがあって」というエピソードトークがないんですよね、今の私には。これからこの感覚も戻ってくると思いますが、とかくこの1年半、観念的になっていました。だって、会うのは家族と会社と仕事関係の人だけ。zoomで友人と飲むことは毎週やってましたが、それも10人ぐらいの人たちだけ。ただ、zoom飲みのメンバーとはおかげさまで濃厚な時間が過ごせたので、感謝しかありません。あれがなければ精神的にどうなっていたか、とゾッとします。

 そして、コロナ禍で奔走されていた医療従事者の方をはじめご苦労された方々への感謝と、そして大事な人を失った方々への哀悼の念を表しつつ、私個人は圧倒的に無為な時間を過ごしていました。暇、というのは少し違って、この期間にやれることをやろうと、読書や博物館、遺跡巡りなど密を避けつつやれることを模索して、それはそれで貴重な時間でした。

 ただ、「成果物」を作れていない。これが、本当に「ああ、しまったな」と思うところです。仕事ではもちろん、いろいろ作ってましたが、「自分のための何か」を作っていない。いろいろ構想はあっても、形にならない、といういつものやつ。

 身も蓋もない話をすれば、きっと、これはコロナとか関係ないんです。そもそも私はいつも言い訳ばかりで「本当に自分がやりたいこと」をしない人間なのでしょう。そもそも「本当にやりたいこと」があるのかも自らに問いかけましたが、知識や対面に縛られて、「これをやるにはあれが必要だ」などと準備に疲れ、また準備したことで満足して、結局、作らない。

 もう何十年もこれの繰り返しで、仕事にしないとやりゃしないんです。学習で終わってしまう。もちろん、学習は大事ですが、なんだかなあ、と思うのも事実。誰かと協同して何かを作ってきた人間なので、結局、私自身はクリエイターではない、ということがつくづくわかりました、改めて。

 さて、それなりの日常が戻ってきましたので、もちろん感染対策に気をつけつつ、会える人とは会っていきたいものです。今まで以上に頭でっかちになったこのコロナ禍での自分を、リアルな馬鹿話で解きほぐしたいものです。かつてのようにイベントなどやるのはまだしばらく先になりそうですが。

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