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【Paper】ナノカーボンヘテロ構造によりグラフェンの層間相互作用を制御-Published in Carbon

 大阪大学大学院工学研究科物理学系専攻応用物理学コースの丁明達さん(博士後期課程)、井ノ上泰輝助教、小林慶裕教授らの研究グループは、同専攻精密工学コースの森川良忠教授、NTT物性科学基礎研究所の谷保芳孝上席特別研究員らと共に、ナノカーボンヘテロ構造によりグラフェン間の相互作用を抑制することに成功しました。
 グラフェンは炭素原子1層から成る厚さ0.3 nmのシート状のナノ材料です。その原子構造に起因して、様々な優れた特性を示します。一方で、複数のグラフェンが積み重なると強い層間相互作用によりそのような特性が損なわれてしまいます。本研究では、グラフェンの層間に直径10 nm程度のナノダイヤモンド粒子を挟み、グラフェンを部分的に浮かせた構造を形成することで、グラフェン間の相互作用を抑制しました。化学気相成長法で合成したグラフェンを転写法で積層させる際にナノダイヤモンドを層間に挿入し、ラマン分光法および原子間力顕微鏡により層間相互作用や積層構造の変化を確認しました。また、分子動力学法および連続体モデルによる計算を行い、ナノダイヤモンド密度とグラフェン積層構造の関係を解き明かしました。今後は、このように作製されたグラフェン・ナノダイヤモンド複合体の電気特性や光学特性を活用した応用研究を進めていきます。

本研究成果は、米国科学誌「Carbon」に掲載されました。
タイトル:”Experimental and theoretical investigation of nanodiamond insertion on the interlayer interaction in multilayer stacking graphene”
著者名:Mingda Ding, Taiki Inoue, John Isaac Enriquez, Harry Handoko Halim, Yui Ogawa, Yoshitaka Taniyasu, Yuji Hamamoto, Yoshitada Morikawa, Yoshihiro Kobayashi
DOI:10.1016/j.carbon.2024.119464
(リンク:https://doi.org/10.1016/j.carbon.2024.119464 )

A collaborative research group have succeeded in suppressing the interaction between graphene sheets using a nano-carbon heterostructure. Please check the details in the link above.

同じ専攻内でのこういったコラボレーション素晴らしいですね(by広報担当)
おめでとうございます!😊


webサイト

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0008622324006833

ナノマテリアル領域(小林研究室)HP

https://www-ap.eng.osaka-u.ac.jp/nanomaterial/index.html